桐朋高等学校 入試対策
2015年度「桐朋高等学校の英語」
攻略のための学習方法
桐朋の英語は、大問の区別では、「リスニング」と「長文」と「和文英訳」になる。受験の準備に当たっては、さらに「英文和訳」を加えた4つの単元があると考えると、見通しが良い。単元はそれぞれ独立しているので、志望者はただ漫然と「今日は英語を勉強する」のではなく、「今日は英語の○○の単元を勉強する」と、意識して、学力を磨いていこう。またひとつの単元を完璧にすることにこだわりすぎて、他の単元がおろそかになることにも注意したい。
リスニングについては、過去問を通して慣れていこう。放送をきちんと聴き取ることはもちろんだが、同時に自らの手を動かして作業ができるようになっておきたい。放送が始まる前に、解答の候補を確認したり、必要とあればメモを取るという技術があることがのぞましい。
長文については、少なくとも中学範囲の英単語を完璧にしておこう。完璧でなくても、他の学校の長文ならば、文章の前後から判断できるかもしれない。しかし、桐朋では通用しない。そもそも、受験生にわからない単語があることを前提に、問題を作成しているからだ。
その方針のわかりやすい例は、【大問3】の(設問3)だ。「occupation」という英単語を、事前に暗記しておくのではなく、そのまわりの単語を完璧に理解することで、推測させようとしている。
1つの文に(ピリオドからピリオドの間に)わからない英単語が2つ以上現れるのなら、まだまだ英単語の暗記が完璧とはいえないだろう。英単語が完璧になり、文章の意味がしっかりと取れるようになったら、速読力を磨いていこう。
英文和訳と和文英訳については、共通した方針があり、それは中学で習う構文を完璧にすることだ。ある文を読んで、それがどの種類の文なのか、すぐに挙げられるようになりたい。
例えば、日本語の文で「~しなさい」とあれば、ひらめきたいのは、「主語を省略した命令文」か「助動詞のmust、have to」などの命令の構文だ。「~してくれませんか」とあれば、「will you」か「Can you」の依頼の構文だ。
構文を覚えることは、英単語を覚えることと似ているが、厳密な英語のセンスでは、異なる。まずは文の種類をきちんと指摘できるようになろう。与えられた文は、例えば「現在完了」か、「受動態」か、「too~to構文」なのか、言葉にする習慣をつけていこう。そのうえで、桐朋の志望者は、日本語があれば英語へと、英語があれば日本語へと、積極的に翻訳する練習を積んでいこう。英訳と和訳の、一方だけに偏ってしまわないように、必ず相互に翻訳できるように意識していこう。
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2015年度「桐朋高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。リスニングへの時間配分は長く、10分弱が予想される。
さらに英文長文を2つ読まなければいけないが、文章の単語量が多いため、受験者は英文を逐一に訳さずに、そのまま読み進んでいける速読力が必要とされる。
【大問1】
- 時間配分:10分
リスニングで、時間配分が長い。AとBの2部構成となっている。AもBも、ただ放送を聞くだけではなく、同時に手を動かす訓練をしておくと、正答率が上がるはずだ。
(A)放送は1回しか流れないので、事前に解答の候補に目を通し、放送を聞きながら解答を選びたい。くれぐれも流れに乗り遅れないようにしたい。
(B)放送文が長めなので、大事な単語をメモする技術を身につけておきたい。
【大問2】
- 時間配分:15分
長文読解で、「chili pepper = とうがらし」をテーマに、基本的な化学の英単語の理解が求められている。
(1)「responds」「chemicals」などの英単語は、中学範囲を越える。文章から単語の意味を推測できなくもないが、点数を安定させたければ、英検準2級程度の英単語に触れておくことが望ましい。
(2)数少ない文法の設問だ。過去分詞の形容詞的用法だ。
(5)文章の内容を要約させる設問だ。文章を翻訳するのではなく、受験者なりに内容を理解して、短く要約する力が求められている。受験者は、あらかじめ英文を読んで、短くまとめる訓練を積んでおきたい。
【大問3】
- 時間配分:18分
長文読解で、「left-handed = 左利き」をテーマにしている。英語圏の人名や地名の教養があった方が、理解しやすい。
(2)「wrong」「unusual」「different」の、細かな用法の差を、理解できているかが問われている。桐朋高校が、英語の読解のセンスを受験者に求めていることがよくわかる設問だ。
(3)「occupation」は明らかに高校範囲の英語で、職業を指す。
(5)「theory」は理論と訳す。解答欄の大きさを確認し、どこまで細部を翻訳するべきかを判断しよう。
【大問4】
- 時間配分:7分
和文英訳の出題だ。
(2)「みたんだけど」「思ったほど」「こんな」などの、くだけた口語の表現がある。一対一の単語の訳を求めているのではなく、文章全体の意味を把握したあと、英語で表現できる力が求められている。
機械的な暗記では対応できない。受験者は英作文を積極的に書き、表現力を身につけておこう。
攻略ポイント
受験英語ではなく、実社会でも通用する実践的な英語力を求める傾向がある。文法や単語などの瑣末な部分はほとんど問われず、きちんと英文を理解する力がまずは求められている。
差がつくのは、英文の読解の速度であろうと思われる。受験者は、英語をそのまま読み進める能力を身につけておくことがのぞましい。
また読解のための単語は、高校範囲のものまで必要となり、中学の英単語に上乗せして、英検準2級程度の内容までは、学習しておきたい。