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早稲田実業学校高等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「早稲田実業学校高等部の英語」
攻略のための学習方法

語彙力は英検2級を目標にする

語彙力(単語・熟語・アクセント・発音など)は、中学3年生の秋までに、英検2級の水準に達しておきたい。

そのためには、中学生の早い時期から、受験から逆算したスケジュールを組もう。例えば、中学1年生の冬から始めるのであれば、中2の秋に3級を、中3の春に準2級を、そして中3の秋に2級という順番で、語彙力を高めていこう。
大事なのは、計画的に学習を進めていくことであり、反対に、してはいけないのは、短期間で無理に語彙力を上げようとすることだ。

この点で、家庭教師が役に立てるのは、意志の弱い生徒や、計画性のない生徒に対してだろう。どの生徒も、語彙力を高めなければいけないと、頭では、理解している。しかし、理解していながら、行動に移しているのは、3割にも満たない。中学生という年齢は、誰かの後押しがないと、学習しにくい年頃なのかもしれない。すでに大人になった先生の目からは、そう見える。
生徒と一緒になって、毎回の授業での小テストや、宿題を細かく設定していけば、語彙力は必ず上がる。受験にむけて、早めに動き出そうとしている生徒は、ぜひ、声をかけて欲しい。

模試の単元別の得点に注目する

学習方針に迷わないように、外部の模試を利用しよう。学校の定期試験では、学期ごとの成績は明らかになる一方で、出題の範囲が限定されているので、英語の総合的な実力が明らかではない。すると、ひと口に英語といっても、さまざまな単元から成りたっているので 、いざ受験に向けて志望者が学習しようとしても、どこから手をつけてよいのか、方針が立てにくい。

そこで、中学1年・2年の間から、難易度の高い外部模試を、定期的に受けて、英語の単元別の得点を、こまめに確認しておいてほしい。

例えば、早稲田実業の志望者なら、英作文・リスニングを含んだ模試を受験しておきたい。それぞれの単元の得点を把握しておくことで、なにをどう勉強すればよいのか、明確になる。ふさわしい教材が選びやすくなり、無駄な単元の学習も省略できるので、効率的な指導ができるにようになる。

外部模試にもたくさんの種類があるので、どの模試を受けるべきかわからないのであれば、家庭教師に相談してほしい。志望者の現在の実力にあったものを、推薦しよう。

速読力を身につける

速読は、長文を速く読む技術だ。制限時間のある受験においては、文章が速く読めれば読めるほど、残りの解答時間が増えて、有利になる。これは単純な理論だが、実践している生徒はめったにいない。

例えば、早稲田実業は、【大問F】までの長文の総語数は、約2000字となっている。毎年、過去問をはじめて解いた生徒の大半が、解答用紙をすべて埋めることができていない。

速読力を身につけるにあたっては、3点に気をつけておきたい。

1点めは、文章を音読することだ。音読によって、1文1文がていねいに読まれ、いい加減な読み飛ばしを防止できる。文章を読み飛ばしたままにしておくと、与えられた課題はこなせているかに見えるが、実際の頭の栄養の吸収という点では、損をしている。理解を曖昧なままにしないために、音読する習慣を身につけ、学習効果を上げよう。

2点めは、文型を把握しながら読むことだ。文型は、教科書ではさらりとしか触れられていない。しかし、英語を習得するためには、重要な技術であり、できるとできないでは大きな差が生まれている。主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)に、1文1文を分析できるかどうか、確かめながら読解していこう。はじめのうちは、時間がかかるが、着実に効果がある。

3点めは、繰り返し読むことだ。長文読解の学習方法として、次から次に、新しい長文に挑戦していく生徒がいるが、おすすめできない。むしろ、一度読んだ長文を、日を開けて、再読することをおすすめする。

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2018年度「早稲田実業学校高等部の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は70分で、得点は100点満点だ。
大問数は8問から7問となり、設問数は、リスニングを含めて、52問だ。

英文和訳と和文英訳(英作文)もしっかりと出題され、すべての設問を埋められない受験者も出てくるだろう。

答案作成において、速度と正確さが同時に要求されている点は、早稲田系の学校の共通した特徴だ。

【大問A】適語補充

  • 時間配分:5分

問われている語句は、いずれも簡単なものだ。しかし、英英辞典のように、語句を英語で定義している点に、慣れておきたい。

【大問B】整序作文

  • 時間配分:5分

整序作文で、受験者の文法力の目安となっている。全問正解できなかった場合は、文法書を演習しておこう。

【大問C】和文英訳(英作文)

  • 時間配分:8分

やや砕けた口語の日本語を、英作文する。難易度は標準的なので、満点を狙いたい。
英作文の添削は、集団授業では対応に限界がある。もし不安があれば、生徒を細かく見れる家庭教師に依頼してほしい。

【大問D】長文読解(物語文 約500語)

  • 時間配分:9分

鳥の卵を題材にして、親子が話し合う会話文だ。日常の軽快な言い回しが多いので、読みやすく、難易度は易しい。

【大問E】長文読解(説明文 約400語)

  • 時間配分:9分

インターネットを巡って、さまざまな社会環境について論じた随筆だ。
テクノロジーがどのように社会を変革していくかは、近年、好まれる題材である。

ここでは、国別のインターネット利用率・インターネット中毒・インターネットカフェ難民など、テクノロジーが生みだす新しい社会問題が取り上げられている。

受験者は、日ごろから社会に興味を持ち、予備知識を得ていることが求められている。
なお、文章で要求されている語彙力は、英検2級の水準にあり、他校とは一線を画している。ただ単語がわからないことが原因で、読めないという状態に陥らないように、語彙力の強化が必須となっている。

【大問F】長文読解(説明文 約1000語)

  • 時間配分:20分

本格的な物語文で、セアドアという主人公の、特殊な性格をしっかりと読み解みとろう。
英語の小説には独特のお約束があるので、読み慣れておきたい。受験者は、あらかじめ英語の小説も、演習教材に含めておくといいだろう。

高度な語彙力、読解力が要求されており、受験者の目指すべき読解力の基準になる。この水準の文章がすらすら読めれば、合格できるだろう。

【大問G】リスニング

  • 時間配分:15分

長時間に渡るリスニングなので、集中力を切らさないようにしたい。

攻略ポイント

受験者の合否を分けるのは、英語の総合力になる。
長文の総語数は、約2000語となる。語彙力・文法力ともに高い水準が要求されている。
また、リスニングも本格的なものだ。
英語のほぼすべての分野を網羅した出題がされているので、苦手分野を減らしておきたい。

受験者の日々の学力がそのままに反映され、一発逆転が起こりにくい試験構成といえる。
長期間の計画的な学習が求められており、受験の早い段階から準備をしていきたい。

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