筑波大学附属高等学校 入試対策
2014年度「筑波大学附属高等学校の英語」
攻略のための学習方法
とにかく設問を丁寧に吟味出来るだけの時間を確保するために、英文をどれだけ早く読めるかが大きなポイントである。語彙に関しては、注訳が多く与えられていることから、単語レベルで難易度が高いわけではない。物語文特有の感覚を早期に身に付ける必要がある。
以下、筑波大付属高校の英語克服のための具体的な学習方法を見ていこう。
(1)リスニング問題
全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。英検3級・準2級の教材や類似過去問を繰り返しやり直すことで、ほとんどの問題で正解を導くことが出来るようになるだろう。余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
(2)長文読解
問われているのはほぼすべて実質的には内容把握であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。
普段の勉強としては、物語文を素材の中心とした上で、精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、物語文であるため、英文構造はそれほど複雑な英文は出てこないものの、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずあり、そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力を身につけなくてはならない。文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに訳し下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。普段の勉強から音読学習を取り入れるのが効果的だ。声に出して読むことで前から読み下す力を身に付けることが出来る。
また、かなりのスピードで読み下していくことになるため、途中で話の流れを見失わないように、各パラグラフを読み終えるたび、そこではどのようなことが述べられていたのかをしっかり確認する習慣を身に付けよう。物語文である分、用いられている単語が基本的なものになりやすいため、万全に目を通していると上滑りしてしまうので注意が必要だ。筑波大付属の設問に対応するためには表面的な読み、つまり、一文単位での内容把握では足りない。必ず、各文の内容のつながり、各パラグラフの内容のつながりを意識した読み方を意識しよう。
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2014年度「筑波大学附属高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数はリスニング1題・長文読解問題2題・和文英訳1題の計4題である。
長文の分量が多く、設問も正確な内容把握が前提となっており、解答に時間がかかる作り方をされていることから、かなりの読解力が要求される。一朝一夕では対応出来ない問題であるが、英語の地力を問う良問とも言える。当校の典型的な設問形式に慣れるため、過去問を繰り返すことで時間的な負荷をやや減らすことが出来る。
【大問1】リスニング問題
- 時間配分:
放送文未公表
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:15分
物語文。登場人物も多く場面の転換も何度かあるため、話の流れを見失わずに読んでいく必要がある。
本問のような登場人物が多い物語文では、人が出てくるたびに英文にチェックをすることで、「誰が何をした」ということに対して意識を持つことが出来、設問処理も効率が良くなる。空所にフレーズを入れる問2・6・7・9はいずれもかかる視点を意識した読みができていれば、時間をかけずに処理できる。
問1の記述問題は答えとなる部分がすぐ見つかるが、時間をかける余裕はないので素早く書き終えたい。普段から記述問題を多く解いておきたい。
問3の語句整序は英語の基本構造組み上げるという視点のみならず、内容のつながりが理解できていないと解答するのに時間がかかってしまうだろう。
問8は本文空所に入れるべき語を記述させる問題だが、本文を読み始める前に空所の含まれた英文を読んでおくことで時間をかけずに解くことが出来る。
問5・10の選択式の空所補充問題は容易。時間をかけずに正答を導きたい。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:15分
大問2と同様、物語文が素材となっている。こちらも登場人物の多い話となっている。父母・祖父母・高祖父母というもっとも読み取りの混乱しやすい家系の整理が必要なパターンである。時代も過去に遡ったり、現代に戻ったりと漫然と読み進めていくと流れがつかめなくなってしまう。
問1の本文空支所に入れるべき動詞を適切な形に直して補充する問題は、前後が部分的に読めていれば確定できるため取りこぼしたくない。問7の指示語を補う問題も容易だ。こういった取りやすい問題に時間をかけすぎないようにしなくてはならない。
問3の語句整序はやや難しい。語句整序の典型的な論点である間接疑問文が問われているが、それを2つ重ねなくてはならず、前後の内容を正確に把握できていないと答えを導くまでに時間がかかりすぎてしますだろう。
問6の空所に入れるべき語を記述させる問題も本文の中に用いられている語を補えばすむ問題であるが、大問1(8)と同様、前もって空所の含まれた英文を読んでおくことで、本文を読み進める途中で答えの候補が見つかるだろう。
問9の内容一致問題・問10の要約文空所補充ともに、本文を読んでいく中でどこに何が書かれているかを事後検索しやすいようにチェックをつけていくなどしないと、時間が足らなくなってしまうだろう。
【大問4】和文英訳
- 時間配分:10分
5題。答えとなる英文は基本的な表現と言えるが、与えられる英文がこなれた日本語なため、やや難しい。「なかなか決められないんだ→決めることが難しい」といったように、いったん英語にしやすい日本語に直してからの英訳することになるだろう。訓練が必要な問題である。
かける時間の目安は10分だが、出来ればもう少し時間を短くして読解問題にその時間を当てられるようにすると高得点が目指せるだろう。
攻略ポイント
短い時間で長文を読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りず、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。素材となるものが物語文であることが多いので、登場人物の整理・心情の変化・場面転換を意識した読解の訓練が必要だ。リスニングは普段からリスニング対策を続けていれば満点を狙うことも可能なため得意にしておきたい。