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桐朋高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2015年度「桐朋高等学校の国語」
攻略のための学習方法

桐朋の国語については、志望者が意識して訓練したいのは、「構成力」と「要約力」の2点だ。問題文が長めの年もあるので、一見すると志望者は速読力を求められているように感じる。もちろん速読力をあるに越したことはないが、文章の構造を理解する「構成力」と、文章を定められた文字数でまとめられる「要約力」を優先して身につけておきたい。

構成力については、例えば【大問2】の(設問4)を見てほしい。ここでは「感情」と「論理」という二項対立を、問題文からしっかりと読解できているかが問われている。対比、例示、並行などの、文章同士の関係を分析できるようになることが、読解力の基礎として求められている。
そこで、まず志望者が身につけたいのは、問題文を読み進めながら、大事な部分にきちんとメモを書きこむ技術だ。【大問2】を何度も見返していては、時間が足らなくなる。設問文で問われている箇所に該当すると思ったら、受験者はメモを書きこもう。そしてそのメモを元にして、設問に効率良く解答していけるようになっておきたい。
またさらに、時間に余裕のある受験者は、他人の書いた文章を分析するだけに終わらず、自分の手で文章を構成してみてほしい。こちらの方が、さらに文章の構成力の理解が深まるはずだ。

要約力については、例えば【大問1】の(設問1)と(設問3)と(設問7)に注目してほしい。いずれの設問も、文章の内容の説明が求められているが、解答用紙の余白の大きさには差がある。記述に求められている要点の数は異なり、どれだけ詳しく記述すればよいのか、不慣れな志望者は戸惑いを覚えたはずだ。その原因として、中学生までのカリキュラムでは、自ら手を動かして文章を書く機会がとても少ない点が挙げられる。その結果、「何を書けばよいのかわからない」と言う生徒は多い。
きちんとした記述を行うためには、2つの力が必要になる。
1つめは、文章のどこを利用したら良いのか把握する力だ。こちらは先に述べた、文章の構成力を理解できる能力を磨いて対応したい。
2つめは、文章の内容を要約する力だ。文章の要点を把握したら、具体的な訓練として、今度はそれを長くして説明したり、短くしてまとめたり、抽象を具体に置き換えたりして書いてみてほしい。
大半の志望者は、自分が文章は簡単に書けると信じこんでいる。しかし、いざ書こうとすると、言葉が浮かばずに、助けを求めるようになることがほとんどだ。桐朋の志望者は、文章を読んだら、積極的に文字数を決めて(20字、50字、100字などに)要約する訓練を積んでいくことが望ましい。

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2015年度「桐朋高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は50分で、得点は100点満点と推定される。
大問が2つで、文書の長さは標準的であり、設問数が少なめなので、ていねいに読解する余裕が与えられている。
一方で、記述を清書する必要があるので、他校とは時間配分が変わってくるので注意が必要だ。

【大問1】

  • 時間配分:23分

長文読解で、「言語の検閲」を題材にした物語文だ。日本史の教養があると理解がしやすい。

(設問1)と(設問3)と(設問7)記述の設問で、問題文の内容を説明することが求められている。設問文には「簡潔に答えよ」としか指示がない。このような場合の記述は、与えられた解答用紙の余白を見ながら、どこまで詳述するかを判断するとよいだろう。
例えば(設問1)と(設問7)では明らかに記述に求められている詳しさが異なってくる。
また問題文を読みながら、記述の材料になりそうな箇所をメモするなどの工夫をしておくことが望ましい。
(設問2)読解の設問で、問題文の前後から意味を推測しよう。
(設問4)読解の設問で、選択肢の細かな表現の差を理解できるようになりたい。
(設問8)数少ない語彙の設問だ。満点を取りたい。

【大問2】

  • 時間配分:27分

長文読解で、「人間同士の心のつながり」を題材にした説明文だ。国際社会の教養があると理解しやすい。

(設問3)語彙の設問だ。このような書き言葉は、普段から積極的に読書をしていなければ身につかない。文章の流れから推測できなくなはないが、それでは点数が不安定になりがちだ。読書習慣がない受験者や、語彙に不安がある受験者は、語彙のついての参考書を一冊仕上げることをおすすめする。
(設問4)読解の設問だ。物事を二項対立でとらえることは、読解力の基礎である。間違えた受験者は、読解力が足りないので、対策が必要だ。
(設問5)記述の設問だ。問題文のそのあとの部分を要約することが求められている。
(設問7)記述の設問だ。問題文の内容を要約するのではなく、自らの実体験を引用しながら、意見を述べることが求められている。高度な設問で、受験者に差が出る。時間をかけようと思えばいくらでも時間をかけられてしまうので、答案全体との時間配分に注意したい。この設問だけなら、10分を目安にしたい。

攻略ポイント

「記述」の設問を攻略することが、受験者の合格を左右する。
知識問題や読解問題は、標準的な難易度の出題が多く、受験者に点数の差がつかないだろう。
記述の設問については、「文章の内容を要約する」ものと「自らの意見を述べる」ものの二系統がある。受験者によって、文章を書く機会にかなりのばらつきがあると考えられ、そこから培われた「記述力」の差がそのまま得点の差として反映されていくだろう。
反対に、記述の対策をていねいに行えば、得点を安定させることができる試験構成ともいえる。

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