桐朋高等学校 入試対策
2023年度「桐朋高等学校の英語」
攻略のための学習方法
確実に合格を手にするための学習ポイントを何点かにわたり、以下に述べてみたい。
単語力をしっかり蓄える
難関校合格に求められる最低でも3500単語。具体的には、英検準2級以上のレベルである。特に、一つの単語で多様な意味を有する単語は要注意。例えば、figureという名詞には「人形、人物、数字、(数字の)桁、図柄、形」などの意味がある(同様な単語は他にもたくさん存在)ことなどをしっかり把握しておくこと。そうしないと、英文を正しく読むことができなくなる。また、英単語の根本的な意味を把握しておくこと。例えば、natureという単語がある。大半の受験生の皆さんは「自然」と訳するだろう。もちろん、「自然」という訳をあてはめて適切である場合もあるかもしれない。しかし、難関校の英文をその内容までしっかり押さえるためには英単語の持つ“根本的な意味(根っこの意味)”を 押さえておくことである。そこで、natureの根っこの意味とは何であろう。考えてみると「自然」とは、人間の手が入っていない状態のことであり、まさに「自然な状態」のことである。何も手を入れていない状態という意味から、natureには手を入れていないもともとの状態という意味から「本質、性質、本来、元来」などの意味を含むのである。さらにその形容詞形であるnaturalには「本質的な、本来の」という意味がある。つまり、「今ある状態をさかのぼった起源的な状態」のことを指すのであり、平易な言葉でいえば「もともとの」という意味になるのであり、他の単語で考えると‘original’という単語とほぼ同じ意味となる。このように、単語の本質的な意味を折に触れて理解し、自身の知識として蓄えていくためには、「英英辞典」を使うと効果的であろう。ぜひ挑戦して欲しい。
また、受験生の多くが英語長文に苦労する。その原因として考えられる主たるものは、「文法事項」の基礎的知識が不足していること、又はその知識が十分あったとしてもそれを実際の問題にあてはめる(=アウトプット)実戦力が足りないことが考えられる。そこで、受験生が戸惑い、かつ入試長文に頻出される文法事項の中の一つである「分詞構文」について、一緒に確認してみたい。
分詞構文を十分に理解すること
分詞が動詞と接続詞の両方の働きを持ち、その分詞の導く句が副詞句として用いられる場合、分詞構文という。具体的には、文頭に~ingがあり、それが動名詞として主語の働きをしていない場合には、分詞構文と考えるのである。分詞構文の代表的用法としては、ⅰ)時(~のとき)、ⅱ)譲歩(~だけれども)、ⅲ)理由(~なので)、ⅳ)様態(~のように)、条件・場合(~の場合は)などがある。
例えば、ⅰ)について以下のような分詞構文の仕組みについて理解を深めよう。
Seeing me, the dog wagged its tail.(私を見ると(=見たとき)、その犬はしっぽを振った)
という英文を考えてみると、文の前半(条件節又は従属節という)は、接続詞が省略され、主語も後半(帰結節又は主節という)の主語と同じなので省略される、というルールに従って書かれた英文である。したがって、省略された部分を補って考えると以下のようなオリジナルな英文であることを理解して欲しい。
When the dog saw me, it(=the dog)wagged its tail.
この英文が分詞構文を用いて表現すると上記のような英文になるのである。また、-ed(過去分詞)で始まる動詞で始まる分詞構文もあるので注意すること。その場合には、従属節(条件節)が受動態の場合であることも必須知識である。さらに、条件節と帰結節の主語が異なる場合も、機械的に条件節の主語を省略させるわけにはいかない。その場合には、従属節の中の主語は省略させずに残した状態(S1+~ing+~,S2+V+~)で表現するのである。これを「独立分詞構文」という。
以上、分詞構文について概観したが、興味のある受験生は高校生用の文法書で『分詞構文』の項を熟読し、実際の長文に取り組んで欲しい。
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2023年度「桐朋高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、リスニングテスト問題<10分>。
大問2は、長文総合読解問題(物語文)<15分>。
大問3は、長文総合読解問題(説明文)<16分>。
アスリートについて述べた説明文である。
大問4は、自由英作問題<9分>。
与えられた日本文を英文に直す完全自由英作問題が2題である。
【大問2】物語文に関する長文読解総合
- 時間配分:15分
(問1)適語選択問題<2分>。
1-a as ~は「~として」という前置詞のasである。
1-b wait for ~は「~を待つ」である。
1-c 「~の下」となるのでunderである。
1-d pass by ~は「~のそばを通る」である。
(問2)文脈把握問題<2分>。
本文に、Doesn’t he look our dead son, Henry? Shall we awaken him?をしっかり読み込むこと。妻は死んだ息子に似ている人物を起こそうとしているのである。
(問3)下線部訳問題<2分>。
Sinceは「~以来」という接続詞である。to give our money のto giveは形容詞適用のto不定詞である。moneyはこの場合は「財産」となる。
(問4)整序問題<2分>。
asが2つあることから、as~asを使用して比較級の原級構文を考える。作るべき英文は「彼が見た目と同じくらい純粋だと思いますか」となる。
(問5)英文解釈問題<2分>。
5-a They felt foolishは「バカげていると感じた」であり、for以下に「なぜバカげているのか」の根拠が書いてある。
5-b 下線部の訳は「デイビットが日陰で寝ているのを見たとき、彼女の顔は赤くなった」である。
5-c 下線部の訳は「最初の男は自分のコートを開き、彼の仲間に大きなナイフを見せた」である。
(問6)適語補充問題<2分>。
選択するべき語は「富」「愛」「死」である。
(問7)適所選択問題<3分>。
ヒラリーがデイビットが幸運であったと思う理由と不運であったと思う理由を考える。
【大問3】説明文に関する総合読解問題
- 時間配分:16分
(問1)適語選択問題<1分>。
people want to be (1) と考えているので、次の文でFor this reason, sports organizations make ruleとなるのである。
(問2)文整序問題<2分>。
a new materialが誕生した文であるCを先頭にすると合理的に英文が並ぶであろう。
(問3)語形変化問題<1分>。
3-a surpriseを形容詞化してsurprising「驚くべき」とする。
3-b 時制を過去にする。
(問4)適語選択問題<3分>。
直後の英文に、It’s not who’s wearing what suit, who has what material.とあり、この英文が下線部(4)を意訳するヒントになる。本問は下線部を直訳しただけでは十分ではない。
(問5)整序問題<3分>。
与えられた語群から「平均的なテニス選手にとってテニスをより楽しいものにした」という英文を作る。have made +目的語(tennis)+形容詞(more enjoyable)とする。
(問6)下線部訳問題<3分>。
thatは関係代名詞(主格)である。without using much energy は「多くのエネルギーを使わずに」となる。
(問7)内容正誤問題<3分>。
B「いい用具を買う十分なお金を持っている人は、競技においてもより有利になるかもしれない」
F「科学技術がスポーツ競技大会を不公平にしないのであれば受け入れられる、と筆者は考えている」
【大問4】自由英作問題
- 時間配分:9分
(1)「至難の業だよ」という表現を「とても難しい」と読み替える。It is ~ to …の構文を使う。「こんな雨の日に」はon a rainy day like thisなどで表現できる。
(2)「時間が余計にかかるかもしれない」は、more time「より多くの時間」を主語としIt may takeにつなげる。mayは推量の助動詞である。
攻略のポイント
英語力のレベルとしては、高校1年生レベルを超えている。単語力も英検準2級はクリアにしてもらいたい。その上で、熟語(イディオム)も英検準2級レベルのものは確実に覚えてもらいたい。文法事項として、不定詞、関係代名詞、比較、分詞、仮定法、分詞(現在分詞・過去分詞)の形容詞的用法などの内容については、高校初級レベルの知識は確実にしておきたい。さらに、長文読解力であるが、400~500単語の長文総合問題(解答時間:15分を目標)を、3日で2題の割合で取り組んで欲しい。