桐朋高等学校 入試対策
2017年度「桐朋高等学校の英語」
攻略のための学習方法
[単語帳・熟語帳は1冊ずつ]
単語・熟語の知識については、市販の単語帳・熟語帳を、1冊ずつ仕上げておくとよいだろう。時期としては、中学2年生の12月から中学3年生の6月までの、約6か月間が、理想的だ。計画的に学習できる生徒であれば、みな半年以内に終えることができている。
一方で、放っておいても自主的に学習できない生徒は、家庭教師にスケジューリングを頼んで、せめて単語・熟語は、仕上げておいてほしい。中学3年生の9月以降で、単語・熟語の暗記に、授業時間を取られてしまうのは、できれば避けたい。
なお、桐朋志望者の単語量の目安としては、「certainly」「crowded」「expensive」「nervous」などの意味がわかればよい。すらすらと出てきただろうか?
[基礎文法から英作文へ]
文法については、実用の英語のなかで、活用できる文法力が欲しい。実用の英語の反対は、教科書の公式の英語だ。教科書は、基礎の定着としては役に立つが、受験にあたっては十分ではない。
例えば、【大問4】においては、「思っていたよりも難しい」という口語体のくだけた言い回しが、どのような文法に当てはめるのか、判断する力が求められている。「more difficult than I thought」や「beyond my imagination」などの言い回しが、思い浮かんできただろうか。
学習計画としては、2段階に分けよう。
1段階めは、文法の基礎の定着だ。教材としては、教科書の水準の文法書を仕上げるか、あるいは、英検3級の合格でもよいだろう。時期としては、中学3年生の5月までを目安にしよう。
2段階めは、英作文の演習だ。教材としては、あえて文法書ではなく、英作文を中心に扱った問題集を選ぼう。時期としては、中学3年生の9月までを目安にしよう。
教材や開始時期が、判断できないのであれば、担当の家庭教師に相談して、現在の実力に見合った学習計画を作成してもらおう。
[リスニングは聴くだけではない]
リスニングの文章が長くなると、ただ言葉を聴き分けることに加えて、独自の技術が求められるようになる。要点だけを集中して聴き取る技術や、聴き取りながらメモを速記する技術を、訓練して身につけておこう。
例えば、桐朋の【大問1】のBにおいては、リスニングが読み上げられる前に、あらかじめ設問文を理解しておきたい。そうすれば、どの要点に集中すればよいかが判断でき、解答しやすくなる。
リスニングの得点の低い生徒は、ただ漫然と英文を聴いていることが多い。そのような学習姿勢は、改めたい。リスニングは積極的に訓練していけば、得点があがりやすい単元だ。受験の直前期に、短期間で英語の得点を向上したい場合は、短期講座の作成もできるので、声をかけて欲しい。
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2017年度「桐朋高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は、リスニングを含めて50分で、得点は100点満点だ。
大問数は4問で、長文が2問、リスニング1問、和文英訳(英作文)1問で、構成されている。解答用紙には、英文和訳・和文英訳(英作文)の割合が高いので、記述式の解答をしっかりと対策しておきたい。
【大問1】リスニング
- 時間配分:10分
リスニングはA・Bに分かれ、Aは1回、Bは2回読み上げられる。難易度は標準的だが、時間が長いリスニングなので、途中でメモを取る技術を身につけておきたい。
【大問2】 長文読解(物語文 約800語)
- 時間配分:18分
イギリスの高校生モーを通して、学生が試験に向かう心理を描いている。読解力だけではなく、語彙・文法も、同時に問う形式となっている。読解力については、最後のオチがきちんと理解できていれば、問題ない。
(1)英語の細かなニュアンスが読み取れているかを、確認している。
(2)文章の流れが読み取れているを、確認している。例年、物語の筋にはドンデン返しが設けられている。
(5)整序作文の設問だ。「want+目的語+to do」の文型に気づきたい。
(6)本格的な40語の英作文だ。モーの心理の流れを、時間を追って整理すればよい。ここですらすらと書けなかった受験者は、家庭教師に英作文講座を依頼しよう。
【大問3】長文読解(説明文 約600語)
- 時間配分:12分
人間の購買行動(どのようにものを購入するのか)について、「social proof(社会的信用)」の考え方を説明している。中学生の日常の行動を、きちんと理論として理解できるかが問われている。
(1)英文和訳の設問で、やや難しい。「what to do」のような抽象的な言い回しを、どのように訳すべきか、演習しておきたい。
【大問4】和文英訳(英作文)
- 時間配分:8分
10語以上の本格的な英作文だ。教科書のようなあらたまった英語ではなく、自然な日常会話におけるくだけた英語を、翻訳できる能力が求められている。
いきなり全体を訳すのではなく、和文のところどころに、手がかりとなる熟語や構文があるので、まずは部分部分で訳せるようになろう。
(1)「友人の一人が~頼んできた」という表現から、「One of my friends asked 」という形に気づきたい。さらに、「英語を教えてくれ」は「teach me English」で良いだろう。
(2)「思っていたよりもずっと難しい」という比較表現から、「much more difficult than I thought」と訳せるようになっておきたい。
攻略ポイント
受験者の合否を分けるのは、実用の英語への対応力になる。
語彙・文法については、ほぼ教科書に準拠した水準にある。しかし、教科書のような公式の英語ではなく、日常世界での実用の英語の力を、評価しようとしている。いわゆる「使える英語」は、近年の英語教育の流行でもある。
教科書で基本的な知識を習得したら、それ以上はやみくもに知識を増やすのではなく、むしろ実用の英語に慣れておきたい。学習方針をきちんと確立できていれば、安定して合格点が出せるようになるだろう。