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早稲田大学高等学院 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「早稲田大学高等学院の英語」
攻略のための学習方法

長文読解における留意するべき点ついて、以下に述べてみたい。

①     正確な文法事項についての理解と知識を蓄えよう
「自分は文法は苦手で、文法問題の得点は安定しない」、「文法知識がなくとも、英文が自然と読める」という声を耳にすることがある。これらの「声」に共通しているのは、どちらも「文法事項に重点を置いていない」ということである。特に、後者の「英文が自然と読める」という状況は、実は「本当は英文が読めてはいない」のである。例えば、接続詞の‘as’について少々考えてみたい。接続詞のasには、時(~のとき)、理由(~なので)、譲歩(~だけれども)、様態(~のように)、時の経過(~につれ)という基本的な意味がある。英文における接続詞のasは、上記のうちのどの用法であるかの判断をしなければならない。受験生の中には、上記用法を一つ一つ当てはめて「これが何となく当てはまるかな、しっくりいくな」という程度の判断で、意味を決めてはいないだろうか。このやり方は合理的ではない。原則的には、接続詞を用いた文章なので「条件節(従属節)」「帰結節(主節)」とがあるから、これらの2つの英文の日本語訳を考え、日本語でつなぐ方法を考えてみる。具体的には、‘As I broke the vase , I was scolded by my mother.’という英文を考えてみよう。まずは、2つの節を別個に訳してみると「私は花瓶を壊した」と「私は母に叱られた」になる。これらの日本文を自然な日本語感覚で考えると、「私は花瓶を壊したので、母に叱られた」という「理由」でつないだ文章になることは容易に想像がつく。また、上記用法のうち「譲歩」に関しては、条件節の中で「倒置」が行われるのである。例えば、‘As kind he was , he did such a thing.’については、‘he was kind’ではなく、‘kind he was’と倒置が用いられている点が特徴である。また、「~するにつれ」という意味になる場合には、ⅰ)変化を表す動詞が使われている場合、ⅱ)thanなし比較級が使用されている場合がある。ⅰ)の変化を表す動詞とは、increase、decrease、develop、growなどが代表例である。これらの動詞は、時間的間隔のあいた2点間における変化を表すので、当然そのような状況のもとでは、「~するにつれ」となるのである。また、ⅱ)の比較級は従来型のそれとは少々内容が異なるのである。従来型の比較級とは、時間的に今この時(=時間的変化はない)における異なるAとBという2つの事象を捉えて比較するのであるから、比較の対象基準となるものが必要になり、それがthan以下に表現されるのである。言い換えれば、この場合は時間的に水平方向(時間変化がない)に関することだけなのである。従って、そこには「時の経緯」はない。一方、thanなし比較も存在する。これは時間の経過の中で、AがA’になるということであり、時間的水平方向とは対照的に時間的垂直方向での変化である。具体的には「太郎はより背が伸びた」という内容の文であり、ここには時間の経過があり「A⇒A’になった」ということである。従って、thanなし比較級が含まれる条件節が‘As’で導かれる場合には、「~につれ」となるのである。

 

 以上、‘As’について、用法を中心に述べたがその他にも様々な文法に関連した事項があるので、日々の学習の中で一つ一つ習得していってほしい。

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2020年度「早稲田大学高等学院の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問Aは長文(物語)総合読解問題<24分>。出題形式は、内容真偽、整序、語句解釈、書き換え、要旨把握、アクセントなど多種多様である。

大問Bは長文(エッセー)総合読解問題<26分>。出題形式は、英問英答、適語選択、書き換え、英文解釈、整序などとなっている。

【大問A】物語に関する英文読解総合問題<24分>

  • 時間配分:24分

 適語選択問題<2分>
 基本的なイディオムや文法事項を押さえていれば完答できる。‘some ~, others …’は「~する人もいるし、…する人もいる」という意味である。下線部訳などで「何人かの人は~して、何人かの人は…する」という意味(人数にポイントを置いた訳)にすると、ニュアンスが違ってくる。

 単語のアクセント問題<1分>

 適語補充問題<2分>
本文の英文と内容が一致するように適語を補充する。補充する単語の頭のスペルは指定されている。

 内容一致問題<3分>
下線分に関する内容を改めて文章化し、その文章に当てはめる適語を補充する。本文の内容をしっかり把握すること。

 適語補充問題<2分>
基本的なイディオム問題である。‘be responsible for ~’=「~に対して責任がある」、 ‘by oneself’=「一人で」である。

 英文解釈問題<3分>
(12)‘poor thing’ のpoorは、「かわいそうな」という意味である。poorの他の意味としては、「貧しい、悲惨な、劣悪な、不得意な」もあるので文脈でしっかり適切な訳を当てはめられるようにしよう。
(19)‘not all’は「~とは限らない」という部分否定である。

 書き換え問題<2分>
(15)「頭をなでる」という意味であるので、使う前置詞は‘on’である。

 適文選択問題<2分>
前文(否定文)に対する返答の文を選択する。否定疑問文に対する「はい」という肯定の場合はNo、否定の場合はYesとなることに注意が必要である。

 整序問題<2分>
与えられた語群から、‘so ~ as to …’=「…するほど、とても~である」という形にできることに気が付くこと。

 内容正誤問題<2分>
このような類の問題は、第一に正確な本文の内容把握である。同じことを言っていても選択肢で表現を変えてみたりするパターンに惑わされないように。

 適文自由作成問題<3分>
スージーの素晴らしい演技力に大変感心した教授が、その母親であるハリウッド女優に発言する内容であるということを考えるならば、その内容は「将来、きっと素晴らしい女優になるでしょう」的発言となるであろう。

【大問B】エッセーの英文読解総合問題<26分>

  • 時間配分:

 内容正誤一致問題<2分>
 内容が一致しない選択肢を選ぶことに注意すること。本文を正確に読み取り、内容を把握したうえで、適切な選択肢(内容不一致の不一致)を選ぶこと。

 語形変化問題<2分>
 内容的には、基本的な文法事項を押さえていれば完答も可能である。内容的には、現在分詞の形容詞的用法、‘aged’の用法、lie-lay-lainの語形変化は確実に習得しておくこと。

 英文解釈問題<2分>
 英文解釈問題である。各設問中のイディオムをしっかり習得しておくこと。‘be into’は「熱中している」という意味のイディオムである。

 整序問題<2分>
 整序問題は、初めに動詞を確定することが有効である。本問は‘help’と‘offered’とがある。‘offered to’と‘help+人+動詞原形’という具合に、部分的につなぎ合わせて全体を最終的に組み立てる。

 書き換え問題<3分>
 (5)直接話法から間接話法への書き換えである。間接話法に書き換えた場合の時制などに気を付けること。

 適語・適文選択問題<2分>
 (6)‘figure out’で、「解決する」や「理解する」という意味になる。
 (13)この後の英文から、「クリスマスが特別な意味を持つ」のは、どうしてかを考えること。

 文脈把握問題<2分>
 父親は、筆者が恐竜の模型を組み立てているのをみて、笑っているのである。その模型が「どうなっていたか」について本文を読んで考えること。

 英文読解問題<6分>
 1.適語選択問題<4分>。(2)は、模型の恐竜の形がどんなに変形しておかしくとも、娘と父が一緒に時間をかけて作った模型なので、その形はどう評価できるのか。
 2.指示語問題<2分>。‘them’は複数名詞を表わす代名詞であるので、前に遡って複数の名詞を探すと、‘those memories’がある。

 要約文総合問題<5分>
  1.適語選択問題<2分>。(1)‘look forward to ~ing’=「~を楽しみにする」となる。したがって、イの‘spending’となる。
 2.書き換え問題<1分>。‘no more than two hours’とは、「わずか(たった)2時間」という意味なので、書き換えるとすれば‘only’が適切である。
   3.適語句選択問題である<2分>。父親にとってのクリスマスプレゼントとは、どのようなことであったのかについて、本文をよく読んで理解しよう。

攻略のポイント

設問形式や長文の内容を見てみると、それほど難易度の高い問題ではない。解答するために必要な知識(単語・イディオム・文法)に関しても、その8割以上は基本的事項であり、受験生の殆どは「周知の事実」であろう。ただし、合格するためには「単なる知識」を超えた「理解」が求められる。例えば、前置詞の理解である。‘down’や‘on’や‘with’などの前置詞が、根本的にどのような意味を有するのかについての知識をベースに、英文中においてどのような意味を持たされているのかについての「考察」を適切に行わなければならない。

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