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桐朋高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2024年度「桐朋高等学校の英語」
攻略のための学習方法

確実に合格を手にするための学習ポイントを何点かにわたり、以下に述べてみたい。

  • 単語力をしっかり蓄える

難関校合格に求められる最低でも3500単語。具体的には、英検準2級以上のレベルである。特に、一つの単語で多様な意味を有する単語は要注意

例えば、figureという名詞には「人形、人物、数字、(数字の)桁、図柄、形」などの意味がある(同様な単語は他にもたくさん存在)ことなどをしっかり把握しておくこと。そうしないと、英文を正しく読むことができなくなる。また、英単語の根本的な意味を把握しておくこと。例えば、natureという単語がある。大半の受験生の皆さんは「自然」と訳するだろう。もちろん、「自然」という訳をあてはめて適切である場合もあるかもしれない。しかし、難関校の英文をその内容までしっかり押さえるためには英単語の持つ“根本的な意味(根っこの意味)”を 押さえておくことである。そこで、natureの根っこの意味とは何であろう。考えてみると「自然」とは、人間の手が入っていない状態のことであり、まさに「自然な状態」のことである。何も手を入れていない状態という意味から、natureには手を入れていないもともとの状態という意味から「本質、性質、本来、元来」などの意味を含むのである。さらにその形容詞形であるnaturalには「本質的な、本来の」という意味がある。つまり、「今ある状態をさかのぼった起源的な状態」のことを指すのであり、平易な言葉でいえば「もともとの」という意味になるのであり、他の単語で考えると‘original’という単語とほぼ同じ意味となる。

このように、単語の本質的な意味を折に触れて理解し、自身の知識として蓄えていくためには、「英英辞典」を使うと効果的であろう。ぜひ挑戦して欲しい。

また、受験生の多くが英語長文に苦労する。その原因として考えられる主たるものは、「文法事項」の基礎的知識が不足していること、又はその知識が十分あったとしてもそれを実際の問題にあてはめる(=アウトプット)実戦力が足りないことが考えられる。そこで、受験生が戸惑い、かつ入試長文に頻出される文法事項の中の一つである「分詞構文」について、一緒に確認してみたい。

  • 分詞構文を十分に理解すること

分詞が動詞と接続詞の両方の働きを持ち、その分詞の導く句が副詞句として用いられる場合、分詞構文という。具体的には、文頭に~ingがあり、それが動名詞として主語の働きをしていない場合には、分詞構文と考えるのである。分詞構文の代表的用法としては、ⅰ)時(~のとき)、ⅱ)譲歩(~だけれども)、ⅲ)理由(~なので)、ⅳ)様態(~のように)、条件・場合(~の場合は)などがある。例えば、ⅰ)について以下のような分詞構文の仕組みについて理解を深めよう。

Seeing me, the dog wagged its tail.(私を見ると(=見たとき)、その犬はしっぽを振った)

という英文を考えてみると、文の前半(条件節又は従属節という)は、接続詞が省略され、主語も後半(帰結節又は主節という)の主語と同じなので省略される、というルールに従って書かれた英文である。したがって、省略された部分を補って考えると以下のようなオリジナルな英文であることを理解して欲しい。

When the dog saw me, it(=the dog)wagged its tail.

この英文が分詞構文を用いて表現すると上記のような英文になるのである。また、-ed(過去分詞)で始まる動詞で始まる分詞構文もあるので注意すること。その場合には、従属節(条件節)が受動態の場合であることも必須知識である。さらに、条件節と帰結節の主語が異なる場合も、機械的に条件節の主語を省略させるわけにはいかない。その場合には、従属節の中の主語は省略させずに残した状態(S+~ing+~,S2+V+~)で表現するのである。これを「独立分詞構文」という。

以上、分詞構文について概観したが、興味のある受験生は高校生用の文法書で『分詞構文』の項を熟読し、実際の長文に取り組んで欲しい

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2024年度「桐朋高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、リスニングテスト問題<10分>。

大問2は、長文総合読解問題(説明文)<20分>。

大問3は、長文総合読解問題(説明文)<14分>。

大問4は、自由英作問題<6分>。

与えられた日本文を英文に直す完全自由英作問題が2題である。

【大問2】説明文に関する長文読解総合

  • 時間配分:20分

(問1)適文選択問題<3分>。

1-a 本文の文脈からDの…, partly because of the influence of his familyは手掛かりである。

1-b 直後のHe went to Boston to teach at a school for deaf childrenから考える。

1-c 直後にIn those days, the telegraph was the only way to send information quickly …とある。

1-d  直後にLuckily, he met a man …とある。

(問2)英文解釈問題<2分>。

直後のShe usually held a tube to her ear in order to hear peopleから耳が遠いことが推測される。

(問3)語句問題<2分>。

He used to press his mouth against her forehead and speak in a low voiceとある。

(問4)整序問題<3分>。

語群の中から「のちに彼の奥さんになった」という英文を考え、関係代名詞whoでつないでいく。

(問5)適語補充問題<2分>。

Bell(電話の発明者)は、along a wireで「何を」sendする方法を発見したのか。

(問6)語形変化問題<2分>。

過去分詞の形容詞用法(後置修飾)をあてはめる。同様に現在分詞の形容詞用法(後置修飾)についてもしっかり把握しておくこと。

(問7)英文和訳問題<2分>。

expect ~ to …は「~が…すると思う」である。目的格の関係代名詞thatをうまく処理すること。

(問8)英作文問題<4分>。

    特性としては、「電線を必要としない」don’t need a wireであり、「簡単に持ち運べる」can carry them easilyである。

    さらに、「多くの機能がある」have many functions であり、「写真を撮る」take picturesである。

【大問3】説明文に関する総合読解問題

  • 時間配分:14分

(問1)適語選択問題<2分>。

学校に入学して学ぶことは「名前の書き方」であるのでhow toとなる。

(問2)文整序問題<2分>。

Hieroglyphicsについての説明が続く内容であることが推測できるのでイから始まるであろう。

(問3)指示語問題<2分>。

a complex written form は直前の文章を参考に考えること。

(問4)適語選択問題<1分>。

(4ア)の文頭が手掛かりになる。(4イ)漢字も視覚的なものを持っていたのである。

(問5)適語選択問題<1分>。

「明」は「日」と「月」から成り立っている。

(問6)指示語問題<2分>。

直前の文であるChinese speakers had to learn thousands of unique pictures or characters to be able to read write the language から判断できる。

(問7)要旨把握問題<1分>。

下線部の訳は「絵は今でさえ考え方を伝達するために使われる」である。

(問8)要約文問題<3分>。

本文をよく読み適切な語句の組み合わせを考える。例えば、(1)であれば「ほとんどの今日の文字体系はアルファベットを使用しているのである」である。

【大問4】自由英作問題

  • 時間配分:9分

(1)「留学中のカナダの友人」は関係代名詞の主格を用いるか現在分詞の形容詞用法(後置修飾)のどちらかを用いて表現する。

(2)「ごった返している」=「とても混雑している」と読み替えよう。また、時制の関係を明確に捉えること。

攻略のポイント

英語力のレベルとしては、高校1年生レベルを超えている単語力も英検準2級はクリアにしてもらいたい。その上で、熟語(イディオム)も英検準2級レベルのものは確実に覚えてもらいたい。文法事項として、不定詞、関係代名詞、比較、分詞、仮定法、分詞(現在分詞・過去分詞)の形容詞的用法などの内容については、高校初級レベルの知識は確実にしておきたい。さらに、長文読解力であるが、400~500単語の長文総合問題(解答時間:15分を目標)を、3日で2題の割合で取り組んで欲しい

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