桐蔭学園高等学校 入試対策
2022年度「桐蔭学園高等学校の数学」
攻略のための学習方法
計算力を安定させる
計算力については、3点を意識して、鍛えておこう。
1つめは、計算の正確さだ。計算の数字が複雑になっても、正答率が下がらないように、練習を積んでおこう。過去問を参考にすれば、どこまで複雑な計算ができればよいか、確認できる。
2つめは、計算と言っても平面図形の中での計算、連立方程式の計算、場合の数の中での計算など、それぞれの分野の中で計算の特徴がある。それぞれの分野の知識に基づいた計算方法がある。これは、志望校に精通した家庭教師に指導してもらうと的確である。
3つめは、計算の持久力だ。60分という長時間、集中力を切らさずに、計算していく持久力が必要になってくる。模試の数学の成績が、上がったり下がったりして不安定な生徒は、注意したい。持久力は、きちんと時間を測って演習を繰り返すことで、身についていく。1問1問にミスがないかではなく、答案全体でミスを減らせるようになろう。
答案の完成度を上げる
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。
桐蔭は、マークシート方式で解答していくので、答案用紙をすべて埋めてから、見直しをはじめては、間に合わないだろう。大問の途中でも、積極的に見直しをしていくべきだ。
例えば、【大問3】【大問5】は、前の設問の数値を、後の設問でも利用している。もし前の設問で間違いが見つかったら、後の設問を次々に修正していかなければならない。時間を大幅に取られてしまう。
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2022年度「桐蔭学園高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
マークシート方式ということが最大の特徴で、指定された解答手順に沿って答えを正確に素早く求めていくことが必要となる。平面図形や空間図形の計量、関数と図形の融合問題が必須となる試験である。大問の最後の設問に詰まった場合は、後回しで最後に時間があれば取り組むのがよいだろう。
【大問1】 独立小問集合問題
- 時間配分:10分
基礎的な式の計算や方程式の応用、平面図形の計量等を、素早く正確に解くことが求められる。
(1)(2)(3)は一発で正確に計算すること。
(4)混ぜた前後で、食塩の量が等しいことで方程式を作る。
(5)問題文にはない隠れた条件、△AEOが正三角形であることがポイント。
【大問2】確率
- 時間配分:10分
求められる答えに対し、考えられる場合の数を漏れなく考えて場合分けして計算する。
(1)問題文を読んで整理できれば容易であろう。
(2)赤の箱から1,白の箱から3つのカードを取り出す場合、赤の箱から3,白の箱から1つのカードを取り出す場合はそれぞれ3通り。
(3)同じ数字のカードを取り出すときか、0と1のカードを取り出すとき。
【大問3】二次関数と一次関数
- 時間配分:10分
二次関数と一次関数の交点や、放物線と平行な直線で作られる三角形の面積を、等積変形を利用して計量する。
(1)(2)交点の座標⇔連立方程式の解
(3)y=2x+3のy軸の交点をDとする。等積変形により△OAC=△OAD=3、△OBC=△OBD+△OCD=6となる。
【大問4】数の性質
- 時間配分:12分
(1)√9<√10<√16より、3<√10<4であり、整数部分は3。
(2)3≦√n<6より、9≦n<36となるから、正の整数nは9以上35以下。
(3)整数部分が3の数は√10~√15の15-9=6個、同様に6の数は13個、7の数は15個、8の数は17個、9の数は19個、10の数は1個である。
【大問5】空間図形
- 時間配分:12分
(1)点Aと点Cと点E、点Fと点Hと点Jが重なる立体を考える。
(2)AJ//BIであり、四角形ABIJは台形である。
(3)BI//DGであり、四角形BDGIは台形である。
(4)五面体ABD‐FIGを三角錐A‐BDK、立体AKD‐FLG、三角錐F‐IGLの3個に分ける。三角錐A‐BDKと三角錐F‐IGLは体積は同じ。
攻略のポイント
基本的な設問から始まって、ところどころに難しい設問が配置されている。満点を取ることも可能ではあるが、受験者の合否に影響を与えるのは、いかに失点をしないかという、答案全体の完成度になるだろう。作業の速さ、計算の正確さ、答案全体の時間配分などを、過去問を利用して、あらかじめ訓練しておきたい。また、マークシートの特徴として、間違えてしまうと、連続して失点してしまう恐れがあるので、計画的に見直しをする必要がある。 指定された解法に沿って解くため、一つの解法ではなく別解を多く日頃から習得しよう。