筑波大学附属駒場高等学校 入試対策
2015年度「筑波大学附属駒場高等学校の英語」
攻略のための学習方法
[リスニング問題]
全体との兼ね合いで取りこぼしの許されない問題になることから、普段から音声学習を取り入れる必要がある。
準2級の教材や類似過去問を繰り返し解くようにしよう。
書き取り対策として、聞いた英文を実際に書き取る訓練もするとよい。
余力があるのであれば、ラジオ講座などを利用することをお勧めする。
後述する音読学習もリスニング対策としては効果的である。
[長文読解問題]
素材となる英文が物語文であることが多いため、ここに力を注ぎたい。
英文解釈の力については、それほど高いものが要求されるわけではないが、句ごと、節ごとに前から訳し下していくためには、基本的な文法事項を読解のツールとして利用できるようになっておかなくてはならない。
そのため、読解問題学習の初期には、英文解釈的な力を磨くため、その点についての解説が厚い問題集に取り組むと良いだろう。
既習の文法事項を読解のためのツールとして編集し直す学習である。
ある程度の英文解釈能力がついたら物語文を素材として、実践的なトレーニングを始めよう。
物語文読解において注意するべき大きな特徴は、①登場人物が多い、②場面転換が起こる、③書かれていない登場人物の心情を読み取る必要がある、という3点である。
登場人物が多い場合には、簡易なもので構わないので人物相関図のようなものを書くと良いだろう。
一見、手間がかかるように見えるが、混乱してからあらためて2度読みをすることが焦りを生むし、何より無駄な2度読みによって必要以上の時間をかけることになるからだ。
また、代名詞も適宜補い、誰の言動なのかをしっかり確定させながら読む必要がある。
説明文にばかり慣れていると、場面転換にも気が付きにくい。
パラグラフの変わり目には意識を払うようにしよう。その際に時間や場所が変わっていることが多いからだ。
登場人物の心情の変化についても、説明文の際には配慮の必要のない物語文読解特有のポイントだ。
気持ちを表す表現そのものに注目するだけでは足りない。
登場人物の行動を追う際には常にそれがどのような気持ちで行われているのかをしっかり意識するようにしよう。
[テーマ英作文]
例年、和文英訳と自由英作文の混合という形式であったが、本年度から完全な自由英作文となった。
もっとも、いきなり自由英作文の練習をするのではなく、基本的な和文英訳の問題から学習を開始し、ある程度正確に書けるようになった段階で、自由英作文の対策にとりかかるのが効率的だろう。
そして、自由英作文では、ある程度の長さの記述が要求されるため、適切な複文・重文を作れる力を身につけておこう。
特に、従位接続詞の文法的に正確な理解が必要だ。
また、オーソドックスな問題の解答を複数用意して、本番ではそれをアレンジして書けるようにしておくことが出来れば、かなり時間的な効率が良くなる。
時制や名詞の単複、冠詞の有無など、書き終えた英文に事後的な文法チェックをかける習慣も付けておこう。
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2015年度「筑波大学附属駒場高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り、大問数はリスニング1題・長文読解問題2題・テーマ英作文1題の計4題である。試験時間がリスニングを含め45分しかないため、時間制約がかなり厳しい。
読解問題については英文の量も多い上、設問も記述問題を中心に処理に時間がかかるものが多いため英文をどれだけ正確さを失わず早く読めるかが時間内に解き終えるための大きなポイントとなる。
また、自由英作文も実際に書くトレーニングを繰り返さないと短時間で解くことは出来ないため、早い段階から対策をする必要がある。
【大問1】リスニング問題(放送分未公表)
- 時間配分:
書き取りと内容把握の2種類の設問となっている。
英文の設問や図などは問題用紙に書かれているため放送が始まるまでに必ず目を通し、リスニングの際の処理効率をあげておきたい。
【大問2】長文読解問題
- 時間配分:
物語文。英文量も多い。漫然と読んでいると、登場人物の心情変化と場面転換を見失い、話の流れをつかめなくなってしまう。
場面転換と心情変化はリンクしている事が多いので、その点に注意を払いながら読み進める必要がある。
問1は、本文の空所2箇所に選択肢から適切なものを挿入するもので、前後の流れから推測しやすく比較的解きやすい。
問7も空所補充問題だが、こちらはイディオム・基本構文がわかっていれば解ける。時間をかけず処理したい。
問3の下線部説明文は、文章を最後まで読んでからでないと答えが出ない問題である。本文を読みながら解ける問題ばかりが出題されていないことはしっかり把握しておく必要がある。
記述問題に関しては例年字数制限がかかるものが多いため、過不足なく必要な情報をまとめるトレーニングが必要である。
問5は下線部の内容を表す表現を本文中から探す設問だが、離れた部分から引っ張ってこないといけないため、やや時間がかかるかもしれない。
【大問3】長文読解問題
- 時間配分:
物語文。大問1より英文量はやや少ない。登場人物はやや多いが話のつかみやすい英文ではある。昨年と異なり、大問3では記述式の説明問題が姿を消した。
問1の空所補充は、入れるべきイディオムは基本的なものであるものの、記述式であることから話の流れが分かっていないと思いつかない。
直前直後の読み取りだけでは答えを絞り切れないため、話の展開を意識した読み取りが重要になる。
問2の語句整序は、基本的な構文がおさえられていれば容易に解くことの出来る問題だ。
時間をかけず処理してしまいたい。
問3・5の空所補充は、基本的な前置詞と構文の理解があれば解くことが出来る。
【大問4】テーマ英作文
- 時間配分:
ある事柄について先生にお願いするためのメールを英作文するという問題。
メールに入れる要素は3つ与えられており、それを踏まえて40字から50字で書くことが求められている。
配点が20点あることから、減点の少ない英文を書き上げることを目指す必要がある。
「書きたい英語」より「書ける英語」を素早く書くことができるように、早い段階からトレーングを行おう。
攻略のポイント
時間のかかる設問の存在を考えれば、英文そのものは短い時間で読み切らなければ、思考力の問われる設問に取り組むだけの余裕がなくなる。
そこで、まずは速読力の向上が大きな攻略のポイントとなる。そしてその際には、単に一文ごとの逐語訳をするだけでは足りず、各文の内容のつながり、パラグラフ間の内容のつながりを意識した読解力の向上を目指す必要がある。素材となるものが物語文であるので、登場人物の整理・心情の変化・場面転換を意識した読解の訓練が必要だ。
リスニングは普段からリスニング対策を続けていれば満点を狙うことも可能なため、得意にしておきたい。
テーマ英作文については、実際に手を動かして書いてみる時間をしっかり取り入れる必要がある。