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筑波大学附属高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「筑波大学附属高等学校の数学」
攻略のための学習方法

本校の入試問題は、難易度の高い図形の問題が目立つ。したがって、図形の対策にばかり目が向きがちだが、まずは全範囲についてしっかり学習しておくことが優先である。本校の受験生のレベルと入試問題の難易度を考えると、正解すべき問題での失点は致命傷になりかねない。単純なミスを挽回するには、かなりの難問を正解しなければならないことを心得ておきたい。
秋以降になると、難問対策を本格的に行う必要があるので、夏までには標準的な問題は素早く正確に解けるようにしておく必要がある。また、本校対策に時間を集中させるためにも、併願校の過去問は早めに取り組み始めるとよいだろう。

・平面図形の対策
本校では、平面図形は非常に多く出題されている。難しい問題も多いので、しっかり学習をしておかなければならない。市販の問題集では、本校で出題されるレベルの問題はあまり掲載されていないことが多い。本校の過去問や、その他の難関校の過去問に取り組むのがよいだろう。
しかし、最初からこのような難関レベルの問題ばかりに取り組むことは困難である。あまりに難しいと、学習が先に進まずモチベーションが下がってしまう。
まずは、標準的な問題を素早く正確に解けるようにすることから始めたい。私立高向け問題集などに早期から取り組むことで土台を固めるのがよい。土台固めは夏休みの時期までには完成させたい。そうでないと、本校レベルの学習に取り組む時間がなくなってしまう可能性がある。

・立体図形の対策
立体図形が大問として出題されると、高度な空間認識力が要求され、難易度は高い。平面図形と同様に、本校の過去問およびその他の難関校の過去問などに取り組むのがよい。
過去問に取り組み始めた段階では、立体図形の問題はかなり難しく感じる受験生が多いだろう。立体図形の問題は、時間を気にせずにじっくりと取り組んでみることも必要である。図を自分でていねいに書き、あらゆる方向性から考える経験を積まないと、本校のような問題に対応するのは困難である。
日頃の学習では、立体図形を自力で書く習慣をつけておくとよいだろう。それが、空間認識力を高めることになる。

・文章題(方程式)の対策
文章題の大問は、図形ほど難易度は高くないので、点差がつきやすいといえる。十分な対策をすれば得点につなげやすいので、文章題の演習も欠かせない。
図形ほど難しくないとはいえ、難関校レベルの演習が必要なことはいうまでもないだろう。

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2016年度「筑波大学附属高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

本校では、【大問1】は小問集合、【大問2】以降は大型問題が出題される。設問数は全部で15問程度というのが、例年の出題構成。今年もほぼ例年通りの問題構成であった。
50分の試験時間で全ての問題を解くのは、かなり厳しいといえる。解ける問題を確実に解いていくことが重要である。

【大問1】小問集合

  • 時間配分:11分

(1)は計算問題。定石通り、文字式を整理してから代入すればよい。
(2)は確率の問題。1を入れかえる場合と入れかえない場合について考えればよい。
(3)は円に関する問題。円周角の性質に注目すると解くことができる。
(4)は立体図形の問題。3点O, A, Cを通る面に注目すればよい。

【大問2】資料の整理

  • 時間配分:5分

度数分布表に関する問題。問われている内容は難しくない。

(1)は中央値に注目すれば、すぐに答えにたどり着く。
(2)では、求め方も要求されている。
求める人数をxとおいて、平均値を出してみればよい。平均値を出してみれば、条件に合うようなxが求められる。

【大問3】文章題

  • 時間配分:9分

(1)は、時速40kmの場合と時速100kmの場合の走行時間の比を求めれば解くことができる。もしくは、yがxの一次関数であることに注目して考えてもよいだろう。
(2)は、(1)の結果を利用すれば難しくはない。
(3)も燃料切れになるまで走り続けるという設定である。この設問は、かなり考えにくい問題だっただろう。全走行距離に対して、時速70km、時速98kmで走った距離の割合に注目して考えるのがポイントとなる。

【大問4】図形上の点の移動

  • 時間配分:13分

図が与えられていないのが本問の特徴である。問題を解き進めながら、正しい図を考えていくことになる。

(1)は、まず自分なりに図を書いて考えることが大切である。4秒後と8秒後の図を書いてみれば、それほど難しい問題ではないことに気付くだろう。
(2)では、各頂点の正確な位置関係を考える必要がある。辺AB, BC, ADの長さと台形の高さに注目して考えていけばよい。
(3)について。条件を満たすのは、点Qが辺BC上にあるときしかないことを見抜くことから始まる。あとは図を書いて考えれば、対応できるだろう。

【大問5】平面図形

  • 時間配分:12分

(1)では、三角形ABDと三角形CBAが相似であることに気付くと楽に求められる。気付かなければ、AからBCに垂線を引き、三平方の定理を利用すればよい。
(2)は、点Pが二等辺三角形BEAの重心になっていることを見抜くのが鍵となる。あとは重心の性質と三平方の定理を利用すればよい。
(3)はいくつか解法が考えられる。
AからBCに平行な直線を引き、線分BSを延長して、ちょうちょ型の相似形を作ると考えやすくなる。二等辺三角形の性質からEQ=EAなので、ここを出発点に解き進めるとよい。

攻略ポイント

平均点などは公表されていないが、全15問のうち10問正解することが目標ラインになると思われる。【大問3】(3)、【大問5】(2)(3)の3問は難易度が高いので、その他の問題でしっかり得点を重ねておくことが重要である。

【大問1】【大問2】は、あまり時間をかけずに終わらせたい。解きにくく感じた問題は、後回しにしてよいだろう。とりあえずは、解きやすい問題を先に解くことを優先したい。

【大問3】【大問4】は差が付きやすい問題。これらの問題はある程度時間を使っても構わない。頭の中だけで悩むよりも、手を動かして考える姿勢が要求されている。積極的に手を動かすことが、正解への近道になるだろう。

【大問5】は最も難しい大問である。しかし、(1)は難しくないので、この問題は正解しておきたいところ。なお、(3)は(2)が解けなくても取り組むことができる問題である。

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