早稲田実業学校高等部 入試対策
2017年度「早稲田実業学校高等部の英語」
攻略のための学習方法
語彙力は英検2級を目標にする
語彙力(単語・熟語・アクセント・発音など)は、中学3年生の秋までに、英検2級の水準に達しておきたい。
そのためには、中学生の早い時期から、受験から逆算したスケジュールを組もう。例えば、中学1年生の冬から始めるのであれば、中2の秋に3級を、中3の春に準2級を、そして中3の秋に2級という順番で、語彙力を高めていこう。大事なのは、計画的に学習を進めていくことであり、反対に、してはいけないのは、短期間で無理に語彙力を上げようとすることだ。
この点で、家庭教師が役に立てるのは、意志の弱い生徒や、計画性のない生徒に対してだろう。どの生徒も、語彙力を高めなければいけないと、頭では、理解している。しかし、理解していながら、行動に移しているのは、3割にも満たない。中学生という年齢は、誰かの後押しがないと、学習しにくい年頃なのかもしれない。すでに大人になった先生の目からは、そう見える。
生徒と一緒になって、毎回の授業での小テストや、宿題を細かく設定していけば、語彙力は必ず上がる。受験にむけて、早めに動き出そうとしている生徒は、ぜひ、声をかけて欲しい。
模試の単元別の得点に注目する
学習方針に迷わないように、外部の模試を利用しよう。学校の定期試験では、学期ごとの成績は明らかになる一方で、出題の範囲が限定されているので、英語の総合的な実力が明らかではない。すると、ひと口に英語といっても、さまざまな単元から成りたっているので 、いざ受験に向けて志望者が学習しようとしても、どこから手をつけてよいのか、方針が立てにくい。
そこで、中学1年・2年の間から、難易度の高い外部模試を、定期的に受けて、英語の単元別の得点を、こまめに確認しておいてほしい。
例えば、早稲田実業の志望者なら、英作文・リスニングを含んだ模試を受験しておきたい。それぞれの単元の得点を把握しておくことで、なにをどう勉強すればよいのか、明確になる。ふさわしい教材が選びやすくなり、無駄な単元の学習も省略できるので、効率的な指導ができるにようになる。
外部模試にもたくさんの種類があるので、どの模試を受けるべきかわからないのであれば、家庭教師に相談してほしい。志望者の現在の実力にあったものを、推薦しよう。
速読力を身につける
速読は、長文を速く読む技術だ。制限時間のある受験においては、文章が速く読めれば読めるほど、残りの解答時間が増えて、有利になる。これは単純な理論だが、実践している生徒はめったにいない。
例えば、早稲田実業は、【大問G】までの長文の総語数は、2000字を超える。毎年、過去問をはじめて解いた生徒の大半が、解答用紙をすべて埋めることができていない。
速読力を身につけるにあたっては、3点に気をつけておきたい。
1点めは、文章を音読することだ。音読によって、1文1文がていねいに読まれ、いい加減な読み飛ばしを防止できる。文章を読み飛ばしたままにしておくと、与えられた課題はこなせているかに見えるが、実際の頭の栄養の吸収という点では、損をしている。理解を曖昧なままにしないために、音読する習慣を身につけ、学習効果を上げよう。
2点めは、文型を把握しながら読むことだ。文型は、教科書ではさらりとしか触れられていない。しかし、英語を習得するためには、重要な技術であり、できるとできないでは大きな差が生まれている。主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)に、1文1文を分析できるかどうか、確かめながら読解していこう。はじめのうちは、時間がかかるが、着実に効果がある。
3点めは、繰り返し読むことだ。長文読解の学習方法として、次から次に、新しい長文に挑戦していく生徒がいるが、おすすめできない。むしろ、一度読んだ長文を、日を開けて、再読することをおすすめする。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2017年度「早稲田実業学校高等部の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は70分で、得点は100点満点だ。大問数は8問で、設問数は、リスニングを除いて、54問だ。
英文和訳と和文英訳(英作文)もしっかりと出題され、すべての設問を埋められない受験者も出てくるだろう。答案作成において、速度と正確さが同時に要求されている点は、早稲田系の学校の共通した特徴だ。
【大問A】整序作文
- 時間配分:5分
いずれの設問も、熟語の知識があると、解答しやすい。
(1)「there is not ~」の構文を発見したい。
【大問B】和文英訳(英作文)
- 時間配分:5分
やや砕けた口語の日本語を、英作文する。難易度は標準的なので、満点を狙いたい。英作文の添削は、集団授業では対応に限界がある。もし不安があれば、生徒を細かく見れる家庭教師に依頼してほしい。
【大問C】適語補充
- 時間配分:4分
適語補充で、英英辞典の形式が採用されている。
【大問D】長文読解(物語文 約500語)
- 時間配分:9分
世界を旅行し、さまざまな人と出会うことで、価値観が変化することを題材にしている。軽快な物語文なので、読みやすく、難易度は易しい。
【大問E】長文読解(説明文 約350語)
- 時間配分:9分
船舶から原油が流出し、海域が汚染される事故を題材にしている。海洋汚染は、環境問題としてたびたび取りあげられているので、全体像を理解することはたやすいが、細部には科学による説明があるので、ていねいに読み解く必要がある。化学や生物学などの、自然科学の教養があると、読みやすくなる。
なお、文章で要求されている語彙力は、英検2級の水準にあり、他校とは一線を画している。ただ単語がわからないことが原因で、読めないという状態に陥らないように、語彙力の強化が必須となっている。
【大問F】長文読解(説明文 約400語)
- 時間配分:10分
生物の生態系について論じた本格的な説明文で、高度な語彙力、読解力が要求されている。受験者の目指すべき読解力の基準になる。この水準の文章がすらすら読めれば、合格できるだろう。
【大問G】長文読解(物語文 約950語)
- 時間配分:13分
物語文で、英語の童話には独特のお約束があるので、読み慣れておきたい。受験者は、あらかじめ英語の小説も、演習教材に含めておくといいだろう。
【大問H】リスニング
- 時間配分:15分
長時間に渡るリスニングなので、集中力を切らさないようにしたい。
攻略ポイント
受験者の合否を分けるのは、英語の総合力になる。
長文の総語数は、2000語を超える。語彙力・文法力ともに高い水準が要求されている。また、リスニングも本格的なものだ。英語のほぼすべての分野を網羅した出題がされているので、苦手分野を減らしておきたい。
受験者の日々の学力がそのままに反映され、一発逆転が起こりにくい試験構成といえる。長期間の計画的な学習が求められており、受験の早い段階から準備をしていきたい。