高校受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
高校受験専門プロ家庭教師が語る

桐朋高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「桐朋高等学校の国語」
攻略のための学習方法

設問は記述問題が大半(約90%)である。迅速で正確な読解力が求められるのはもちろんであるが、ここではどのような学習を行えば、合格できる「記述力」が習得できるかについて考えてみたい。

①読解力は記述力が基礎となる

合格点を取るための記述内容にするためには、その前提として「正確な読解力」が求められる。その読解力を得るためにも「記述力」が必要なのである。言い換えれば、「読解力」は内容のあるしっかりとした「記述力」がその基礎となっているのである。つまり、自分の考えを過不足なく「まとめられる力」とは、展開する論理を明確にしたうえで読み手に説得力を与える力である。そのような文章を書ける能力は、物事を論理的に考えられる能力のことであり、そのような能力は正確で確実な読解力につながるからである。そのような記述力に裏付けられた読解力こそが、受験にとっては必須な「読解力」となる。

②自分の考えをまとめてみよう

自分の考えをまとめるという作業は、簡単なようで実は難しい。「今日は何をしようか」、「今日の昼ごはんは何を食べようか」というレベルにおいて、自分の考えを「まとめる」という作業は、皆さんは日常的に行っているであろう。
しかし、そのようなレベルでの考えをまとめる作業と、あるテーマに対する自分の考えや主張をまとめる作業では、その質において大きな隔たりがあるのは言うまでもない。その隔たりとは何か。前者は「自分」が納得するか否か、後者は「他人」が納得するか否かの違いである。言い換えれば、前者は「主観的」であり、後者は「客観的」でなければならない。
受験における自分の考えをまとめるポイントは、「客観性」が不可欠な要素である。そして、客観性とは不特定多数の人たちが納得できるか否かがその指標となる。そのための一つの効果的な手法としては、「具体例を例示する」ことも有効である。そのような手法を用いることによって、自分の主張の正当性を裏付け、説得性を増すことも可能になるのである。

③実際に文章を書いてみよう

本当の意味で「記述力」を高めるには、実際に文章を書いてみることである。初めから、本格的な記述・論述問題に取り組むことも必要かもしれないが、まずは日頃考えていることを文章にしてみることを勧める。その際には、まず「テーマ」を決めること。文章を書く上で、漫然と文章をダラダラ書いてみても、受験における合格水準の記述力は身につかない。やはりテーマを決めて、初めは100~150字の文章を書いてみよう。書き出しは「自分は、○○について……と考える」と結論を初めに述べるようにしよう。そうすることによって、読み手は書き手の主張に引き込まれるのである。そのような字数の文章を15~20編書くことにより、自身の文章力は確実に高まり内容も濃いものになる。そのうえで、ハイレベルの記述式入試問題の演習を繰り返してゆくことが、確実に記述式問題の合格答案を作成する結果をもたらしてくれるのである。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2023年度「桐朋高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、文学に関する随筆文読解問題である<25分>。
「つなぐ」という言葉から、自分の記憶の中でどの様な場面が該当するかを記述する問題(字数制限なし)がポイントである。120~150字でまとめる必要がある。その他の問題においても、内容把握はもちろんであるが、本文からの抜出し問題もあるが記述対策(60~80字)をしっかり行っておくこと

大問2は、言語に関する論説文読解問題である<25分>。
言語に関する論説文であるが、筆者は、「言葉本来の意味を再検証することによって、新たな発見を習得しようとする姿勢が重要である」と主張する。本文からの抜出し問題もあるが、やはり記述問題対策(50~70字)を十分行っておくべきである

【大問1】言語学的分野に関する文学的随筆読解総合問題

  • 時間配分:25分

出典は、奈倉有里著『夕暮れに夜明けの歌を―文学を探しにロシアに行く』。

(問一)心情理解問題<2分>。主人公である「セルゲイは…いわゆる『グレーゾーン』に留まり続け」ており、「グレーゾーンで暮らす数年の年月が過ぎ」、「過ぎゆく日々はいつも似通って」いたのである。つまり、「紛争」の日々に慣れてしまったのである。

(問二)内容把握選択問題<2分>。セルゲイは、「ミツバチを紛争から逃れさせ、アカシアの花咲く地へと連れて」行こうと決意したのである。

(問三)内容把握選択問題<2分>。セルゲイは、「(セルゲイの)名前をもじって『灰色』と呼ばれ…白にも黒にもなりたくない」のであった。しかし、そのような立場を明確にしない人は、立場を明確にする人から見たらどのように見えるかを考える。

(問四)心情把握記述問題<2分>。「『灰色』に無関心でいられない」人々にとって、「セルゲイは常に余所者であり、…セルゲイは、どこへ行っても結局は居場所」を見つけられなかったのである。

(問五)内容把握記述問題<4分>。「灰色はしかし、単純なひとつの色」ではなく、「それぞれの灰色」には個別の事情が存在するのであり、それらの事情を詳細に考慮することが「目を凝らす」ことなのである。

(問六)内容把握選択問題<2分>。一般論として本文中に「」がある場合は、効果としては強調である。

(問七)内容把握抜出し問題<2分>。「思考を誘う」とは「文脈を補うこと」であり、それができなければ「情報は単なる記号」のままなのである。

(問八)内容把握選択問題<2分>。「文学」とは、「人と人との文脈をつなぐための足跡であり、記号から思考へと続く光」なのであり、その光を「もうひとつの場所」に移すということは「他の国や時代においても人々をつなぐものにすること」なのである。

(問九)内容把握記述問題である<5分>。「『つなぐ』言葉」とは、「『人と人とを分断する』言葉」の対極にある言葉である。つまり、人と人との理解を深め相互理解をさらに深めるために「人とのつながり」の重要性を実感した経験(読書による経験でも可)を120~150字でまとめる。

(問十)漢字の書き取り問題<2分>。「統括」「亀裂」「沸」「検問」どれも標準的な漢字である。完答を目指そう。

【大問2】言語に関する言語学的分野の論説読解問題

  • 時間配分:25分

出典は、古田徹也著『いつもの言葉を哲学する』。

(問一)漢字の書き取り問題<1分>。「経緯」「暫定」である。完答をめざそう。

(問二)内容把握記述問題<5分>。本文で使用されている「男にする」という意味を現代社会(男女平等・性認識の多様性)の状況に照らして考える。

(問三)内容把握記述問題<5分>。「『主人』も『旦那』も『亭主』も…男性優位の…言葉」であり、「これらの言葉の使用を避ける人が年々増えていることは間違いない」のであるが、「こうした変化は一般的な傾向とまでは言えない」のである。

(問四)内容把握選択問題<1分>。「『偉人』は人格的に優れた人物、高い徳を備えた人物を指す」場合が多いので、そのような「偉人」は「ひとを欺く」ような言動を行わないのである。

(問五)内容把握抜出し問題<4分>。
A 言葉は、「物事の見方や価値観」を反映したものである。
B 言葉が持つ意味合いは、時間の経過とともに世界は変化するので「用いるべき言葉」の取捨選択を適切に行わなければならないのである。

(問六)語句知識問題<1分>。「前景」とは前の方に見える景色のことであり、「前景化」とは前に見える景色に焦点が当たることである。

(問七)内容把握記述問題である<2分>。傍線⑤の段落の直後の段落は、「つまり」で始まっているので後段が手掛かりになる。

(問八)四字熟語知識問題<2分>。古き昔のことを知り、新しい知識を得ることである「温故知新」となる。

(問九)内容把握記述問題<4分>。「個人のこだわりや信条」とは個人個人が好みやし好のことであり、「終わらせる」とはその状態で終了する=それ以上のことは行わない、ということである。

攻略のポイント

迅速で正確な読解力が求められる
文脈を丁寧にたどることはもちろんであるが、日頃の受験勉強においてどのような手法で勉強に取り組めば、合格できる読解力が身につくのであろうか。
一つの答えとしては文章の「見える化」であろう。
日頃の文章読解において、重要だと思う箇所に傍線を引いたり、段落又は文中にある接続詞(順接・逆説に注意しながら)に印をつけたりなどしながら読解することである。
そのような作業を積み重ねてゆくうちに、合格できる迅速で確実な読解力が身につくのである。
さらに、的確に内容を把握したうえで記述答案にまとめ上げる力が必要であるため、自分の考えを80~100字でまとめる練習を事前にしっかり行っておくことが不可欠である。
さらに、そのような自分の記述答案を第三者に添削してもらうとさらに記述答案の完成度が高まるであろう

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

桐朋高等学校の科目別
入試対策一覧

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。