巣鴨高等学校 入試対策
2014年度「巣鴨高等学校の英語」
攻略のための学習方法
総合的な長文読解の問題演習を日頃からしっかり行って欲しい。
問題のレベルは、全国的な私立進学校の入試問題が適切であろう。７００字程度の英文であれば、６分～８分で読了したい。入試までにそのような長文読解問題、を１００題はこなしたい。
スピード面では速読で、できれば目線で英文を追いかける程度のスピードが必要であろう。読解の速さだけでは正解を導くために不十分である。さらに、内容把握能力。これが必要である。この能力の基盤となるのが、単語・イディオム・文法である。一つの英単語にも、様々な意味がある。そして、シンプルな単語程、そこに含まれる意味は豊富である。豊富な単語の意味の中からどのような訳を的確・迅速に抽出できるのかが、勝負の分かれ道である。
本文で扱われた文法事項について押さえておきたい事項を説明する。
第１に『不定司』。用法的には、名詞的用法、形容詞的用法、そして副詞的用法がある。名詞的用法は文字通り『名詞』のような働き（主語になる、動詞の目的語になる等）をする。形容詞的用法は同様に『形容詞』のような働きをする。つまり、名詞を修飾するのである。副詞的用法はしっかり学習しておいて欲しい。その用法について、主なものを説明する。
①目的：She went to a store to buy a book.（彼女は本を買うために店に行った）
②結果：I grew up to be a teacher.（私は大きくなって教師になった）
③原因：We are delighted to see you.（私たちはあなたに会えて喜んでいます）
④理由（判断理由）：What a fool I was to think that she loved me.（彼女が私のことを愛していると考えたなんて、なんて愚かだったんだろう）
第２に『完了形』。特に、現在完了形について基本事項を説明する。
皆さんの中には、「過去」と「現在完了形」との違いに悩んでいる場合も多いであろう。一言で言うならば「過去」は「過去の一点」であり、その時点で「行為・事実」は終了している。一方、「現在完了」は過去のある時点から現在にいたるまで「行為・事実」がつながって（続いて）いる、ということである。
したがって、現在完了の基本用法は次のようになる。
①完了：Ⅰ have just finished my work.（私はちょうど仕事を終えたところです）
②継続：I have had this headache for some days.（私は数日この頭痛が続いている）
③経験：I have met you only once.（私はあなたに一度しか会ったことがない）I have never been to a party.（私は決してパーティへ行ったことがない）
また、大問１で扱った英文中にも重要構文等が散見される。代表的なものをいくつか挙げてみる。
①「the rest of～」（１６行目）は「～の残り」⇒「残った～」。「rest」は「休息」などの意味があるが、本文では違うので注意すること。
②「…so (that) they can～」（１６行目）は「～できるために…」。「can」の部分には他の助動詞が入っても可。
③「…make these things possible」は、「make」の用法を確認しておくこと。この場合には「作る」という意味ではない。「You make me happy.」の「make」である。つまり、第５文型（Ｓ＋Ｖ＋Ｏ＋Ｃ）における「make」。「Ｏ」を「Ｃ」にする（make）である。巣鴨高校レベルの入試では常識であるし、大学入試を視野に入れた場合でも極めて重要な文法事項の一つである。
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2014年度「巣鴨高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は５０分。
大問１は説明文（長文読解）で設問数が１４問。本文の読了も含めて２０分で解答したい。
大問２は物語（長文読解）で設問数は４問。
大問３は整序問題で設問数は５問。
大問４は、対話文で設問数５問。
以上で、試験時間の５０分目一杯である。見直しの時間的余裕はないものと考えて、ケアレスミスのないよう慎重に解答すると同時に手際よく答えることが大事。
【大問1】説明文（長文読解）
- 時間配分：20分
説明文の長文読解。本文の読了で７分程度。設問解答に１３分。
内容的には、今日的問題である熱帯雨林の破壊とそのことが地球環境に与える影響（特に気候に対して）についての説明文である。話題としては、よく出題される話題の一つである。
３年後の大学入試を考えれば、このような地球環境問題（地球温暖化、気候変動）に関する英文や周辺知識（二酸化炭素排出とオゾン層の関係）などを読み込んでいると、英文の内容もよりしっかり把握することができる。
１．は適語を選択させる問題で、しかも必要であれば語形も変化させなければならない。文法的知識としては受け身、現在進行形、makeの用法（使役用法）、動名詞。
２．は適語補充。「○○ｍの高さ」という場合の「高さ」の英語表現を思い出すこと。
３．指示語の問題。「These plants in the upper level」を考える。
４．は適語選択問題。「もう一つの、別の」に該当する単語を選択。
５．は不定詞の用法に関する問題。本文は目的を表す副詞的用法（～のために）である。
６．は適語選択問題。本文は「今から８年経過すれば」という意味になる。「時の経過を表す前置詞」を選択する。
７．は冒頭のItの内容を問う問題。Itが形式主語であると見抜けば、その内容は真主語であるto～となる。
８．は英文解釈。本文において何を否定しているのかを考える。
９．適語選択問題。熱帯雨林の中で植物が生きていられるのはどうしてか。その原因を考えると答えは見えてくる。１０．Itは代名詞であるので、単数名詞を探して実際にItと置き換えてみる。
１１．木々が再び成長できない理由を考えてみる。
１２．本文下線部の「decreasing」から「少なくなる」⇒「小さくなる」と考え、同「affect」から「影響する」⇒「変化する」⇒「変える」と考える。
１３．適語補充問題である。本文を見ると「to find a solution before it～」となっており、「～する前に解決策を見つける」という主旨の文に仕上げるとしたら、「手遅れになる前に」とか「遅くならないうちに」という主旨の単語が入るはず。
１４．内容真偽問題。頻出問題である。本文の内容をよく把握して、真である選択肢を選ぶ。
【大問2】物語（長文読解）
- 時間配分：13分
物語の長文読解。サーカスのチケットを買いに行った私の思い出話。
チケットを買うために並んでいたとき前にいた親子連れがチケット購入代金が足りなかったため、私のお父さんが２０ドルを与えて親子連れが無事にチケットを購入できた話。結果、私はサーカスに行けなかったが、we didn’t go withoutであった。
１．共通適語選択問題。最初の①は「～の先頭」、次の①は「頭を下げた、うなだれた」と考える。
２．適語補充問題。売り子から父親が聞かれた内容なので「何枚お買いですか」という主旨の内容。
３．共通適語補充問題。２番目の③の前に「How much did you say？」とあり、この質問に売り子が父親に答えた内容。購入したチケットの「値段」と予想ができるだろう。
４．内容真偽問題。内容をしっかり読み込み真偽を判断する。選択肢のk．は「～何も見ずに帰る気にはなれなかった」という部分の判断はどうであろう。本文の「we didn’t go without」の部分である。「go without」とは「なしで済ませる」、「がまんする」という意味のイディオム。
【大問3】整序問題
- 時間配分：10分
本文をしっかり読み込み与えられた語句から英文を考える。
関係代名詞、疑問詞、イディオムなどの知識をあてはめ的確に解答すること。
【大問４】会話文
- 時間配分：7分
会話文の英訳問題。ＡとＢの会話の流れを捉えて、最適な英語表現を考える。
現在完了形、過去進行形、イディオムの知識が必要。口語表現も要注意である。
攻略ポイント
全体的には長文読解力が問われる。様々なジャンルの長文を事前に読み込んでおくべきである。
解説文・論説文の類は要注意。しっかり主張の道筋を追いかけその論点が何かを把握すること。抽象的な文章（芸術論・言語論）にもぜひ挑戦して欲しい。
下線部訳については、純然たる記述の下線部訳はないが、基本点的には下線部訳を「こなれた日本語」でしっかり訳出できるか否かがポイントである。
文法事項は、不定詞、関係代名詞、完了形、複雑な紛らわしい構文、受け身、などをしっかり学習し知識の定着を図ること。そのような知識をベースに、たくさん英文を読むことである。