桐蔭学園高等学校 入試対策
2024年度「桐蔭学園高等学校の英語」
攻略のための学習方法
長文読解対策
本校の読解問題の素材となっている英文については、英文解釈の力についてそれほど高いものが要求されるわけではない。もっとも、時間内で設問処理まで含めて終わらせるためには、句ごと・節ごとに前から訳し下していく読み方を身につけなくてはならないことから、基本的な文法事項を読解のツールとして利用できるようにする必要がある。
そのため、読解問題学習の初期には、英文解釈的な力を磨くため、その点についての解説が厚い問題集に取り組むと良いだろう。既習の文法事項を読解のためのツールとして編集し直す学習である。
ある程度の英文解釈能力がついたら、実践的なトレーニングを始めよう。
説明文とエッセー・物語文をバランスよく学習に組み込むことが大事だが、エッセー・物語文の方が出題率が高い上、エッセー物語文特有の難しさがあることから、エッセー・物語読解において注意すべきポイントを指摘しておこう。
エッセー・物語読解対策
エッセー・物語読解で注意するべき大きな特徴は、①登場人物が多くなりやすい、②場面転換が起こる、③本文には直接述べられていない心情を読み取る必要がある、という3点である。
登場人物が多い場合には、簡易なもので構わないので人物相関図のようなものを書くと良いだろう。
一見、手間がかかるように見えるが、混乱してからあらためて2度読みをすることが焦りを生むし、何より無駄な2度読みによって必要以上の時間をかけることになるからだ。また、代名詞も適宜補い、誰の言動なのかをしっかり確定させながら読む必要がある。
説明文にばかり慣れていると、場面転換にも気が付きにくい。パラグラフの変わり目には注意しよう。
その際に時間や場所が変わっていることが多いからだ。場面転換が起きた箇所にもマークを付けておくとあとで混乱しなくても済む。
登場人物の心情の変化についても、説明文の際には配慮の必要のない物語文読解特有のポイントだ。
気持ちを表す表現そのものに注目するだけでは足りない。
登場人物の行動を追う際には常にそれがどのような気持ちで行われているのかをしっかり意識するようにしよう。
また、脱文挿入や、内容に合致する英文を完成させるなど、設問処理に時間がかかるものが増えている。せっかく本文が読めていても設問に取り組む十分な時間がないと得点しづらいのが本校の特徴なので、時間配分の際には、自分はどの設問に時間を書けるべきなのかをしっかり割り振っておきたい。
語句整序問題
本校の語句整序はそれほど難易度が高くはないものの、読解問題との兼ね合いで、素早く処理した上で完答を目指したい。そのためには効率的な手順を身に付ける必要がある。
句・節ごとの意味のかたまりを作り、その後、英文の基本的な骨組みから組み上げていくというプロセスを身につける必要がある。他動詞の目的語を取る性質や、節と節を結びつけるためには接続詞が必要だという、英語の原理・原則を大切にした勉強が必要である。
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2024年度「桐蔭学園高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文2題と語句整序問題という問題構成となっている。リスニングはなく、試験時間は60分あるが、英文が長く、設問も本文を正確に取れていないと正答を絞り切れない作り方をしているものがあり、また、整序問題は1語不要という形式であることが多く、やや時間管理は厳しくなるだろう。全問マーク式ではあるが、選択肢自体は英文のものが多いため、読まなければならない英文がかなり多い。
【大問1】長文読解問題
- 時間配分:23分
例年通りの長い英文で、物語が素材である。
すべて内容把握を問う問題となっている。物語としては比較的読みやすかったといえるが、物語文特有の場面転換や心情変化を丁寧に追う必要があり、また、伏線の回収もあったため、途中の読みがおざなりだと大きな失点をしてしまったかもしれない。設問の順序と本文の流れが一致しているため、読みながら解いていくというのが基本的な解き方のスタンスとなるが、落ちが理解できていないと解けない選択肢があることは覚えておく必要がある。
下線部が出てきた時点ですぐ解くのではなく、パラグラフの終わりまでは読み、状況を把握したうえでやや戻って解く方が効率は良いだろう。ポイントになるのは設問の最後にある英文全体から判断しなくてはならない内容一致問題だ。素早く正確に解くためには、無駄な2度読みをしないよう、事後的な情報検索を考え、本文を読みながら何がどこに書かれているかを明確にするようなチェックやマークを付けていくといった設問処理を見据えた読み方を身に付ける必要があるだろう。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:27分
一昨年度に続き3年連続で説明文の出題となった。
読解問題の素材としてもっともよく用いられるトピックの一つであるダーウィンについてのものとなっている。すべて内容把握を問う問題となっている。設問に関しては、内容一致の英文の選択肢が本文をかなり正確に読めていないと、間違えてしまいやすくなっていることから注意深く検討する必要がある。英文の選択肢には長いものもあるため、前半後半のブロックに分けるなどしてミスを最大限減らす処理手順を確立する必要がある。段落挿入については本文を読む前に軽く内容を取っておくと、効率よく解くことができる。また、こちらも設問の最後に英文全体からの内容一致問題がある。前述したとおり、無駄な2度読みを排するために本文を加工しながら読み進められるとよい。英文が長いので前から読み下しながらも内容が頭に入ってくるような勉強をしっかりしておく必要がある。
【大問3】語句整序問題
- 時間配分:10分
8語の語句整序問題が5題。
昨年まで2年連続で1語不要の形式となっていたが、今年は不要語がないシンプルな形となった。だからといって問われる知識のレベルが高くなったわけではなく、基本的な文法理解があれば正答を導きうる問題である。やや語数が多いものの、与えられた和文と答えとなる英文の基本構造がほぼ同じなため、和文を参考に動詞を軸に骨組み部分から組み上げることで効率的に処理することが出来る。不要語が問われる場合は、選択肢の中にニュアンスの重なる語が存在しているものがあればそのどちらかが不要語であるという観点を持っておくことで処理は早くなるということは再度の出題のために一応知っておこう。
攻略ポイント
設問の選択肢まで含めれば、かなりの英文量があるため、速読能力の向上は必須だ。前提としての精読力を身につけることも必要だが、前から句・節ごとに読み下していく速読のスキルを身に付けるトレーニングを早い段階から行う必要があるだろう。また、問題集の選択としても設問に内容一致が中心となったものを選ぶと良いだろう。文法面に関しては、単純暗記ではなく読解のツールとしての位置づけから知識を整理できるとよい。例年、エッセー・物語の出題が多いので、問題集選択の際にもその点を意識したい。