早稲田大学高等学院 入試対策
2014年度「早稲田大学高等学院の英語」
攻略のための学習方法
早大学院の英語は、同じ早稲田系列の学校と較べれば文章量は控えめだが、それでも平均の水準を遥かに上回っている。入試直前で焦らないように、中学生のうちにどこまで学習を進めておけばよいのか、志望者は計画を立てておくことが求められる。さらに高得点を取るためには、以下の2点に気をつけて学習していこう。
1点めは、「語彙力」だ。英検の準二級から二級くらいの英単語を覚えておくことは必須だが、単純に単語数を増やすのではなく、英単語についてさまざま角度から理解を深めておきたい。
例えば、【大問A】の(設問Ⅰ)の(1)は、単語同士の間の「品詞変換」が求められている。また、【大問B】の(設問Ⅱ)は、同じ意味の内容を言いかえる「類義表現」だ。さらに【大問A】の問題文のうちに、「It does make sense」という会話文の中で用いられる「口語表現」がある。他にも「発音・アクセント」などが、設問として問われている。これらは単純に英単語の「意味」を暗記するだけでは、通用しないことを表している。「単語」を増やすのではなく、あくまで「語彙力」を豊かにしていくように心がけよう。そのためには、単語を一つ一つ丁寧に調べ、その際には意味だけに限らず、広い範囲まで積極的に知識を深めていこう。
2点めは、「文法力」だ。「語彙力」と同じく、英検の準二級から二級くらいの文法の問題をすらすらと正答できるようになりたい。
特に中学範囲を越える文法は、意識して身につけていこう。例えば、【大問A】には、「turning my head left and right」という「分詞構文」の英文がある。さらに「I had hoped I wouldn’t find~」という「過去完了」も見つかる。このように現れる文法は、あからさまに設問として問われない場合であっても、問題文を読み進めていくためには重要になってくる。
さらに一つ一つの英文が長く、複雑な構造を持っていることにも慣れておきたい。例えば【大問B】には、「One day, 50 years after she became deaf」という英文がある。これはカンマを挟んで、同じものを言いかえたものだ。このような英語の文章読解にまつわる規則を理解している必要がある。一つ一つは簡単な規則だが、長文という形式になった際には、受験者は戸惑わないようにしたい。「なんとなく読める」では満足しないで、五文型をしっかりと理解して、文の区切りを把握する力を求めていこう。
基本的な文法知識・イディオムの精度を高めておけば、完答できる。
標準的な問題集・熟語帳をそれぞれ一冊完全にすれば足りるだろう。文法に関してはむしろ、後述の長文読解のために、英文読解のツールとしての視点から捉える勉強を中心にしたい。
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2014年度「早稲田大学高等学院の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、大問数は2つだ。どちらかだけに時間を使いすぎないように注意しよう。設問を2種類に分けて、大問のうちに含まれている語彙や文法などの「部分の問題」と、問題文をすべて読み終わってから解答する「全体の問題」のように考えれば、見通しが良くなる。
【大問A】長文読解(随筆文)
- 時間配分:22分
(設問Ⅰ)
高校の水準の英単語を覚えていることを要求されている。
(1)動詞「explain」の名詞形「explanation」が答えられただろうか。
(設問Ⅱ)
(2)文法の過去完了を理解しておく必要がある。単語力だけでなく、文法についても高校の水準のものが要求されている。
(設問Ⅲ)
英語独特の言いまわしや構文が読めるようになっておきたい。
(3)「occurred」の意味を知っていればよいが、わからなくとも文の前後から推測したい。
(設問Ⅳ)
整序作文の設問で、しっかりと文法を理解したうえで解答したい。
(5)主語は「they」で決めておき、動詞の候補としての「had」「eat」に注目しよう。もし過去完了であるならば、「had eaten」となるので、過去完了は求められていないとわかる。「had」は過去形で、「eat」は原形なので、どちらを動詞にし、どちらを不定詞にするのか判断できる。
(設問Ⅶ)
アクセントの設問だ。英単語の「opportunities」と「scientific」のどちらも、高校の水準の単語になる。
(設問Ⅸ)
「全体の問題」で、問題文をしっかりと読んでから解答したい。
【大問B】長文読解(物語文)
- 時間配分:24分
(設問Ⅰ)
発音の設問で、中学範囲の英単語でも、日頃からきちんと発音は確認しておきたい。
(設問Ⅳ)
前置詞を選択する設問だが、求められているのは熟語の知識だ。
(設問Ⅴ)
構文を利用した文の言いかえの設問だ。
(21)「too~to~」構文と「so~that~」構文の言いかえで、この設問ができなかった場合は、文法の学習を改めたほうがよいだろう。
(22)直接話法と間接話法のよる時制の一致を理解しておきたい。
(設問Ⅷ)
珍しい設問で、受験者は今後もこのような「英文の記号」が問われることを想定しておきたい。
(設問Ⅺ)
「全体の問題」で、問題文をしっかりと読んでから解答したい。
攻略ポイント
単語の数をはじめとした「知識力」と、複雑な英文を読めるだけの「文法力」の2点で合否が決まる。解き方としては、まずはそれぞれの大問の問題文を読み進めて、「部分の問題」に出会うなり解いていこう。そこで気をつけたいのは、もしわからなくとも立ち止まらないことだ。「部分の問題」で迷ってしまうとすべての設問まで手が回らなくなる恐れがある。設問の番号と難易度はあまり関係がないので、正答できる設問を選んでいく判断力が求められている。