早稲田大学本庄高等学院 入試対策
2015年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」
攻略のための学習方法
早稲田本庄の英語は、「表現力」を求められている。表現力とは、記憶している単語の量のことではなく、ひとつの単語を様々に用いる力のことだ。表現力を身につけるために、志望者は3点に気をつけて学習を進めていこう。
[ 英単語の量に拘らない ]
1点めは、「英単語の量に拘らない」ことだ。
英単語については、確かにに中学の範囲を越えるものも出題されてはいるが、他の早稲田系の学校とは異なり、難しい英単語を読めることが、合格点への条件とはなっていない。英検の準2級程度の英単語に触れておけばよく、そこから、さらに英単語に学習時間を振り分けるのであれば、文法書を学んだ方が、合格への近道となるはずだ。
[ 用法を理解する ]
2点めは、「用法を理解する」ことだ。
単語の用法は、単語の意味とは異なっている。
文章を分析するということは、単語1つの意味ではなくて、単語の文章の中での役割を理解するということだ。
わかりやすい例は、【大問Ⅰ】の(設問2)の(4)だ。ここに登場する単語は、いずれも「ものを指示している」点では同じだ。しかし、その用法は異なっている。
「one」は「不特定のもの」であり、「the others」は「特定のものの残りすべて」だ。文章は、前に出てきたことを踏まえて展開していくので、どのような前提が文章に含まれているのかを、受験者は分析できるようになりたい。このような理論を、自らで説明できる必要まではないが、その差を感じることは必要だ。
そのためには、単語についてはしっかりと辞書を引き、その際には熟語や例文なども合わせて覚えておきたい。さらに類義語や対義語もすらすらと出てくるようになると心強い。
[ 会話表現に慣れる ]
3点めは、「会話表現に慣れる」ことだ。
日本語では他人を褒める時に、「あの人は良い人間だ」と言えるが、「あの人は良い人類だ」と言えば、私たちは違和感を持つ。私たちは、無意識に慣れてしまった言いまわしを持っており、これを「会話表現」という。定型句や常套句とも呼ばれる。こと英語の場合は、母国語ではないので、その会話表現が正しいのかどうか、見分けがつきにくい場合がある。
会話表現のわかりやすい例は、【大問Ⅱ】の(設問1)だろう。「Completely sure」「quite right」などの表現は、実用の英会話では耳にする機会が多い。しかし学校の文法中心のカリキュラムでは、あまり重視されていない。したがって、志望者は個別の対策を取っておくことがのぞましい。
単語の意味だけではなく、その単語を含んだ例文や特殊な用法についても、覚えていきたい。暗記の量を増やすのではなく、暗記の質を濃くしていこう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2015年度「早稲田大学本庄高等学院の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。大問数は長文が2問で、設問数は41問と、早稲田系の学校では少なめとなっている。とはいっても、答案作成の「速度」と「正確さ」が同時に要求されている点は、早稲田系の共通した特徴だ。
【大問1】
- 時間配分:30分
長文読解で、「ハチの生態」を題材とした説明文となっている。直接話法や間接話法による引用の文があるのに注目したい。
(設問1)文章の内容読解に加えて、選択肢には細かな表現の差があるので、難易度は高くなっている。出鼻をくじかれないように、英語の細やかな表現の差を理解できるようになっておこう。
(設問2)文法がまとめて問われている。「動詞の変化」「形容詞と副詞の区別」のように、品詞を分析する力が求められている。
(設問2の1)「cause」は「物事を引き起こす」という動詞だが、受動態で用いられることが多い。他にも、能動態と受動態がまぎらわしいものとして「surprise」や「please」なども押さえておきたい。
(設問2の3)動詞のさまざまな活用について、整理しておきたい。早稲田本庄が、文の分析力を重視していることがよくわかる設問だ。
(設問2の14)「another」「other」「others」の違いを、しっかりと説明できるようになっておきたい。
(設問3)語彙と整序作文を中心に出題されている。
(設問3の6)発音の設問だ。出題されている単語は、ありきたりなものばかりなので、満点を狙っていきたい。
(設問3の7)和文英訳の設問で、難しくはない。「形式主語のIt + is + difficult + to不定詞」がひらめいただろうか。
【大問2】
- 時間配分:20分
長文読解で、「お金の支払い」を題材とした会話文となっている。
(設問1)適文補充の設問で、会話文と日常の表現が中心となっている。
(設問3)前置詞や形容詞などの、細かな表現の差を理解しておきたい。
(設問4)英文和訳の設問だ。時制について、「You’ve charge」は現在完了の箇所と、「which I didn’t have」は過去形の箇所となるので、注意して訳しわけたい。
(設問5)和文英訳の設問だ。「誤りがありそうです」をどう英訳するかが鍵になる。「There are」の構文を思い浮かべて、そこから「There may be」あるいは「There seems to be」と変形していけばよいだろう。和文英訳(英作文)のコツとして、まずはどの構文が当てはまるのかを判断できるようになりたい。
攻略ポイント
受験者の合否を左右するのは、「文法力」となる。長文は、一般校に較べれば長いが、難関校としては短めであり、単語もさほど難しくはない。その点で、読解のできない受験者は少ないはずだ。
また読解に時間が足りなくなるということもないはずだ。一問一問にじっくりと向きあえる時間配分ができる。
差がつくのは、文章を分析して、品詞をきちんと指摘できる理論的な知識があるかどうかだろう。速度よりも、理論的な厳密さを求める試験構成となっている。