早稲田大学本庄高等学院 入試対策
2015年度「早稲田大学本庄高等学院の国語」
攻略のための学習方法
小説問題も第一義的に、人物の「心情把握」である。そのためには、人物描写や情景描写を丁寧に読み込むことである。
人物の振る舞いについての記述や発言内容、そしてそのような発言に対するその他の人物の反応等に関する記述も要注意である。
古典文法についても漏れがないように、万遍なく一通りの知識を明確に習得すること。
[ 知識について ]
1点めは、知識についてだ。
知識問題は、「漢字」「慣用句」「四字熟語」「文学史」など、幅広い単元から出題されてきた。一方、難易度については、平均的な教科書の水準だ。したがって、志望者はどの知識の単元についても、ひととおりの基本を学習するのみで大丈夫だろう。
ただし、現代文で用いられる典型的な術語についてだけは、例外だ。
例えば、【大問1】には、「搾取」や「メタファー」といった専門的な術語が登場する。これらの言葉は、日常会話ではなかなか用いられないものなので、読解力を養うために、志望者は積極的に身につけていきたい。問題演習をこなしながら、その都度、覚えていってもよいし、それでもまだ不安があるのなら、市販の用語集にも目を通しておけば万全だ。
[ 読解力について ]
2点めは、読解力についてだ。
早稲田本庄の国語は、文章を正確に読解することができれば、正答率の上がる設問が多い。「抜きだし」や「択一」や「記述」の設問を難しく感じるのは、文章を精密に読み取れていないからだ。気をつけたいのは、志望者が問われているのは、ただ文章が読めることではなく、文章を読むうえでの理解の正確さだということだ。
例えば「択一」の設問でしばしば見られるのだが、選択肢を2つや3つにまで絞りこめたのだが、そこから先がいい加減になり、正答できていない答案用紙だ。文章とはそもそも異なることを述べている選択肢であれば、解答から外すことは容易だろう。しかし、あからさまに間違ってはいない選択肢同士の間で、どちらを選択すればよいのか、迷ってしまう。「抜きだし」や「記述」の設問でも、似たような言いまわしが、問題文の各所に散らばっており、絞りこむことが難しいと感じる。志望者が身につけたい読解力は、まさにこのような悩みを解くためのものだ。
まずは、さまざまな種類の説明文に慣れていこう。政治・経済・哲学・文学・科学などの、受験で問われやすい分野を扱った文章を、読む経験を蓄積していこう。それによって、志望者はそこで用いられている術語に触れられる。さらにそれぞれの分野には、共通した問題意識が繰りかえし現れていることに気づきたい。例えば、【大問1】は、「コミュニケーション」の分野の文章で、「家族関係」について問題意識を抱いた論説文だ。文章を読み終えたら、自分なりに内容をまとめ、文章の構造を理解しておくことも、忘れずに練習しておきたい。
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2015年度「早稲田大学本庄高等学院の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。大問数は2問で、いずれも長めの問題文を読みながら、設問に解答していくことになる。設問は短答式がほとんどで。
問題文を読み進めながら、同時に解答用紙を埋めていくやり方に慣れておきたい。
[大問1]
- 時間配分:28分
長文読解で、「家族」を題材にした説明文だ。現代日本の家庭問題を理解しておくと、読みやすい。
(設問1)読解の設問で、筆者が列挙している論点を、しっかりと把握しておこう。このような場合は、問題文を読み進めながら、該当箇所にメモを残しておくことが望ましい。
(設問2)抜き出しの設問だ。筆者は問題文のなかで、同じ意味の言葉を言いかえていくので、その変化にメモを残しておくと解答しやすくなる。
(設問5)知識の設問で、基本的な慣用句が問われている。
(設問7)知識の設問で、基本的な四字熟語が問われている。
(設問8)記述の設問で、独自の意見を述べるものではなく、問題文の該当箇所を、要約して整理することが求められている。「家族を原型」として、「人間が社会的な動物として養育」されている。
(設問9)知識の設問で、漢字の「読み」が問われている。問われているものは「読み」だが、できれば漢字はすべて「書き」に対応できるようになっておきたい。
[大問2]
- 時間配分:22分
長文読解で、「自分を取りつくろう青年」を題材にした物語文だ。問題文は海外文学の翻訳だが、主人公の心理は、受験者にも共感が得られやすいのではないだろうか。
(設問1)読解の設問で、適文を補充する。物語は、電話を通して独白する主人公の場面に終始している。この物語の特徴として、主人公の言動だけかから、主人公が置かれている状況を読み取ることが求められている。
(設問3)読解の設問だ。問題文を読み進めながら、あらかじめ場面を示す言葉にメモ書きを取っておきたい。
(設問4)記述の設問だ、いずれも主人公の行動から心情を読みとることが求められており、物語分の標準的な設問といえる。
(設問5)記述の設問だ。問題文の最後の部分で、読者が抱いている主人公の環境に、変化が訪れる。しかしその変化は、あらたまった言葉では書かれておらず、状況描写から推測することが求められている。
攻略ポイント
問題文が難しいので、受験者の「読解力」で得点に差が開く。問題文をしっかりと理解するためには、その基礎として「書き言葉の語彙」と「教養」が求められている。古文は出題されていないが、古典文学として教養に含まれていると考えたい。したがって、国語というよりも、広く日本文化の教養がある受験者が有利になっている。
また、「記述」は文字数が少なく、要約さえできればいいので、読解力の延長として扱っても対応できるだろう。