桐朋高等学校 入試対策
2018年度「桐朋高等学校の英語」
攻略のための学習方法
単語帳・熟語帳は1冊ずつ
単語・熟語の知識については、市販の単語帳・熟語帳を、1冊ずつ仕上げておくとよいだろう。
時期としては、中学2年生の12月から中学3年生の6月までの、約6か月間が、理想的だ。計画的に学習できる生徒であれば、みな半年以内に終えることができている。
一方で、放っておいても自主的に学習できない生徒は、家庭教師にスケジューリングを頼んで、せめて単語・熟語は、仕上げておいてほしい。中学3年生の9月以降で、単語・熟語の暗記に、授業時間を取られてしまうのは、できれば避けたい。
なお、桐朋志望者の単語量の目安としては、「postpone」「complete」などの意味がわかればよい。すらすらと出てきただろうか?
基礎文法から英作文へ
文法については、実用の英語のなかで、活用できる文法力が欲しい。実用の英語の反対は、教科書の公式の英語だ。教科書は、基礎の定着としては役に立つが、受験にあたっては十分ではない。
例えば、【大問4】においては、「あと2、3日かかりそう」という口語体のくだけた言い回しが、どのような文法に当てはめるのか、判断する力が求められている。「It takes two or three days」や「I need two or three more days」などの言い回しが、思い浮かんできただろうか。
学習計画としては、2段階に分けよう。
1段階めは、文法の基礎の定着だ。教材としては、教科書の水準の文法書を仕上げるか、あるいは、英検3級の合格でもよいだろう。時期としては、中学3年生の5月までを目安にしよう。
2段階めは、英作文の演習だ。教材としては、あえて文法書ではなく、英作文を中心に扱った問題集を選ぼう。時期としては、中学3年生の9月までを目安にしよう。
教材や開始時期が、判断できないのであれば、担当の家庭教師に相談して、現在の実力に見合った学習計画を作成してもらおう。
リスニングは聴くだけではない
リスニングの文章が長くなると、ただ言葉を聴き分けることに加えて、独自の技術が求められるようになる。要点だけを集中して聴き取る技術や、聴き取りながらメモを速記する技術を、訓練して身につけておこう。
例えば、桐朋の【大問1】のBにおいては、リスニングが読み上げられる前に、あらかじめ設問文を理解しておきたい。そうすれば、どの要点に集中すればよいかが判断でき、解答しやすくなる。
リスニングの得点の低い生徒は、ただ漫然と英文を聴いていることが多い。そのような学習姿勢は、改めたい。リスニングは積極的に訓練していけば、得点があがりやすい単元だ。受験の直前期に、短期間で英語の得点を向上したい場合は、短期講座の作成もできるので、声をかけて欲しい。
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2018年度「桐朋高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は、リスニングを含めて50分で、得点は100点満点だ。
大問数は4問で、長文が2問、リスニング1問、和文英訳(英作文)1問で、構成されている。
解答用紙には、英文和訳・和文英訳(英作文)の割合が高いので、記述式の解答をしっかりと対策しておきたい。
【大問1】リスニング
- 時間配分:10分
リスニングはA・Bに分かれ、Aは1回、Bは2回読み上げられる。
難易度は標準的だが、時間が長いリスニングなので、途中でメモを取る技術を身につけておきたい。
【大問2】長文読解(物語文 約500語)
- 時間配分:12分
ペットと飼い主への心の影響を題材としていて、日常のなかでの心理学を扱っている。
読解力だけではなく、語彙・文法も、同時に問う形式となっている。
【大問3】長文読解(説明文 約700語)
- 時間配分:18分
人間のprocastination(課題を先延ばしにしてしまう心理)について、どのような対応すべきなのか、考え方を説明している。
中学生の日常の行動を、きちんと自覚して行動できているかが問われている。
読解力については、最後のオチがきちんと理解できていれば、問題ない。
(1)対義語の問題で、しっかりと文章の文脈が読めているだろうか。間違えてしまった場合は、文章の読解力を重点的に演習しておきたい。
【大問4】和文英訳(英作文)
- 時間配分:8分
10語以上の本格的な英作文だ。教科書のようなあらたまった英語ではなく、自然な日常会話におけるくだけた英語を、翻訳できる能力が求められている。
いきなり全体を訳すのではなく、和文のところどころに、手がかりとなる熟語や構文があるので、まずは部分部分で訳せるようになろう。
(1)「君が昨日読んでいた本」という表現を、関係代名詞を用いて「the book which you were reading yesterday 」という形で、1文で書いておきたい。2文に分けてもよいが、やや不自然な英語になる。
(2)「あと2、3日かかりそう」という表現は、熟語の「It takes two or three days 」で良いだろう。「いいと思うよ」は「you had better 」で訳せるようになっておきたい。
攻略ポイント
受験者の合否を分けるのは、実用の英語への対応力になる。
語彙・文法については、ほぼ教科書に準拠した水準にある。しかし、教科書のような公式の英語ではなく、日常世界での実用の英語の力を、評価しようとしている。いわゆる「使える英語」は、近年の英語教育の流行でもある。
教科書で基本的な知識を習得したら、それ以上はやみくもに知識を増やすのではなく、むしろ実用の英語に慣れておきたい。学習方針をきちんと確立できていれば、安定して合格点が出せるようになるだろう。