早稲田大学本庄高等学院 入試対策
2014年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」
攻略のための学習方法
早稲田本庄の英語は、「表現力」を求められている。表現力とは、記憶している単語の量のことではなく、ひとつの単語を様々に用いる力のことだ。表現力を身につけるために、志望者は3点に気をつけて学習を進めていこう。
[ 英単語の量に拘らない ]
1点めは、「英単語の量に拘らない」ことだ。
英単語については、確かにに中学の範囲を越えるものも出題されてきてはいる。しかし、是が非でも英検2級の水準の知識量が必要なわけではない。せいぜい準2級までで良い。
[ 用法を理解する ]
2点めは、「用法を理解する」ことだ。
単語の用法は、単語の意味とは異なっている。
わかりやすい例は、【大問Ⅰ】の(設問2)の(1)だ。ここに登場する単語は、いずれも何かが「多い」ことを意味している。しかし、その用法は異なっている。「many」と「much」は「量が多い」という意味が共通しているが、用いる対象については「可算名詞」と「不可算名詞」と相違している。同様に、「probably」は「可能性が多い」という意味で、期待や予想の場面で用いられる。「often」は、「頻度が多い」という意味で、時間についての場面で用いられる。このように、単語を意味だけではなく、用法によって区別できる必要がある。
そのためには、単語についてはしっかりと辞書を引き、その際には熟語や例文なども合わせて覚えておきたい。さらに類義語や対義語もすらすらと出てくるようになると心強い。
[ 会話表現に慣れる ]
3点めは、「会話表現に慣れる」ことだ。
日本語では他人を褒める時に、「あの人は良い人間だ」と言えるが、「あの人は良い人類だ」と言えば、私たちは違和感を持つ。私たちは、無意識に慣れてしまった言いまわしを持っており、これを「会話表現」という。定型句や常套句とも呼ばれる。こと英語の場合は、母国語ではないので、その会話表現が正しいのかどうか、注意を向けていきたい。
会話表現のわかりやすい例は、【大問Ⅱ】の(設問2)だ。「Do me a favour」という会話表現については、「favour」という単語の意味を知るだけでは不十分だ。なぜなら、これだけの知識では、「favour」は「kind」と区別がつかないからだ。「He is kind」と言えるが、「He is favour」と言うと、違和感を持てるだろうか。耳慣れない、という感覚は、私たちが無意識に会話表現を覚え、用いていることに由来する。
したがって、志望者は単語の意味だけではなく、その単語を含んだ例文や特殊な用法について、覚えていきたい。暗記の量を増やすのではなく、暗記の質を濃くしていこう。
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2014年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分だ。
【大問Ⅰ】は物語文が、【大問Ⅱ】は会話文が出題され、文章のうちにさまざま設問が組み込まれている形式だ。設問を2種類に分けて、語彙や文法などの「部分の問題」と、読解をもとにして解答する「全体の問題」のように考えれば、見通しが良くなる。
手順としては、それぞれの大問の問題文を読み進めながら、設問に出会うたびに、解いていくことになるだろう。時間に急かされるような試験ではないので、一問一問に丁寧に取り組みたい。
【大問1】長文読解(物語文)
- 時間配分:25分
長文読解で、題材は物語文になる。
(設問1)文章全体を読んでから解答する「全体の問題」だ。設問のはじめに置かれているのは珍しいが、知っておけば大差はない。あらかじめ設問に目を通してから、問題文を読んでいくのも良いだろう。
(設問2)いずれも単語の意味については難しくないが、ここでは細かな用法について理解しておかなければならない。
(設問3)
(6)細かな言いまわしの差に注意をしたい。
(7)整序作文で、「covered」は過去分子に活用しているが、その一方「keep」は原型のままなので、文の全体の動詞としては「covered」に決めよう。
(8)発音が問われているが、「underneath」や「weigh」などの、使用頻度の低い単語も狙われている。
(9)英文和訳で、基本を理解していれば解答できる。
【大問2】長文読解(会話文)
- 時間配分:18分
長文読解で、題材は会話文になる。受験者は会話文の表現に慣れておきたい。
(設問1)文法とはあまり関係のない定型文を問うもので、文章から場面が想像できただろうか。
(設問2)英語の慣用表現が問われている。厳密にいえば、慣用表現の知識は、熟語や構文の知識とは異なる。受験者は意識して覚えておきたい。
(1)「do a favo(u)r」で「親切」の意味になる。
(2)「run out」で「時間切れ」の意味になる。
(3)「old-fashioned」で「時代遅れ」の意味になる。
(設問4)
(1)時間の接続詞を選ぶ設問だ。
(2)時間の副詞を選ぶ設問だ。
(設問5)前置詞を完璧にしておこう。
(設問8)和文英訳(=英作文)の設問だ。熟語の「take care of」と「from time to time」をしっかりと英訳しよう。
(設問9)同じく和文英訳で、「できっこない」は「There is no way」や「It is impossible」に、「一人で」を「by myself」に英訳できればよい。
攻略ポイント
早稲田本庄の英語は、英語の細かな表現の知識によって、受験者の得点に差がついていく。文章量を考えれば、速読力は得点に反映されにくいし、和文英訳(=英作文)も、標準的なもので、解答できない受験者のほうが少ないだろう。
ここで問われているのは、「知識の量」ではなく、「知識の質」だと考えたい。ひとつの英単語の意味を問うているのではなく、ひとつの英単語から、どれだけの言いまわしを連想できるのかという英語の表現力に、試験は焦点を当てている。
コツコツと努力のできる几帳面な受験者に、有利な試験構成になっている。