早稲田実業学校高等部 入試対策
2023年度「早稲田実業学校高等部の英語」
攻略のための学習方法
難関校の英語入試を攻略するうえで、どのような英語学習を日々行えばよいかについて、いくつかのポイントを述べてみたい。
①正確に長文を読みこなすこと
受験生から、「時間がなくて長文を読むことができなかったので、英語本文を読むことなく設問だけを見て解答した」または「(後半に出題されている傾向が強い)長文を解く時間がなかったので、設問にある下線部だけ、また空欄の前後だけを見て解答した」とする声をよく耳にする。そのような結果になってしまう原因は、第一義的には「時間配分のミス」が挙げられよう。仮に、うまく時間配分ができたとして、どのようにしたら設問の長文を読みこなせるのであろうか。
そこで、英語を読めない原因を考えてみよう。
ⅰ)単語(熟語(イディオム))が分からない。
単語力は、長文読解の最重要事項であろう。難関校合格のためには英単語も最低3000語は必要である。英検で考えると準2級の単語は完璧に覚えることが必要である。
ⅱ)1つの英文が長くなると英文の構造がよく分からなくなる。
英文が長くなればなるほどその構造が分からなくなり、英文の中にある自分が知っている英単語の意味を「自分なりに(我流)」解釈してしまい、自分の誤った解釈による「作文」を行ってしまうのである。このような英文読解を何百回繰り返しても、真の英文読解力は培われないことは言うまでもない。そのような弊害を克服するためには、文の構造を読み解く道具(文法)が必要になってくる。それでは、その道具とは具体的にはどのような文法知識かを次に見てみたい。
②長文を読み解くための最低限の文法知識とは
なぜ英文は長くなるのか。受験生の皆さんは考えたことがあるだろうか。様々な原因が考えられるが、以下に文法的観点から考えてみよう
ⅰ)関係代名詞・関係副詞をしっかりマスターしよう。
英文が長くなる要因の最たるものは「関係詞」である。誤解を恐れずに、極端なことを言えば、700単語でも1000単語でも1英文で書こうと思えばかけないことはないのである。それは、先行詞がありその先行詞を関係代名詞または関係副詞で次から次へと説明するという構造が可能だからである。したがって、長文に強くなるためには「関係詞」をしっかりマスターする必要がある。
ⅱ)カンマやコロン(:)・セミコロン(;)に慣れること。
,や:、;が英文の途中で出てくると、受験生の思考はその時点で途切れるようである。英文が長くなる一つの要因でもあるそれらのマークは、英文の中でどのような「役割」を持たされているのだろうか。結論から言えば、それらのマークの前までは抽象的・結論的記述が行われ、そのマークの後に前述内容をより具体的にかつ例示的に示すことによって、英文内容の理解をより深めるためである。したがって、「…:~」とあれば、「…である。つまり、~であるのだ」という具合に英文をつなぐことにより、内容把握を深めることが可能となる。
③最後に
上記内容を日々の受験勉強で留意しながら、英語長文読解に積極的・継続的に取り組んでもらいたい。そして、最も重要な事項は「毎日20分でも30分でも必ず英文を目にする」ということである。語学の学習に不可欠な要素は、毎日その語学に「触れる」ということである。さらに、最後まで諦めすに難解で複雑な英文に食らい付いていってもらいたい。
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2023年度「早稲田実業学校高等部の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問Aは適語補充問題<2分>
2文がほぼ同じ内容になるように適語を補充する書き換え問題。
大問Bは正誤問題<6分>
基本的文法事項、語法に関する正誤問題。
大問Cは同音異義語問題<8分>
2文に入る同音異義語に関する問題。
大問Dは和文英訳問題<5分>
完全記述の和文英訳問題。基本的なイディオムを正確に活用する。
大問Eは長文読解(説明文)問題<13分>
文整序問題、内容把握問題、語句解釈問題、内容真偽問題など。
大問Fは長文読解(説明文)問題<10分>
英文解釈、適語補充、語句解釈、内容真偽問題など。
大問Gは長文読解(物語文)問題<10分>
適語選択問題、指示語問題、内容真偽問題など。
大問Iはリスニング問題<16分>
【大問A】適語補充問題
- 時間配分:2分
ア 「私は彼に以前会ったことがある」という文にしたい。
イ・ウ「キャンディを欲しいだけ食べていいですよ」という文を書き換えるので「自由に(食べ物を)とっていいです」としたいので、help ~self to + 食べ物 を使用する。
エ 命令文、orは「~しなさい、さもないと」という文であるので、「宿題が終わらなければ、外へ行けない」としたい。「~する機会がない」はno chanceである。
オ・カ「公園に雪がたくさん降った」という文にしたいので、There was much snow in the parkとする。
【大問B】適語・句選択問題
- 時間配分:6分
ア when I was littleとあるので、時制は現在完了形ではなく、過去形である。
ウ 直前にdidn’t(否定)があるので、either A or Bとなる。
カ 「~に興味がある」はbe interested in ~である。之を現在完了形にする。
シ 従属節(If …)の中が過去形であるので、仮定法過去完了の文にする。
【大問C】同音異義語問題
- 時間配分:8分
1.上はreadの過去分詞である。したがって、下は「赤」を表すredである。
2.上は「鼻」のnoseである。したがって、下は「知る」の三人称単数現在形を表すknowsである。
3.上は「平和」のpeaceである。したがって、下は「1枚の」を表すpieceである。
4.上は「閉める」のcloseである。したがって、下は「衣類」を表すclothesである。
5.上は「客」のguestである。したがって、下は「推測する」の過去形であるguessedである。
【大問D】和文英訳問題
- 時間配分:5分
(1)「英語は外国語に由来する単語が多い言語の1つである」を英訳する問題である。「~に由来する」はcome from ~またはbe derived from ~で表現する。
(2)「これにより英語は独特な言語となったのです」を英訳する問題である。「~となった」はmakeを使って表現する。
【大問E】長文読解(説明文)総合問題
- 時間配分:13分
問1.文整序問題<2分>
文脈を正確に把握すると、ウ→ア→イとなる。
問2.内容把握問題<2分>
下線部の訳は「ビーバーのダム周辺は地域とビーバーのダムがない地域どのくらい緑があるかについて比較した」である。この文の直後に注目する。
問3.語句解釈問題<2分>
refugeは「避難する」という意味であるので、文脈から類推すると「避難所、避難場所」となる。
問4.語句解釈問題<2分>
Be prone to ~は「~を破りやすい」である。
問5.内容真偽問題<3分>
本文の内容に適しているのは以下の3つである。
②「ビーバーが強固なダムをつくるために、木材、石、泥が必要である」
⑥「ビーバーがいる地域の植物は、ビーバーがいない場所の植物に比較してその中に含まれる水が多い」
⑧「ビーバーのダム、池、運河は、森林火災から多くの動物を生き残るのに役立った」
問6.タイトル選択問題<2分>
本文はビーバーがダムをつくることから始まり、そのダムが森林火災から多くの動物を救うという内容になっている。したがって、Would beavers play a part as good firefighters?が適切である。
【大問F】長文読解(説明文)問題
- 時間配分:10分
問1.要旨把握問題<1分>
Procrastinationは本文から類推すると「先延ばしする」となる。
問2.英文解釈問題<1分>
itselfはprojectのことである。completeは「完成させる、完了させる」である。
問3.要旨問題<2分>
本文の内容を正確に把握すること。内容的には、下線部に続く文に注目する。
問4.適語補充問題<1分>
前文から「意志の力」はどのように記述されているかを正確に把握すること。最終段落にbatteriesである。
問5.語句解釈問題<1分>
直後の文を正確に読み取ること。around the clockは「24時間ぶっ通しで」である。
問6.適所選択問題<2分>
挿入するべき文のthis wayとは、transform A into Bのことを指している。
問7.内容真偽問題<2分>
文脈を正確に把握すると④、⑦、⑨が適切である。
【大問G】長文読解(物語文)問題
- 時間配分:10分
問1.適文選択問題<1分>
本文内容から判断すると、見ず知らずの男性がビクトリアの名前を呼んでいることを不審に思ったのである。
問2.指示語問題<2分>
下線部アのthoseは直前のmiracles「奇跡」である。その内容について文脈から正確に読み取ること。
問3.文脈把握問題<1分>
直前にあるsomeoneとは「彼女が愛する男性」のことを指している。「素敵な男性との出会い」を売ろうとする男との会話から正確に判断する。
問4.文脈把握問題<3分>
内容について文脈を的確に読み取る。
A 直前の男の発言に注目すること。内容的に男と取引したことが推測できる。
B 文脈から、シャーロットは事故後に様々な幸福なことが起きたと判断できる。
問5.内容真偽問題<2分>
本文を正確に読み取り内容をしっかり把握する。
⑤「シャーロットとピーターは、患者と医師として出会った」
⑦「その男は、他の会社で働いた経験がある」
⑨「ビクトリアが働く会社は彼女に高い給料を支払っていない、とその男は考えていた」
問6.内容真偽問題<1分>
本文を正確に読み取り選択肢から適切な内容を推測する。
③「ビクトリアは奇妙な男と話すことは時間の無駄であると最初は考えた」
⑥「その奇妙な男は、将来何が起きるかを彼の顧客に話したことがある」
【大問I】リスニング問題
- 時間配分:16分
攻略ポイント
全体的に見れば、それほど難解な問題が出題されているわけではないが、問題量を考えると相当高度な英語力が求められる。
また、リスニングについても、しっかりとした事前対策が必要である。試験時間70分のうち、約20分間がリスニングに充当されている。
出題内容も、整序、適語補充など入試問題に頻出の出題内容であり、レベル的にも標準であるので、標準問題集を何冊かこなす必要があるであろう。
長文に関しては、説明文・エッセーの両方のジャンルの英文(上位校の700単語前後の長文)を月に15~20題のペースで演習して欲しい。演習方法は、解答時間(1題当たり約15~20分)を決めて、解答する際の時間配分を考慮しながらの方法は欠かせない。
単語力は、英検準2級は最低限のレベルと考えて欲しい。合格を確実にするためには、英検2級レベルの英単語にも挑戦すること。