巣鴨高等学校 入試対策
2018年度「巣鴨高等学校の数学」
攻略のための学習方法
単純な計算問題や教科書レベルの問題集の演習だけでは、巣鴨高校の問題には歯が立たないであろう。有理数(整数)と無理数がからんだ計算問題や等式の性質と有理数と無理数の等式が0(ゼロ)になるときの条件設定を使いこなすスキルを高める問題演習を行なうこと。
また、図形問題においても適切に補助線を引くことの練習も積んで欲しい。図形の中に、色々な形の図形が混在している場合に、どの図形に着目して考えを進めるかは極めて重要である。ここで方向性を見誤ると徐々に傷口が広がってゆき、取り返しのつかないことになってしまう。
したがって、平面図形(特に三角形)に関する問題では、折り返し、線対称・点対称、などの状況をしっかり把握することである。その上で、折り返しや対称移動でどのような事柄が言えるのかということをしっかり把握できるかどうかである。把握できるためにも原理を根本から理解することが大事。
数学は一生懸命勉強しているのに、試験の点数が伸びないのはどうしてだろう、と悩んでいる受験生も多いのではないかと思う。そのような受験生の大部分は、数学の解法を「目」だけで追いかけて「理解」した積りになっているケースが多い。
数学を上達させようと思ったならば、必ず「えんぴつ」を持って「紙」に自分の考え方を書き出し、解答に至るプロセスを自分なりに書き出してみることである。途中で矛盾が生じたり、結果が思ってもない数字になったり様々であろう。そのような試行錯誤を経て学力は着実に伸びる。数学的センス(正解を導くための見通しの良さ)も深まることは間違いない。えんぴつで自分の考えを紙の上に書き出してみて初めて、矛盾点や飛躍・論理破綻が見えてくる。難関校の数学の問題は概ねそのような勉強のやり方が効果的であろう。
そのような試行錯誤を繰り返す勉強方法は、人によっては遠回りのような、即効性のない学習方法に聞こえるかもしれない。しかし、目指しているのは「真の学力」である。そして、真の学力とは少々目先(数値であったり図形の向き)を変えられても、微動だにしない「骨太」の学力である。
この学力が身につき、確立されれば少々の問題は即座に解けるはずである。大事なのは、日頃から「自分の頭で考え」、「自分の手で書く」という作業を決して手を抜くことなく、ひた向きに努力し続けることができるかどうかである。
また、巣鴨高校のような上位校における数学の入試問題では、関数は外せないであろう。
放物線に直線が2点で交わっているという事実から、一体何が言えるのか。速攻で、連立方程式を考えその方程式が( )2=0とおけるか否かが、正解か否かを大きく分ける。
また、座標軸平面では、幾何の領域における問題を様々な形で出題可能である。
相似、合同、線分比や回転体の体積等は設問の条件次第で無限と言っていいほど問題は作問可能である。したがって、どのような条件の下で問題が出題されようが、問題の本質をしっかり読み取り、問われている事柄を理解し、あてはめる原理を特定し手際よく解答を導き出すのである。
場合の数・確率も最重要分野である。問題になると順列なのか組合せなのかを混同してしまう受験生も少なくない。コインを使った裏表に関する問題。サイコロを使った目の出方に関する問題等々。基本的な場合の数に関する問題演習はしっかり行い、与えられた条件が、「順列(役割や順番が決められている)」なのか「組合せ(役割・順番が未定である)」であるかをはっきりと間違えなく見極め、正解へたどり着ける学力が本番入試での「場合の数・確率」の完答へつながっていくのである。
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2018年度「巣鴨高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、小問集合問題である<7分>。連立方程式、約束記号から出題されている。
大問2は、さいころに関する確率の問題である<8分>。
大問3は、2次関数と1次関数の融合問題である<10分>。頻出問題である。しっかり事前の準備を行なって欲しい。
大問4は、円に関する平面図形の問題である<15分>。三平方の定理、相似の考え方を当てはめる。
大問5は、空間図形(正四面体)の問題である<20分>。三平方の定理などをうまく適用できるかがポイント。
【大問1】小問集合問題
- 時間配分:7分
3問とも標準問題である。
(1)連立方程式<2分>。基本的な連立方程式の考え方は変わらない。落ちついてしっかり計算をして欲しい。
(2)平方根の計算問題<2分>。カッコ内の式をA、Bと置き換えて与式を変形することが迅速な正答を導く第一歩である。
(3)約束記号の問題<3分>。指定された記号の定義に従って、具体的に結果を書き出してみると規則性が見えてくる。
【大問2】さいころに関する確率の問題
- 時間配分:8分
さいころを使った確率の問題は、頻出なので事前にしっかり演習を重ねること。
(1)確率の問題<2分>。さいころを3回投げるとすべての場合の数は、63通りとなる。つくった3桁の数字の各位の数字が異なるのは、1回目が6通り、2回目が5通り、3回目は4通りとなるので、その場合の数は6×5×4となる。
(2)確率の問題<3分>。3桁の数字の各位の数字の積が偶数となるのは、1-(3桁の数字の各位の数字の積が奇数となる確率)と考えたほうが考えやすい。奇数となるのは3つの数字がすべて奇数に出る場合だけを考えればよいからである。
(3)確率の問題<3分>。3桁のうち2つの数字の最大公約数が1になるということは、その2つの数字は互いに素である数字である。
【大問3】2次関数と1次関数の融合問題
- 時間配分:10分
2次関数と1次関数の融合問題は、高校入試に必ず出題される。全国の上位校・難関校に出題された入試問題を40~50題は解いておきたい。
(1)座標を求める問題<2分>。放物線と双曲線との連立方程式を使って求められている点の座標を考える。
(2)線分の長さを求める問題<3分>。直線ABは双曲線上のA(2,1)における接線であることを手掛かりに考える。
(3)座標上の図形における面積を求める問題<5分>。双曲線は原点に関して対称であるので、A(2,1)と対称の位置にある点は(-2,-1)となる。△ABPはABを底辺としたときの高さが最小となるときが、求める最小な三角形となる。
【大問4】円(平面図形)に関する問題
- 時間配分:15分
特別な直角三角形の辺の比を考えること。
(1)角度を求める問題<2分>。ABは円Oの直径である。また、DBは円Oの接線であることから、円周角の考え方を用いて正解を導く。
(2)面積を求める問題<6分>。相似の考え方を用いて、特別な三角形(内角が90度、60度、30度)における辺の比を活用すること。
(3)長さを求める問題<7分>。三平方の定理を用いながら、与えられた平面図形の中に特別な三角形を見つけ出し、辺の比を用いて解法を見つけること。
【大問5】正四面体に関する空間図形の問題
- 時間配分:20分
一度は解いたことのある問題であろう。落ち着いて確実に正解を導いて欲しい。
(1)辺の長さを求める問題<4分>。△ABH(直角三角形)において三平方の定理を用いて求められている辺の長さを求める。
(2)辺の長さを求める問題<6分>。△ABHが直角三角形であることより、この三角形の面積についてrを用いた面積と底辺×高さ÷2を用いて求める式を考えること。
(3)面積を求める問題<10分>。立体図形をある方向より見た場合の平面図形を考え、相似や平面図形における基本定理を当てはめて面積を求めること。
攻略ポイント
数量編、図形編とも標準問題以上の演習をしっかり行うことが必要である。特に、数量編では、方程式や連立方程式、式の計算など基本的計算力は完璧に仕上げること。
また、2次関数と1次関数の融合問題は、必ず出題されると認識し標準からハイレベルの問題をできるだけ多く演習して欲しい。その際に、座標軸上に平面図形の考え方(三平方の定理や円に関連する諸定理)を自在に当てはめられるようにしておくこと。
図形編では、やはり空間図形に関する問題演習、特に、三平方の定理をどのような条件においても応用できるようにすることが大事である。
確率の問題も重要である。色々な条件設定の確率問題に挑戦してみること。