筑波大学附属駒場高等学校 入試対策
2014年度「筑波大学附属駒場高等学校の英語」
攻略のための学習方法
[リスニング問題]
全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。
準2級の教材や類似過去問を繰り返し解くようにしよう。
書き取り対策として、聞いた英文を実際に書き取る訓練もするとよい。
余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。
後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
[長文読解問題]
素材となる英文が物語文であることが多いため、ここに力を注ぎたい。
英文解釈の力については、それほど高いものが要求されるわけではないが、句ごと、節ごとに前から訳し下していくためには基本的な文法事項を読解のツールとして利用できるようになっておかなくてはならない。
そのため、読解問題学習の初期には、英文解釈的な力を磨くため、その点についての解説が厚い問題集に取り組むと良いだろう。
既習の文法事項を読解のためのツールとして編集し直す学習である。
ある程度の英文解釈能力がついたら物語文を素材として、実践的なトレーニングを始めよう。
物語文読解において注意するべき大きな特徴は、①登場人物が多い、②場面転換が起こる、③書かれていない登場人物の心情を読み取る必要がある、という3点である。
登場人物が多い場合には、簡易なもので構わないので人物相関図のようなものを書くと良いだろう。
一見、手間がかかるように見えるが、混乱してからあらためて2度読みをすることが焦りを生むし、何より無駄な2度読みによって必要以上の時間をかけることになるからだ。
また、代名詞も適宜補い、誰の言動なのかをしっかり確定させながら読む必要がある。
説明文にばかり慣れていると、場面転換にも気が付きにくい。
パラグラフの変わり目、には意識を払うようにしよう。その際に時間や場所が変わっていることが多いからだ。
登場人物の心情の変化についても、説明文の際には配慮の必要のない物語文読解特有のポイントだ。
気持ちを表す表現そのものに注目するだけでは足りない。
登場人物の行動を追う際には常にそれがどのような気持ちで行われているのかをしっかり意識するようにしよう。
[テーマ英作文]
和文英訳と自由英作文の混合というものが当校の問題形式である。
まずは、基本的な和文英訳の問題から学習を開始し、ある程度正確に書けるようになったら、和文英訳問題のレベルをあげつつ、自由英作文の対策にとりかかるのが効率的だろう。
自由英作文では、ある程度の長さの記述が要求されるため、適切な複文・重文を作れる力を身につけておこう。
特に、従位接続詞の文法的に正確な理解が必要だ。
また、オーソドックスな問題の解答を複数用意して、本番ではそれをアレンジして書けるようにしておくことが出来れば、かなり時間的な効率が良くなる。
時制や名詞の単複、冠詞の有無など、書き終えた英文に事後的な文法チェックをかける習慣も付けておこう。
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2014年度「筑波大学附属駒場高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数はリスニング1題、長文読解問題2題、テーマ英作文1題の計4題であるが、試験時間がリスニングを含め45分しかないため、時間が制約がかなり厳しい。
読解問題については英文の量も多い上、設問も文挿入や記述問題など処理に時間がかかるものが多いため、英文をどれだけ正確さを失わず早く読めるかが時間内に解き終えるための大きなポイントとなる。
また、自由英作文も実際に書くトレーニングを繰り返さないと短時間で解くことは出来ないため、早い段階から対策をする必要がある。
【大問1】リスニング問題(放送分未公表)
- 時間配分:
書き取りと内容把握の2種類の設問となっている。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:15分
物語文。英文量も多い。
漫然と読んでいると、主人公の心情変化と場面転換を見失い話の流れを見失ってしまう。
場面転換と心情変化はリンクしているので、その点に注意を払いながら読み進める必要がある。
問1は、本文の空所3箇所に選択肢から適文を挿入するもので比較的解きやすい。
もっとも、1つ目の空所から確実に入れるというよりは、入れやすいものから選択することで確定しづらい空所の選択の余地を絞っていくほうが効率は良いだろう。
問3の下線部の同意文完成は、代動詞の働きがわかっていれば即座に答えられる。時間をかけずに処理したい。
問5・問6の記述説明問題はやや時間がかかるだろう。
物語文特有の、本文に直接の記載がないが話の流れから答えを推測しないといけないという典型的な問題だ。
数多くの物語文を素材とした問題を解きこの感覚を鍛えよう。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:13分
物語文。大問1より英文量はやや少ない。登場人物も少なく話の見失いにくい英文ではある。
問1の空所補充は、入れるべき単語は基本単語であるものの、記述式であることから話の流れが分かっていないと思いつかない。
直前直後の読み取りだけでは答えを絞り切れないため、話の展開を意識した読み取りが重要になる。
問2・4の語句整序は、基本的な構文がおさえられていればように解くことの出来る問題だ。時間をかけず処理してしまいたい。
問5の記述式説明問題は、英文の最終パラグラフにある下線部に関する設問であるが、実際には英文の前半部分を受けて、そこから話がどのように流れていったのかがわからないと答えられない。こういった問題が合否を左右することになるため、ある程度の時間を確保できるよう他を効率的に処理しておきたい。
問6の適文挿入は、本文を読む前に挿入すべき英文に目を通しておこう。事後的に挿入歌書を探すより効率的に処理することが可能だ。
【大問4】テーマ英作文
- 時間配分:7分
将来やりたい仕事について英作文をするという問題。
一文目は、与えられた和文を英訳し、その後を指示された要素を入れて40字から50字で書くことが求められている。
配点が20点あることから、減点の少ない英文を書き上げることを目指す必要がある。
書きたい英語より書ける英語を素早く書けるように早い段階からトレーングを行おう。
攻略ポイント
時間のかかる設問の存在を考えると、英文そのものは短い時間で読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。
そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。
そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りず、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。
素材となるものが物語文であるので、登場人物の整理・心情の変化・場面転換を意識した読解の訓練が必要だ。
リスニングは、普段からリスニング対策を続けていれば満点を狙うことも可能なため得意にしておきたい。
テーマ英作文については、実際に手を動かして書いてみる時間をしっかり取り入れる必要がある。