桐蔭学園高等学校 入試対策
2016年度「桐蔭学園高等学校の英語」
攻略のための学習方法
[長文読解対策]
本校の読解問題の素材となっている英文については、英文解釈の力についてそれほど高いものが要求されるわけではない。
もっとも、時間内で設問処理まで含めて終わらせるためには、句ごと・節ごとに前から訳し下していく読み方を身につけなくてはならないことから、基本的な文法事項を読解のツールとして利用できるようにする必要がある。
そのため、読解問題学習の初期には、英文解釈的な力を磨くため、その点についての解説が厚い問題集に取り組むと良いだろう。
既習の文法事項を読解のためのツールとして編集し直す学習である。
ある程度の英文解釈能力がついたら、実践的なトレーニングを始めよう。
説明文とエッセー・物語文をバランスよく学習に組み込むことが大事だが、エッセー・物語文の方が出題率が高い上、エッセー物語文特有の難しさがあることから、エッセー・物語読解において注意すべきポイントを指摘しておこう。
[エッセー・物語読解対策]
エッセー・物語読解で注意するべき大きな特徴は、①登場人物が多くなりやすい、②場面転換が起こる、③本文には直接述べられていない心情を読み取る必要がある、という3点である。
登場人物が多い場合には、簡易なもので構わないので人物相関図のようなものを書くと良いだろう。
一見、手間がかかるように見えるが、混乱してからあらためて2度読みをすることが焦りを生むし、何より無駄な2度読みによって必要以上の時間をかけることになるからだ。また、代名詞も適宜補い、誰の言動なのかをしっかり確定させながら読む必要がある。
説明文にばかり慣れていると、場面転換にも気が付きにくい。パラグラフの変わり目には注意しよう。
その際に時間や場所が変わっていることが多いからだ。場面転換が起きた箇所にもマークを付けておくとあとで混乱しなくても済む。
登場人物の心情の変化についても、説明文の際には配慮の必要のない物語文読解特有のポイントだ。
気持ちを表す表現そのものに注目するだけでは足りない。
登場人物の行動を追う際には常にそれがどのような気持ちで行われているのかをしっかり意識するようにしよう。
また、今年から長文2題のみの出題となったこともあり、脱文挿入や、内容に合致する英文を完成させるなど、設問処理に時間がかかるものが増えている。せっかく本文が読めていても設問に取り組む十分な時間がないと得点しづらいのが本校の特徴なので、時間配分の際には、自分はどの設問に時間を書けるべきなのかをしっかり割り振っておきたい。
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2016年度「桐蔭学園高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文2題のみという問題構成となっている。リスニングはなく、試験時間は60分あるが、英文が長く、設問も本文を正確に取れていないと正答を絞り切れない作り方をしているため、時間管理は厳しくなるだろう。
全問マーク式ではあるが、選択肢自体は英文のものが多いため、読まなければならない英文がかなり多い。
【大問1】長文読解問題
- 時間配分:30分
アメリカ人の権威に対する意識に関するエッセー。
英文が長く、空所補充と語句整序など、設問によっては文法的な視点で処理できるものあるが、ほとんどが内容把握を問う問題となっている。物語文と同様、場面転換や心情変化を追えないと設問処理に時間がかかる。英文はかなり長いが、設問の順序と本文の流れが一致しているため、読みながら解いていくというのが基本的な解き方のスタンスとなる。
もっとも下線部が出てきた時点ですぐ解くのではなく、パラグラフの終わりまでは読み、心情変化、場面転換を把握したうえでやや戻って解く方が効率は良いだろう。設問の最後にある英文全体から判断しなくてはならない内容一致問題だ。素早く正確に解くためには、無駄な2度読みをしないよう、事後的な情報検索を考え、本文を読みながら何がどこに書かれているかを明確にするようなチェックやマークを付けていくといった設問処理を見据えた読み方を身に付ける必要があるだろう。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:30分
去年度は、大問2もエッセーであったが、今年は物語が素材となった。
語句整序問題はあるが、ほぼすべて内容把握を問う問題である。
設問に関しては、内容一致の選択肢が本文をかなり正確に読めていないと、間違えてしまいやすい英文の選択肢になっていることから注意深く検討する必要がある。
英文の選択肢には長いものもあるため、前半後半のブロックに分けるなどしてミスを最大限減らす処理手順を確立する必要がある。登場人物の心情を問う設問は、本文に直接的な根拠があるわけではないため、話の流れから想像力を働かせる必要がある。
こちらも設問の最後に英文全体からの内容一致問題がある。
4つの英文全ての正誤を確定しなくてはならない。前述したとおり、無駄な2度読みを排するために本文を加工しながら読み進められるとよい。
英文が長いので前から読み下しながらも内容が頭に入ってくるような勉強をしっかりしておく必要がある。
攻略ポイント
設問の選択肢まで含めれば、かなりの英文量があるため、速読能力の向上は必須だ。前提としての精読力を身につけることも必要だが、前から句・節ごとに訳し下していく速読のスキルを身に付けるトレーニングを早い段階から行う必要があるだろう。
また、問題集の選択としても設問に内容一致が中心となったものを選ぶと良いだろう。
文法面に関しては、単純暗記ではなく読解のツールとしての位置づけから知識を整理できるとよい。
例年、エッセー・物語の出題が多いので、問題集選択の際にもその点を意識したい。