桐光学園高等学校 入試対策
2023年度「桐光学園高等学校の英語」
攻略のための学習方法
(1)発音・アクセント
従来は出題されていた発音・アクセント問題が、近年は出題されていないものの、リスニングの出題がない学校では再出題の可能性は十分にある上、普段から単語の勉強の当然の内容として発音・アクセントを取り入れるのが英語学習にとっては効果的だ。
また、高校英語においても現在は英語4技能を身につける授業が展開され始めている。高校では原則的に英語で授業が行われるようになっているのだ。意味がわかっても正しく読んだり聞いたりできなければコミュニケーションスキルとして不十分なのは当然であろう。
(2)語彙・イディオム
桐光学園の空所補充・長文読解の単語・イディオムのレベルは公立中学で扱うレベルを超えている。そこで、高校受験用の単語帳に加え最低でも英検準2級用の単語・熟語帳を用いて補強する必要があるだろう。
(3)整序英作文・条件英作文
整序英作文については、長文中に含まれたものを合わせると5題で15点。最低でも3問は確実に正解したい。
桐光学園の語句整序問題を正しく早く解くためには、英文の基本構造を意識した勉強が必要だ。
「節と節を結びつけるためには接続詞が必要だ」、「他動詞は目的語を取らないと英語として成立しない」といった英語の原理原則を使えることで単に正しい答えを導けるだけでなく、速く答えにたどり着くことが可能になる。文法事項に範囲指定のない問題を演習することでこの実践感覚を身に付けよう。
条件英作文については、来年も基本的な表現が問われることが予想される。普段の勉強でも実際に手を動かして英文を書く時間を必ず設け、ミスのない答案を仕上げるようにしたい。
(4)長文読解問題
例年、様々なジャンルの英文がその素材となっており、やや難易度の高いものも含まれている。
大問としては2つだが、その配点は全体の半分を占めているため、ここである程度の点数を稼がなくてはならない。
問われているのはほぼすべて内容把握であるため、いかに速く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、本番では全ての英文を丁寧に構造分析しながら読むのは時間的に不可能ではあるが、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力を身に付けなくてはならない。文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかを一言でまとめる習慣を身に付けよう。そうすることで、次の段落の内容が頭に入って来やすくなるのだ。いわゆるパラグラフリーディングである。
(5)タイムマネジメント
いかにそれぞれの問題形式について桐光学園合格に必要な学力が身についたとしても、過去問を用いて時間配分を徹底的に体に染み込ませなくては実際に本校に合格するのは難しい。前述した目安時間を参考にしながら、自分なりのタイムマネジメントを確立しよう。
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2023年度「桐光学園高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は、全体で8つ。条件英作文も引き続き問われている。最後の2題が長文問題である。
短文空所補充、会話文、語句整序、語彙類推など長文以外で問われることの範囲が広いのも本校の特徴である。
時間配分については、長文2題に30分残しておきたい。そのためには、そこまでの問題を素早く処理するための事務処理能力を身に付ける必要がある。
【大問1】語彙記述問題
- 時間配分:2.5分
昨年より短文の空所に単語を記述するのではなく、200語程度の英文を読み空所に単語を記述する形となった。昨年は英文の和訳がついていたが今年はなくなった。とはいえ、書くべき単語はすぐに思いつくものと言える。
【大問2】短文空所補充問題
- 時間配分:2分
昨年に続き、従来出題されていた発音・アクセントは出題されず、文法・語法を問うシンプルな適語選択問題が出題されている。もっとも、問われている内容は基本的なものであるので、時間をかけずに完答を目指したい。
【大問3】会話文完成問題
- 時間配分:4分
口語表現の知識の有無を問うというよりは、会話の流れを把握できているのかを問う問題。空所の前後の内容・英文形式をしっかり捉えることで答えが絞れる。本校においては解きやすい部類の問題であるため、すばやく解いてしまいたい。
【大問4】単文空所補充問題
- 時間配分:4分
一つの英文に空所が2つあり、イディオム・語彙・文法的な観点から記述する力を問う問題。
年度にもよるが、比較的難易度の高い知識も含まれているため、思いつかなかったとしても、不用意に時間をかけすぎず、先に進むべき問題である。
【大問5】語句整序問題
- 時間配分:6分
語句整序問題が3問。
前半戦の山場となる問題である。和訳は与えられいるものの、並び替える語句は7語とやや多い。
答えを導くのに必要な知識に細かいものは要求されてはいないものの、「英文では節と節を結びつけるためには接続詞が必要である」といった英文の基本構造を正確に理解していないと答えにたどり着くまでにかなりの時間を要することになる。3問で9点の配点がなされているため、合否を左右する問題といえる。
【大問6】条件英作文
- 時間配分:3分
一定の語句を与えられ、それらを用いて和文英訳するという問題。1題で配点が5点あるためしっかり取っていきたい。
年によってはやや口語の定型的な表現が問われることがあるが、今年も昨年に引き続き基本的な文法理解をあてはめ、正確に単語が書ければ容易な問題であった。標準的な知識を正確に出力することが要求される問題である。
【大問7】長文読解問題
- 時間配分:15分
標準的なレベルの物語文。
設問は7つで、空所補充でイディオムや基本的な文法事項の知識が前提となるものがあるが、その他は内容一致・記述説明問題など、すべて内容把握が問われている。昨年出題のなかった文整序も本問と大問8それぞれに一題ずつ含まれているが、各文は短く内容もシンプルなものとなっている。
英文レベルのわりにかけられる時間は多くないため無駄な2度読みをしている余裕はない。本文を読みながら解ける問題は解いていきたい。最後の内容一致問題も6つの選択肢が本文の流れに一致した形で作られているため、パラグラフを読み終えるごとに一つずつ選択肢を検討してみるのもひとつの戦略である。
【大問8】長文読解問題
- 時間配分:13分
標準的な説明文。目安は13分。
読みやすい英文であることからかなりのスピードで読んでいきたい。大問7と同様、英文の内容一致問題があり、思っているよりも時間がかかるためゆっくり読み過ぎないようにしたい。今年は出題されなかったが脱文挿入が出題される年もある。本文を読む前に設問を概観する癖をつけておこう。
攻略のポイント
桐光学園の英語攻略のポイントは大きく分ければ2つ。
1つめは長文問題に入るまでの設問をいかに早く終えるかである。このためには知識の精度をあげ、知識で勝負できる問題には時間をかけず正答を導き出すだけの力を身に付ける必要がある。
そして、2つめは速読能力だ。本校では大問が8つあるのにもかかわらず長文2題に配点の半分以上が割り振られている。ここを攻略せず合格を勝ち取ることは出来ないだろう。英文を句ごとに前から訳をとり、パラグラフ間の内容のつながりを意識するというパラグラフ・リーディングの読み方を身につけなくてはならない。