桐蔭学園高等学校 入試対策
2017年度「桐蔭学園高等学校の数学」
攻略のための学習方法
[計算力を安定させる]
計算力については、2点を意識して、鍛えておこう。
1つめは、計算の正確さだ。計算の数字が複雑になっても、正答率が下がらないように、練習を積んでおこう。過去問を参考にすれば、どこまで複雑な計算ができれなよいか、確認できる。
桐蔭高校の目安としては、【大問1】が、全問正答できるようになればいいだろう。
2つめは、計算の持久力だ。60分という長時間、集中力を切らさずに、計算していく持久力が必要になってくる。模試の数学の成績が、上がったり下がったりして不安定な生徒は、注意したい。持久力は、きちんと時間を測って演習を繰り返すことで、身についていく。1問1問にミスがないかではなく、答案全体でミスを減らせるようになろう。
[答案の完成度を上げる]
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。
桐蔭は、マークシート方式で解答していくので、答案用紙をすべて埋めてから、見直しをはじめては、間に合わないだろう。大問の途中でも、積極的に見直しをしていくべきだ。
例えば、【大問2】から【大問5】は、前の設問の数値を、後の設問でも利用している。もし前の設問で間違えが見つかったら、後の設問を次々に修正していかなければならない。時間を大幅に取られてしまう。
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2017年度「桐蔭学園高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は60分で、得点は100点満点だ。大問数は5問で、単元ごとに整理されている。設問数は25問で、解答はマークシート方式となっている。解答の数字だけが求められるので、処理速度の速いの受験者が、有利な試験構成となっている。
【大問1】文字式、因数分解、方程式、円と接線
- 時間配分:11分
小問集合であり、計算分野を中心に出題されている。難易度は標準的だが、計算は正確さが求められる。
(2)と(3)間違えやすい数字になっている。必ず見直しをしたい。
(4)円と接線の単元からの出題だ。平面図形を、迷わずに、すばやく解ける訓練をしておきたい。
(5)面積の比から、辺の比を求める解法だ。
【大問2】関数と平面図形の融合問題
- 時間配分:11分
関数と図形の融合問題で、難易度は、難しい。両方の単元の解法を、きちんと理解しておく必要がある。また、設問文にグラフが与えられてはいるが、受験生は自らの手でも、描けるようになっておきたい。
(4)面積の値を、実際に計算するのではなく、比を利用したい。平面図形の解法に、精通している受験者が、有利となる。
【大問3】立体図形、回転体
- 時間配分:8分
立体図形の単元から、回転体が出題されている。回転体は、どのような立体かが描ければ、あとは計算するだけなので、見かけほど難易度は高くない。全問正解を狙おう。
【大問4】平面図形、相似、内接図形、三平方の定理
- 時間配分:9分
平面図形の解法が、組み合わせて出題されている。難易度は標準的だが、ここでも、求める図形をすばやく見つける力が求められている。
(1)点OからEGに垂線を引こう。
(2)三平方の定理を用いよう。
(3)と(4)直角三角形の合同・相似が隠れている。
【大問5】立体図形の切断
- 時間配分:9分
立体図形の設問で、難易度は、標準的だ。立体図形の演習量の目安となり、満点が取れなかった受験者は、演習が足りていない。
(1)平面図形の正六角形の解法を用いよう。
(2)ひとつひとつ数え上げていけば、正答できる。ただし、異なる頂点は、異なる三角形と考えると、設問分にあるので注意しよう。
攻略ポイント
基本的な設問から始まって、ところどころに難しい設問が配置されている。満点を取ることも可能ではあるが、受験者の合否に影響を与えるのは、いかに失点をしないかという、答案全体の完成度になるだろう。
作業の速さ、計算の正確さ、答案全体の時間配分などを、過去問を利用して、あらかじめ訓練しておきたい。また、マークシートの特徴として、間違えてしまうと、連続して失点してしまう恐れがあるので、計画的に見直しをする必要がある。