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東京科学大学附属科学技術高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「東京科学大学附属科学技術高等学校の国語」
攻略のための学習方法

記述

「東工大附属の記述対策」は「問題解説」及び上記のとおりだが、その前提としてなすべきことがある。それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。
最初は時間がかかってもいい。厭わずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要があるからだ。

では、何を「書く」か? 「練習問題」や「過去問」にある「記述設問」は勿論だが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。100字程度で書いてみる(東工大附属の「要旨記述」の練習にもなる)。無論、内容は先生などに確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一挙両得。
次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。書きたい内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要。

その際、20~30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。
ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要な要素」を「文末」にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく(その際はマス目のない用紙を使いたい)。

解法

「選択肢」「脱文挿入」「記述」、その他の問題も含め、「東工大附属の国語」で勝利を手中に収めるための基本は、「解法」をいかにうまく使うかということだ。

「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。

そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解法」が定まっていない証だからだ。

そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。

そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

速読

大学入試にも匹敵する問題文を読まなくてはならない。
全体で5000字程度。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。
しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。
その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。東工大附属に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。

知識

「高度な語彙力」だけではなく、「敬語」等の「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「東工大附属の国語」(直接出題だけではなく、「本文読解」等でも必然的に問われる)。いかなる「攻略法」があるのか?

「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ、かも知れない。が、そこで諦めてしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。
先ずは、「己が実力」を悟ることだ(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。

「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。
さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「記述」にも不可欠だ。
日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。

なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・文法630」(「文法」含む)や「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字」(共に旺文社)などが推薦できる。
また、残念ながら「中学入試レベル」からの再スタートの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。

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2023年度「東京科学大学附属科学技術高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

  大問は「現古融合文」(「和歌」を題材とした「説明文」)、出典は谷知子「和歌文学の基礎知識」所収の「歌枕」(文字数約2600字)。小問は全13問(解答数15)。「選択肢」(「内容解釈」「内容説明」「換言説明」「総合的知識問題」等、「空所補充」あり)、「抜き出し」(3問)。
  問題文は3分ほどで読み切り、設問を13~14分で解きたい。
  大問は「小説」、出典は星新一「未来いそっぷ」所収の「企業内の聖人」(文字数約3500字)。小問は全11問(解答数26)。「選択肢」(「内容説明」、「同音異字判別」「総合的知識問題」等、「空所補充」あり)、「抜き出し」(2問)、「考察論述」(「100字以内指定」1問)。
  問題文は4分ほどで読み切り、設問を30分弱で解きたい。

【大問一】

  • 時間配分:13~14分

 1300年前に生まれ現代に続き、今なお魅惑的な「和歌」を楽しむための手引――「ヤマトタケル」から「良寛」まで、よりすぐりの和歌を楽しみながら、歌の発生、修辞技法や歌の社会的役割、工芸の世界をはじめ日本文化全体におよぶ「和歌」の影響などを解説している。本文では、平安時代頃から地名の意味で用いられるようになった「歌枕」について、それぞれの土地にふさわしい風景や情を詠むことが「お約束」になっていたと指摘している。「和歌」の解釈などが問われており、一定以上の「古文」の知識が必要となる。以下、いくつか検討してみよう。

[問二] 「内容説明選択肢」(6択)。
  傍線部「共同幻想」について、「その説明」を答える。「選択肢設問」は「消去法」が原則。先ずは「原意消去」をしたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。本問は「内容説明」なので、「共同幻想」の「原意」と結びつかない説明を「消去」することになる。各選択肢の「文末」と照合するのが基本だが(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)、説明がとても短いので全体を確認する。
  (ア)「同じ方法や制作手順で作られるもの」、(イ)「同じ空想を喚起するもの」、(ウ)「観念として文化圏で共有されるもの」、(エ)「観念であるかどうかを問題とするもの」、(オ)「実際問題にはなり得ないもの」、(カ)「実際と違うと了解されているもの」。どうだろうか?
  「共同」での「幻想」=「共有」している「幻想」なのだから、(ウ)以外は「消去」できなくてはいけない。
  あっという間の「一発消去」だった。「原意消去」こそ「解法マジック」だ。必ず、理解定着させ、応用できるようにしておくべきだ。
<時間配分目安:1分弱>

[問五] 「和歌の内容解釈選択肢」(5択)。
   「古文」。傍線部「白河の関屋を月の漏る影は人の心をとむるなりけり」の「解釈」を答える。先ずは「品詞分解」をする。
   「白河(名詞⇒地名)/の(格助詞)/関屋(名詞=関守の住む家)/を(格助詞)/月(名詞⇒地名)/の(格助詞)/漏る(ラ行四段活用の動詞「漏る」[=もれる]の連体形/影(名詞=光)/は(係助詞)/人(名詞)/の(格助詞)/心(名詞)/を(格助詞)/とむる(マ行下二段活用の動詞「とむ」(=とどめる)の連体形/なり(「断定」の助動詞「なり」の連用形/けり(「詠嘆」の助動詞「けり」の終止形)。「文語文法」に忠実に現代語訳をしてみる。
   「白河の関守の住む家にもれる月からの光は人の心をとどめるのだなあ」となる。したがって、「白河の関守の居所に差し入る月の光を見て感じる」と解釈している選択肢(エ)が「答え」だと特定できるはずだ。
   「古文」の読解では「品詞分解」が基本となる。本問程度の「分解」はできるようにしておきたい。また、基本的な「古文重要単語」は習得しておく必要があると心得よ。
<時間配分目安:2分半>

[問六] 「空所補充の場所選択肢」(全2問/5択)。
  本文中の空所     Ⅲ         Ⅳ      に「当てはまる場所」を答える。
  各選択肢の「場所」の「キーワード」を確認する。
  (ア)「東西二つの峰」「山」、(イ)「上皇の離宮(皇族の別邸)」、(ウ)「交通の要所」、(エ)「名高い市場」、(オ)「中国などへの渡航拠点」。空所前後の「文脈」から「答え」を特定していきたい。「台所の傍(かたわ)らには     Ⅲ      」⇒調理⇒食材⇒「答え」は(エ)の「名高い市場」。「御寝所(ぎょしんじょ=貴人の寝る部屋)の傍らには    Ⅳ      」⇒寝室⇒住居⇒「答え」は(イ)の「上皇の離宮」。
  こうした「選択肢設問」では「キーワード・要点」に着目することが肝要だ。無論、「空所補充」では「代入確認」を絶対に忘れないこと。
<時間配分目安:全問で1分強>

[問八] 「換言説明選択肢」(6択)。
  「総合的知識問題」。「語句の意味」だ。
 傍線部の「晴れの」とは「どういうことか」を答える。「大人の語彙力」が問われている。だが、本校志望者であれば知っていてほしい。「晴れ(ハレ)」と「褻(ケ)」。
 前者は「儀礼や祭、年中行事などの『非日常』」、後者「は普段の生活である『日常』」のことだ。
 各選択肢の「要点」は、(ア)「日常的な家庭生活」・(イ)「何かが起きた時のための備え」・(ウ)「明け透けな」・(エ)「非日常的な行事」・(オ)「建物の中心」・(カ)「慎ましやか」。当然ながら、「答え」は(エ)になる。もちろん、傍線部前後の「文脈」を読み解いて判別することも可能だが、とても手間ひまがかかる。
 高度な「語彙力」があれば圧倒的に有利だと心得よ。
<時間配分目安:30秒以内>

[問九] 「内容説明の表現抜き出し」(「6字」指定)。
 傍線部「いかにも障子絵の歌!」について、「ここに述べる『障子絵』をどのようにあるべきものと筆者は考えているか」が表れている「六字の表現」を抜き出して答える。
 「抜き出し」では、「抜き出すべき内容」を特定した上で「抜き出し範囲」を絞っていくことが鉄則だ。「内容」は無論、「筆者が考える『障子絵』のあるべきすがた(かたち)」ということになる。「範囲」は「同一意味段落」(「論説文」「説明文」「随筆」では、「同一意味段落」に「根拠・手がかり」がある)。
 ここでは、傍線部がある形式段落だけだと判断できる。丁寧に探していく。
 すると、段落の前半に、「後鳥羽院が建てた景勝四天王院」に関して「各部屋の障子に諸国の歌枕の絵と和歌が描かれて」いて、「景勝四天王院じたいがまさしく日本国の縮図であり……」という筆者の説明がある。「諸国の歌枕の絵が描かれて」いる「障子絵」=「日本国の縮図」⇒「筆者が考える『障子絵』のあるべきすがた」と結びつくことが分かるはずだ。同じ「抜き出し範囲」に他に候補はない。したがって、「答え」は「日本国の縮図」(6字)だと特定できる。
 尚、「抜き出し候補」はひとつとは限らないので、「範囲」の全てを隈なく探すことが肝要だ。
<時間配分目安:1分半>

[問十二] 「空所補充の作品名選択肢」(10択)。
 「総合的知識問題」。「文学史」。本文中にある空所    Ⅴ      に「当てはまる作品名」を答える。空所前後の「文脈」から、作品は「阿仏尼(あぶつに)」の「旅日記と鎌倉滞在記」だということが分かる。
 各選択肢の「作品名」は、(ア)「源氏物語」・(イ)「竹取物語」・(ウ)「枕草子」・(エ)「十六夜日記」・(オ)「小倉百人一首」・(カ)「土佐日記」・(キ)「徒然草」・(ク)「方丈記」・(ケ)「平家物語」・(コ)「南総里見八犬伝」。無論、「答え」は(エ)の「十六夜日記」。即答できなくてはいけない。  
 尚、他の「作品」それぞれについても、「作者」「ジャンル」「時代」などを整理して覚えておく必要がある。本校では「文学史」が頻出だ。
<時間配分目安:30秒>

【大問二】

  • 時間配分:30分弱

 「アリとキリギリス」「北風と太陽」「ウサギとカメ」など幼いころから誰もが親しんできた寓話の世界に驚きの大革命――愉しい笑いと痛烈な風刺で、あなたを新たな世界へと誘う「ショートショート」33編のひとつ。
 本文では、「決して悪いことをしそうもない」と見られたことだけで入社試験で採用が決まった、キャリアもない平凡な男の企業内での悲喜劇が描かれている。内容は難なく理解できるはずだ。掉尾を飾るのは本校のお約束「考察論述」だが(「掉尾を飾る」⇒知らなくてはいけない)、本大問で特筆すべきは11ある小問中なんと7問が「総合的知識問題」だということだ。それらを中心に以下、いくつかチェックしたい。

[問一] 「漢字の同音異字判別選択肢」(全5問/各5択)。
  「総合的知識問題」。波線部(a)~(e)のカタカナの部分と「同じ漢字」が使われているものをそれぞれ答える。
  「文脈」から「同音異義語」の中で熟語を特定し、各選択肢の「同じ漢字」を判別する。「5問」ではあるが、結局「30の熟語」が分からなくてはいけないということだ。厄介ではあるが、本年度の難易度は高くない。「全問正解」といきたい。やや悩ましいもの2問だけを確認する。
 波線部(c)「徳目と企業内での能率とが、彼の上において一していない」⇒「イチチ」? などと混乱してはいけない=「一」、各選択肢は、
 (ア)「価値」・(イ)「精緻」・(ウ)「風致」・(エ)「稚拙」・(オ)「知見」⇒「答え」は「(ウ)」。(e)ハイ斥する気にもなれない」=「斥」、(ア)「腐敗」・(イ)「排気」・(ウ)「背景」・(エ)「崇拝」・(オ)「輩出」⇒「答え」は「(イ)」。
 これら2問以外の選択肢の「熟語」についても当然、定着していなくてはいけない。
<時間配分目安:1分半>

[問二] 「品詞判別選択肢」(全5問/10択)。
  「総合的知識問題」。「口語文法」。傍線部③・④・⑦・⑧・⑩の語の「品詞」を答える。「文法」の基本たる「品詞」、理解し定着さえしていれば何の問題もないのだが、さぼっていると「全滅」だってあり得る。紛らわしいものだけをチェックする。
 ③「帰らざるをない」⇒「自立語」で「活用」があり「述語」、言い切りは「える(得る)」⇒「答え」は(カ)「動詞」。「酒席への招待のたぐいは一切受けつけず」⇒「自立語」で「活用」せず、「主語」になっている(「類い」)⇒「答え」は(ア)の「名詞」。いわゆる社用族として」⇒「自立語」で「活用」せず、「修飾語」になっている⇒「体言」だけを修飾する⇒「答え」は(ウ)の「連体詞」だ。本問を含めて、本年度は「口語文法」が3問も出題された。今後も覚悟せよ。
<時間配分目安:全問で2分弱>

[問四] 「単語用法判別選択肢」(5択)。
 「総合的知識問題」。「口語文法」。傍線部(ア)~(オ)に含まれる「ない」の中で「異なる使い方のもの」を答える。定番である「『ない』の判別」だ。
   「ない」には、「助動詞」・「形容詞」・「補助形容詞」(本来の意味から離れて用いられる形容詞)・「形容詞の一部」といった4つの用法がある。は「付属語」で「打消し」を、は「自立語」で「不在」を、③④は「自立語」で「打消し」をそれぞれ表す。ということで、各選択肢の「ない」を判別していきたい。
    (ア)「悪事はやらないだろう」⇒「やらない」で一文節⇒「ない」は「付属語」で「打消し」の意味=「助動詞」、(イ)「ためらったのかもしれない」⇒「しれない」で一文節⇒「ない」は「付属語」で「打消し」の意味=「助動詞」、(ウ)「権利はない」⇒「ない」で一文節⇒「ない」は「自立語」で「不在」の意味=「形容詞」、(エ)「ごまかしたりしないだろう」⇒「しない」で一文節⇒「ない」は「付属語」で「打消し」の意味=「助動詞」、(オ)「人はいない」⇒「いない」で一文節⇒「ない」は「付属語」で「打消し」の意味=「助動詞」。故に、「答え」は(ウ)になる。
   こうした基礎的な問題では絶対に失点しないこと。
<時間配分目安:30秒以内>

[問五(ⅰ)(ⅱ)] 「敬語用法判別および敬語動詞判別選択肢」(全2問/3択と6択)。
 「総合的知識問題」。「敬語」だ。二重傍線部「先日、うちの社員が【行って】……」についてだ。
 (ⅰ)「【行って】の部分を敬語で表したい時、ここではどの種類の敬語を用いるのが適当か」を答える。「うちの社員」(身内)の「動作」なので相手に対してへりくだった表現にする⇒「答え」は選択肢(イ)の「謙譲語」だ。
   (ⅱ)「【行って】の部分を敬語を用いた表現に直した時、ふさわしいもの」を答える。各選択肢の「表現」は、(ア)「いらっしゃって」・(イ)「差し上げて」・(ウ)「拝見して」・(エ)「うかがって」・(オ)「くださって」・(カ)「召し上がって」。「行く」の「謙譲語」は「うかがう」⇒「答え」=(エ)
 「敬語」に関しては苦手な諸君が多いので、しっかりと理解し、定着させておくことが肝要だ。
<時間配分目安:全問で1分強>

[問七] 「空所補充の語句選択肢」(全3問/7択)。
   空所  A   C   D   に「あてはまるもの」を答える。選択肢は「接続詞」だ。本校に限らず定番の問題。「逆接」以外には十分に注意しなくてはいけない。「逆接」以外だと、どれもがあてはまってしまう可能性があるのだ。
   単純に前後を読みつなぐだけではなく、それぞれの「接続詞」の「意味・用法」を的確に押さえた上で、「文脈」を確認する必要がある。また、段落冒頭の「接続詞」は前段落全ての内容を受けているので注意すること。各空所の「答え」を確認していきたい。
    A   には「順接」の(カ)「そこで」、  C   には「逆接」の(ウ)「しかし」、  D   には「並立」の(エ)「また」がそれぞれあてはまる。
   「接続詞」や「副詞」などの「空所補充」は必出だ。失点は致命的になると心得よ。
<時間配分目安:全問で1分強>

[問十一(ⅰ)] 「内容考察選択肢」(5択)。
   傍線部(Z)「なんということなく、周囲ではひとつの結論に達した」について、「この話(本文)のその後、営業部は『男』についてどのように対応したと考えられるか」を答える。「同一場面」に「手がかり」を求めたい(「小説」「随筆」では「同一場面」の「直前直後」に「手がかり・ヒント」がある)。
   直後から、「営業部」が「祭り上げ。それができれば、いちばんいいのだがなあ。すべて丸くおさまる」と考えていることが読み取れるはずだ。
   各選択肢は、(ア)「仕事の足を引っぱる」・(イ)「関係を断って助力をやめる」・(ウ)「力ずくで会社から追い出す」・(エ)「おだてて高い地位につかせる」・(オ)「これまで以上に出張に行かせる」。「祭り上げる」=「ある人を周囲の者がおだてるようにしてある地位につかせる」ことを表す表現だと知らなくてはいけない。であれば、「答え」は(エ)だと判別できる。
   本問は「内容考察」のようではあるが、実は「慣用句」の「総合的知識問題」だったわけだ。
<時間配分目安:1分強>

[問十一(ⅱ)] 「考察論述」(「100字以内」指定)。
   前問の[問十一(ⅰ)]を踏まえ、「営業部が起こしたと考えられる行動の具体的な内容とその行動によって期待できる効果」について考え、「百字以内」で論述する。
   本文全体から、「営業部」の「発想」と「行動」を考察して、類推していきたい。
   (ⅰ)で確認したように、「男」を「祭り上げ」にするのが一番いいと判断した「営業部」。「高い地位」につけることで、「辞職勧告」をすることも「首にする」こともしないが、「営業部」からは追い出そうとしたと考えられる。それができれば、周囲の者が彼のために「調子が狂いがちになる」こともなくなるし、「彼がいるためにその課の成績が落ち、ボーナスの額に影響してくる」という懸念もなくなって、「すべて丸くおさまる」はず……。といった内容が考察できるはずだ。
   あとは、「行動の具体的な内容」と「期待できる効果」を明確にして、適切にまとめていく。たとえば、「高い地位につけることで辞職勧告をせずに『男』を追い出そうとし、それにより周囲の者の調子が狂いがちになることもなく、彼がいる課の成績が落ちてボーナスの額に影響が出るという懸念もなくなるという期待をした。」(100字)といった「答え」だ。
   尚、「説明記述」や「考察論述」における「条件」は「手がかり・ヒント」でもあると心得よ。
<時間配分目安:5分>

攻略のポイント

  • ●本校では昨年度、「出題内容」および「出題形式」の大変革があった。特に唐突な「古文」の出題は、本校が第一志望の諸君にとっては「青天の霹靂(へきれき)」だったに相違ない(この成語が未知の諸君は確認せよ)。その流れなのか、本年度は「現古融合文」(「和歌」を題材とした「説明文」)の出題があった。新たな傾向として定着するのかは即断できないが、対策は不可欠だ。学校の「古文」の授業だけでは不十分で、高校の「基本レベル」の習得は必須だ。

    ●一気に重要度を増したさまざまな「考察問題」や、細かな判別が求められた「口語文法」を含む「総合的知識問題」(昨年度同様、配点が全体の4割にもなっている)も決して侮れない。十分な練習と習得がより一層必要となる。尚、「漢字問題」では4年連続で「同音(訓)異字判別」が出題された。それに対する備えも忘れないこと

    「長文説明」や「論旨説明」などの一筋縄ではいかない「説明記述問題」、そして、「考察論述」はどうすれば「攻略」できるのか? 愚直に「説明記述」の「練習」を続けることに尽きる。
       先ずは、正否の分岐となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていくという手法を完璧にマスターすること。「内容」の優先度を勘案し、高いものから積み上げていく。それぞれの「要素」を「20~30字程度」でまとめられるようにしたい
       「合格ライン」は6割半程度(本年度の3教科合計の「合格者最低得点率」は64.6%)。出題数は少ないが「説明記述」「考察論述」の「配点」は大きいので、「失点」はもちろん、「減点」もできるだけ防ぎライバルに差をつけておきたい。

    多種多様な「選択肢設問」はどうするか? できるだけ単純な方法で、「選択肢」を少しでも「消去」しておくということだ。有効なのが「原意消去」。それにより可能な限り「消去」し、その上で様々な「解法」を用いて、最終的に判別していく。
       したがって、基本的「解法」を完全に習得し的確に応用できるようにしておくことが重要だ。「選択肢設問」での「失点」を防ぎ、「得点力」を安定させること

    試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。文章量は安定していない。近年は増加傾向で、本年度は約6100字。無論、速く正確に読み取ることができた方がいい。分速750字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

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