東京科学大学附属科学技術高等学校 入試対策
2024年度「東京科学大学附属科学技術高等学校の英語」
攻略のための学習方法
長文読解
問われているのはほぼすべて実質的には内容把握であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては、説明文と物語文をバランスよく素材とした上で、精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、英文構造はそれほど複雑な英文は出てこないものの、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力を身につけなくてはならない。文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
普段の勉強から音読学習を取り入れるのが効果的だ。声に出して読むことで前から読み下す力を身に付けることが出来る。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかをしっかり確認する習慣を身に付けよう。漫然と目を通していると目が上滑りしてしまうので注意が必要だ。そうすることで、次の段落の内容が頭に入って来やすくなるのだ。
さらに、当校に特徴的な文整序や脱文挿入などを含んだ類似過去問・問題集を必ずやるようにしよう。
過去問の限られた年数分だけでは問題に完全に慣れることが出来ない。同じ学力でも設問形式に慣れているのとそうでないのでは、結果として出てくる点数が全く異なるということを分かっておこう。
自由英作文
自由英作文最大のポイントは「間違った英語を書かない」ということだ。
当たり前のことのように思えるかもしれないが、慣れていないと自分の書きたいことを無理やり英語化して、英語としては不自然な文を書いてしまい大幅に減点されてしまうことになる。
あくまでも書きたいことではなく、書けることを書くように意識しよう。
もっとも、普段から英文を書き慣れていないと、ほんの数分の限られた時間の中で40語以上を書くのは不可能だ。基本英文については普段から実際に手を動かして書く練習を学習に取り入れていこう。書く英文に関しては、あるテーマについて自分の意見を述べるタイプのものと、ある事柄について説明するタイプのものの両方を扱っておこう。本校ではどちらの出題もある。
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2024年度「東京科学大学附属科学技術高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数や形式にやや変化はあるものの問われている内容・質についてはほとんど変わっていない。基本的には空所補充問題・語句整序問題もしくは正誤問題・長文読解問題・自由英作文が出題される。読解問題については、注訳が多めに用意されているため、要求される単語レベルはそれほどではないが、英文量がかなり多いため、時間内に処理するには高度な読解力が必要だ。語句整序や脱文挿入、文整序など効率的な解き方の手順を確立しておかないと時間がかかりすぎてしまう設問もある。時間をかけるべき問題と、即座に答えていく問題の選択眼を養うことも重要だ。
【大問1】適語補充問題
- 時間配分:4分
昨年は短文を読んで単純な計算をさせるという問題であったが、今年は短いダイアローグの空所に当てはまる適切な英語を記述する問題が5題出題された。内容の読み取りは容易であり、頭文字も与えられているため点数は取りやすい問題と言える。
【大問2】短文空所選択問題
- 時間配分:3分
4題。時制や不定詞など主要な文法事項についての基本的な知識が問われているに過ぎないため、素早く解いて時間を稼ぎたい。
【大問3】短文空所記述問題
- 時間配分:3分
4題。大問2と異なり、こちらは空所に適切な語を記述するという形式となっている。もっとも問われている事項は大問3と同様基本的なものであるため、解答は容易であるが、ミスしがちな部分で設問が作られているため注意が必要だ。
【大問4】語句整序問題
- 時間配分:6分
昨年は正誤問題が出題されたが、再び語句整序の出題となった。会話の流れに合うように英文をくみ上げる形となっているが、読み取りは容易な英文であり、整序に必要な知識も基本的なものであるため完答を目指したい。
【大問5】中文読解問題
- 時間配分:5分
200語程度の説明文の読み取り。設問は適文として一文挿入するものと内容一致問題の2題のみ。適文挿入は具体的な話を抽象化して考えないと入らないという点ではやや難しいかもしれない。内容一致については単純な本文との照らし合わせで答えを導けるためこちらはしっかり点数を確保したい。
【大問6】中文・グラフ読解問題
- 時間配分:6分
こちらは200語程度の英文に加えてグラフが与えられており、照らし合わせながらの読み取りが問われている。昨年は出題がなかったが、大学受験時の共通テストや様々な検定試験で問われる形式であり今後の出題可能性も高い。グラフや表などが与えられているときは本文を読む前に、その図表のタイトルや項目などを素早く把握し、そのうえで本文に目を通すようにすると効率が良い。
【大問7】テーマ型英作文
- 時間配分:10分
与えられたテーマについて自分の意見を20~40語以下で書くというもの。語数はそれほど多くないので、抽象と具体を意識して2文に分け、それぞれで間違っていないと確信の持てる単語と文法・語法を利用して書くようにするとよい。
【大問8】長文読解問題
- 時間配分:16分
ノンフィクションの読み取り。空所補充・内容一致問題・適文挿入・要旨把握など多様な形式で内容把握が問われている。適文挿入については昨年同様、5か所の適文挿入を一つの文章群の中から選択しなければならないため、やりづらさを感じる問題となっている。手順を確立しておかないと時間がかかってしまう形式である。文章群・語群からの選択問題では入りやすいところから確定し、少しでも不安なところがあれば留保して先に進めるようにするのがよいだろう。今年は文章全体からの内容一致問題の代わりに、問8で実際に起きた順番に英文を並べかえるという問題が出題された。この形式の場合、選択肢に誤りのある文章が存在しないため本文を読み始める前に必ず目を通しておこう。
攻略のポイント
短い時間で長文を読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。英文を前から句・節ごとに訳し下す読み方を身に付ける必要がある。さらに、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指さなくてはならない。
また、脱文挿入問題など、特徴的な問題に強くなることも重要だ。当校類似の設問形式を含んだ他の学校の過去問を演習に取り入れると良いだろう。
自由英作文についても書き慣れていないとかなり時間がかかってしまう。まずは基本的な英文を、実際に手を動かして書く学習を取り入れよう。