桐光学園高等学校 入試対策
2024年度「桐光学園高等学校の数学」
攻略のための学習方法
[複雑になっていく設問に対応する]
大問の中の小問が少しずつ複雑な計算や場合分けが必要な設問構成になっている。
大問中の小問の(1)(2)(3)と順に利用して解いていくことになる。うまく誘導に沿って解答していく学習をしていこう。大問の最後の設問は、数学の総合的な知識がないと正答できない問題になっている。色々な定義や定理が融合されている問題の演習が必要である。どのような、どれくらいのレベルの問題に取り組む必要があるか?自分では判断が難しいので、家庭教師に相談するほうが効率が良いだろう。
[計算力を安定させる]
計算力については、2点を意識して、鍛えておこう。
1つめは、計算の正確さだ。計算の数字が複雑になっても、正答率が下がらないように、練習を積んでおこう。過去問を参考にすれば、どこまで複雑な計算ができればなよいか、確認できる。
2つめは、計算の持久力だ。60分という長時間、集中力を切らさずに、計算していく持久力が必要になってくる。持久力は、きちんと時間を測って演習を繰り返すことで、身についていく。1問1問にミスがないかではなく、答案全体でミスを減らせるようになろう。
[答案の完成度を上げる]
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。
答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認したりしやすいように、丁寧に準備しておこう。
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2024年度「桐光学園高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は60分で、得点は100点満点、大問数は5問で小問が少しずつ複雑になっていく構成である。設問数は21問で、証明問題と一問一答形式となっている。大問3~大問5は、誘導設問に沿って(1)(2)の結果を利用して解く必要がある。
【大問1】 独立小問問題
- 時間配分:6分
(1)<数の計算>
5×(51+39)(51-39)にして計算
(2)<数の計算>
有理化、約分、素因数分解することで楽になる。
(3)<連立方程式>
必ず正答する必要がある問題。
(4)<二次方程式>
展開して降べきの順に。
(5)<数の性質>
整数部分+小数部分
【大問2】 独立小問問題
- 時間配分:10分
(1)<数の性質>
5の倍数は6個あり、このうち25は素因数5を2個含むから、全部で7個。よって10で7回わり切れるので、0が7個連続して並ぶ
(2)<数の性質>
833を素因数分解する。
(3)<空間図形>
どんな多面体でも頂点の数は、辺の数-面の数+2
(4)<平面図形>
線分DEとの接点をP、半円の中心をO、AB=xとすると、△OBE≡△OPEで三平方の定理によりxを求める。
(5)<平面図形>
∠ACBの二等分線と辺ABとの交点をDとすると、△ABC∽△CBD、よってBD=25/8、AD=39/8、AC: 39/8=8:5となる。
(6)<データの活用>
間違ったデータの合計は836分、正しい値の合計は86.8×5=434、よって2分正しい値は短い。中央値は85分になるのは87が85のとき。
(7)<平面図形>
部分的な証明問題ですが、全て記述できるように。
【大問3】関数
- 時間配分:8分
(1)点Pと点Rを求めて直線の式。
(2)∠PQR=90°であり、△PQRで三平方の定理からPR=5/2。よって半径は5/4
(3)△PQRと同じ面積の△PSRとなるy軸上の点Sのx座標は7/4となる。点Sを通り直線PRと平行な直線と円Cの交点が求める座標である。
【大問4】データの活用、確率
- 時間配分:10分
(1)コインを2回投げて点Pが点Dにある場合は(表、裏)(裏、表)の2通り。よって1/2
(2)コインを3回投げて点Pが点Aにある場合は3回とも裏が出る場合の1通り。よって1/8
(3)6回投げると全部で64通り。
(4)点Qはコインを1回、3回、5回投げると点Aにあり、2回、4回、6回投げると点Dにあり、点Pは1回、3回、5回投げたとき点A以外の頂点にあり、2回、4回、6回投げるとき点D以外の頂点にある場合は点Pと点Qは1回も同じ頂点にはない。この条件を満たす6回の表裏の出方は11通り。よって点Pと点Qが少なくとも1回は同じ頂点にある場合は64-11=53。よって53/64
【大問5】空間図形
- 時間配分:12分
(1)球の体積Vは身の上に心配4/3ある(半径)サー(3乗)
(2)半径1cmの半球2個+底面の半径1cm、高さ6-1×2=4の円柱
(3)立方体の各頂点をA~Hとし、頂点Aを含む3つの面からの距離が全て1cmである点A’、同様に点B’~点H’とし、1辺の長さが4cm立方体A’~H’を作る、さらにその内部に頂点A’を含む3つの面からの距離が全て1cmである点でできる1辺の長さが2cmの立方体を考える。球の中心は立方体A’~H’の各面上を動き、球は1辺2cmの立方体の内部を通過しない。この通過しない部分の体積は8㎤である。また、高さが辺FG、底面が1cmの正方形である直方体の球が通過しない部分を、点F,Gを頂点とする1辺1cmの立方体2個と残りの高さが4cm、底面が1cmの正方形である直方体に分けて計算する。
攻略ポイント
大問1と大問2の独立小問問題で全問正解したいところだが、図形の計量問題が解けないことがあるかも知れない。その時は思い切って次の大問題を取りにいこう。例年を見ると残りの大問構成は関数や図形の計量、場合の数や確率などの出題が予想される。2024年度は大問の最後に複雑な設問という構成である。大問全体の(1)(2)などを利用して最後まで解答しよう。どの問題を解くべきか?どの問題を解かないべきか?の判断ができることが合格点への近道になる。