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早稲田実業学校高等部 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「早稲田実業学校高等部の英語」
攻略のための学習方法

難関校の英語入試を攻略するうえで、どのような英語学習を日々行えばよいかについて、いくつかのポイントを述べてみたい。

  • ①正確に長文を読みこなすこと

受験生から、「時間がなくて長文を読むことができなかったので、英語本文を読むことなく設問だけを見て解答した」または「(後半に出題されている傾向が強い)長文を解く時間がなかったので、設問にある下線部だけ、また空欄の前後だけを見て解答した」とする声をよく耳にする。そのような結果になってしまう原因は、第一義的には「時間配分のミス」が挙げられよう。仮に、うまく時間配分ができたとして、どのようにしたら設問の長文を読みこなせるのであろうか。

そこで、英語を読めない原因を考えてみよう。
ⅰ)単語(熟語(イディオム))が分からない。
  単語力は、長文読解の最重要事項であろう。難関校合格のためには英単語も最低3000語は必要である。
  英検で考えると準2級の単語は完璧に覚えることが必要である。
ⅱ)1つの英文が長くなると英文の構造がよく分からなくなる。
      英文が長くなればなるほどその構造が分からなくなり、英文の中にある自分が知っている英単語の意味を
    「自分なりに(我流)」解釈してしまい、自分の誤った解釈による「作文」を行ってしまうのである。
     このような英文読解を何百回繰り返しても、真の英文読解力は培われないことは言うまでもない。そのよう
     な弊害を克服するためには、文の構造を読み解く道具(文法)が必要になってくる。それでは、その道具と
     は具体的にはどのような文法知識かを次に見てみたい。

  • ②長文を読み解くための最低限の文法知識とは

なぜ英文は長くなるのか。受験生の皆さんは考えたことがあるだろうか。様々な原因が考えられるが、以下に文法的観点から考えてみよう

ⅰ)関係代名詞・関係副詞をしっかりマスターしよう。
  英文が長くなる要因の最たるものは「関係詞」である。誤解を恐れずに、極端なことを言えば、700単語
  でも1000単語でも1英文で書こうと思えばかけないことはないのである。それは、先行詞がありその
  先行詞を関係代名詞または関係副詞で次から次へと説明するという構造が可能だからである。したがって、
  長文に強くなるためには「関係詞」をしっかりマスターする必要がある。
ⅱ)カンマやコロン(:)・セミコロン(;)に慣れること。
  ,や:、;が英文の途中で出てくると、受験生の思考はその時点で途切れるようである。
  英文が長くなる一つの要因でもあるそれらのマークは、英文の中でどのような「役割」を持たされている
  のだろうか。結論から言えば、それらのマークの前までは抽象的・結論的記述が行われ、そのマークの後に
  前述内容をより具体的にかつ例示的に示すことによって、英文内容の理解をより深めるためである。
  したがって、「…:~」とあれば、「…である。つまり、~であるのだ」という具合に英文をつなぐことに
  より、内容把握を深めることが可能となる。

  • ③最後に

上記内容を日々の受験勉強で留意しながら、英語長文読解に積極的・継続的に取り組んでもらいたい。そして、最も重要な事項は「毎日20分でも30分でも必ず英文を目にする」ということである。語学の学習に不可欠な要素は、毎日その語学に「触れる」ということである。さらに、最後まで諦めすに難解で複雑な英文に食らい付いていってもらいたい。

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2020年度「早稲田実業学校高等部の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問Aは適語補充問題<3分>。2つの英文に共通する単語を答える問題。

大問Bは正誤問題<3分>。基本的文法事項に関する正誤問題。

大問Cは整序問題<5分>。文法知識・基本イディオムを活用して解答する整序問題。

大問Dは和文英訳問題<4分>。完全自由英作問題。

大問Eは長文総合読解問題<8分>。説明文に関する長文総合読解問題。

大問Fは長文総合読解問題<12分>。エッセーに関する長文総合読解問題。

大問Gは長文総合読解問題<15分>。エッセーに関する長文総合読解問題。

大問Hはリスニング問題<20分>。

 

【大問A】適語補充問題

  • 時間配分:3分

2つの英文に共通する単語を入れる問題。同音異義語や複数の意味をもつ単語の使い方に留意すること。

1.1つ目は「文字」、2つ目は「手紙」を意味するletterが入る。

2.patientには、形容詞としての「忍耐強い」と名詞としての「患者」という意味がある。

3.動詞としての「~に面する」と名詞としての「顔」と意味の単語を記入する。

4.動詞の「落ちる」と名詞の「水滴」を意味するdropが正解である。

5.「落ちる」と「秋」を表わすfallとなる。

【大問B】文法正誤問題

  • 時間配分:3分

基本的な文法知識があれば完答できる問題である。

1.助動詞の否定の場合におけるnotの位置について問う問題。notは助動詞の後に置く。

6.policeは、複数扱いの単語である。

10.reachは場所を目的語として取る場合に、前置詞が必要か否かを考えること。

【大問C】整序問題

  • 時間配分:5分

1.主語はWeにして、「なくなるでしょう」という文末にしたいので、全体的には時制を未来にして英作を行なうこと。

2.「必ず返してね」という表現は、be sure to ~となる。関係代名詞を用いて英文を完成させる。

3.「天気予報によると」は、The weather forecast saysと表現すること。「~になるらしい」はbe going to ~を用いて表現する。

【大問D】完全記述英作問題

  • 時間配分:4分

「人に~を思い出させる」とは、remind+人+of+事象となる。関係代名詞を用いて英文を組み立てる。

「卒業した後で、留学したい」という日本文を英文に訳す。「留学する」はstudy abroadで十分である。

【大問E】説明文に関する長文総合読解問題

  • 時間配分:8分

問1.適語選択問題<1分>。インポッシブルバーガーは、「植物に基づいた材料」を使っているのである。

問2.英文整序問題<3分>。選択肢にある英文の主語に注意しながら、適切に選択肢を並びかえること。

問3.内容把握記述問題<4分>。第3段落に重要事項として3つの事項が記載されているので、本問では解答例にある「健康に良い」以外に、「味」とreducing climate change「気候変動の抑制」についてまとめるとよい。

【大問F】エッセーに関する長文総合読解問題

  • 時間配分:12分

問1.適語選択問題<2分>。my friends and familyのコメントが、筆者のことをどのように考えていたかを把握すること。

問2.要旨把握問題<3分>。選択英文Ⅰ~Ⅲを正確に読み、それぞれが本文中の(a)~(c)のどれにあたるかを把握すること。

問3.内容把握選択問題<2分>。幸運な人々が持つ4要素をしっかり読み込み、そのうちの1つに注目する。

問4.内容一致問題<3分>。本文で使用されているイディオムや文法事項を基本に、自然な文脈になるように適切な選択肢を選ぶ。

問5.表題選択問題<2分>。本問後半では、幸福な人々の持つ特性や自分をより幸福にするにはどうすればよいかについて具体的に書かれているので、それに沿った適切な選択肢を選ぶこと。

【大問G】エッセーに関する長文総合読解

  • 時間配分:15分

問1.適語選択問題<1分>。何がモニバに勝るのかを文脈に沿って考えること。

問2.英文解釈適語記入問題<2分>。自分も同じことをやろうとしたのである。pocket her things のpocketとは「~を盗む」という動詞である。

問3.語句解釈問題<1分>。後に続く英文に着目すること。keep onがポイント。「何を」続けるのかを考える。

問4.適語選択問題<1分>。本文の内容から判断すると、マララの家は裕福ではない=殆どお金を持っていない、という英文であるのでlittleを選択する。

問5.適語句補充問題<2分>。    likeはここの個所では、「~と同じように」という接続詞である。

問6.適語句選択問題<1分>。筆者の父が筆者を「偉い人でも間違いは犯すものである」と話し、筆者を慰めようとしている。

問7.指示語問題<1分>。「この手紙」が誰宛のものであったかを考えながら、本文を読むこと。

問8.文脈把握記述問題<2分>。
         (a)は、筆者が空腹を訴えているにも拘らず、母は香辛料を砕き続けたのである。
         (b)は、母から筆者の身に起きた出来事について父が聞かされている、という状況である。

問9.適所選択問題<2分>。how to stopとあるが、「何の止め方」なのかを考えること。

問10.内容真偽問題<2分>。本文を正確に読み、選択肢における紛らわしい表現などに注視しながら適格に正しい選択肢を選ぶこと。

攻略のポイント

全体的に見れば、それほど難解な問題が出題されているわけではないが、英文の量を考えると相当高度な英語力が求められる。

また、リスニングについても、しっかりとした事前対策が必要である。試験時間70分のうち、20分間がリスニングに充当されている。

出題内容も、整序、適語補充など入試問題に頻出の出題内容であり、レベル的にも標準であるので、標準問題集を何冊かこなす必要があるであろう。

長文に関しては、説明文・エッセーの両方のジャンルの英文(上位校の700単語前後の長文)を月に15~20題のペースで演習して欲しい。演習方法は、解答時間(1題当たり約15分)を決めて、解答する際の時間配分を考慮しながらの方法は欠かせない。

単語力は、英検準2級は最低限のレベルと考えて欲しい。合格を確実にするためには、英検2級レベルの英単語にも挑戦すること。

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