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SAPIX(サピックス)対策
男子R君の場合:
「何が必要か」を見極めて、慶應中等部に合格!

高橋先生
担当プロ家庭教師 高橋先生
プロ家庭教師の指導期間 小学6年生4月~入試まで
志望中学校(スタート時点) 学習院中
成績の推移 クラスE 算国理社 48→58

「何が必要か」を見極めて、慶應中等部に合格!

指導を始める前の状況

私立小に通学中のRさんは、外部進学希望のためSAPIXに通っていました。受験勉強の必要性はわかりつつも、なかなか自分からやる気になれなくて娯楽を優先してしまう&塾内テストの結果が伸びないという状況で、マンツーマンの家庭教師による補強が必要とのご家庭のお考えから、私が指導にあたることになりました。また、SAPIXの課題がやり切れず負担なため、「何が必要か」を見極めてほしいというご要望もありました。

指導内容

<算数>
Rさんの志望校は慶應&学習院でした。どちらも「難問は出ない」「良問をいかにミスなく高得点で仕上げるか」が肝要な学校です。幸い、算数の基礎力は高かったので、難問を触るよりも、良質な典型問題をスムーズに解けることが優先と思われました。そこで「文章題を視覚的にとらえる」ことができる問題集を繰り返し解くことを選びました。SAPIXのテキストの最終ターゲットは国立および御三家ですが、それを追いかけては虻蜂取らずになると説明し、納得してもらったうえで、志望校合格のためには不要と思われるテスト等については、結果を気にしないようにアドバイスしました。

<理科・社会>
マニアックな知識は不要、むしろ日常生活の中でどれだけ理科社会にかかわる事象に興味があるかを問われる学校です。細かい暗記よりも「自分の言葉で事象を説明できる」ことが優先と判断し、記述式の問題集各一冊のみを繰り返し解くことにしました。

<国語>
思考力の高い生徒さんでしたが、普段活字を読まないため、かなり語彙が不足していました。語彙&ことわざに絞った薄めの問題集に繰り返し取り組むことにしました。学習院の国語はほぼオール記述のため、たくさん書いて部分点を狙う傾向があったのを、「言いたいことを絞って簡潔に書く」ようにベクトルを変換するため、要約の訓練も繰り返しました。

家庭学習の改善

当初は課題がなかなかできませんでした。塾の宿題が大変というのがその理由です。そこで、具体的に各々の所要時間を書き出すことで、スキマ時間に効率的に上記の課題をやることができるようになりました。一問一問「消し込み」をすると達成感が得られるため、宿題はページ数での指定ではなく、問題NO.をすべて羅列するよう心がけましたSAPIXの宿題に加え、私から出した宿題ができるようになったのは秋口でしたが、「志望校合格にはこの課題が必要だ」と納得してもらえたことが、推進力になったのだと思います。

結果

潜在力の高い生徒さんでしたが、なかなか本腰が入らず、クラスはEを中心に上下していました。Cクラスに落ちたこともありましたが、「志望校合格の力は十分あるから、クラスの上下に一喜一憂しないように」と励まし続けました。4科偏差値は49→55で伸び悩み、合否判定も20パーセントでしたが、分析通りの力を発揮し、無事合格を果たせました。

SAPIX生へのアドバイス

SAPIXのテキスト&カリキュラムはとても優れています。ですが、「志望校」合格のためにそのすべてが必要かというと、そうではありません。中学受験は、過去問研究がすべてと言っても過言ではありません。そのくらい、各校の求める資質は異なります。入試の難易度が偏差値を逆転することも珍しくありません。なによりもまず、「志望校に合格するためにはどういう資質が必要か」を見極めてください。

偏差値ではありません。スポーツで考えるとわかりやすいかもしれませんね。どんな競技をするにも、運動能力を一定のレベルに上げる必要はあります。ここは共通しています。けれども、その先、サッカーをするのか野球をするのかで、必要とされる「スキル」はまるで異なります。

SAPIXが鍛えてくれるのは「どこにでも通用する総合力」ですし、合否判定も「総合力」をもとに判定されます。もしあなたの志望校がはっきりしているならば、その志望校が求める力を重点的に伸ばすことで、合格に近づきます。ときには、塾から課される課題を思い切って取捨選択することも必要です。SAPIXに限らず、塾に通っているとどうしても「クラス」が気になってしまうでしょう。けれども、たとえ同じクラスであったとしても、志望校はそれぞれ違うのです。クラス分けに一喜一憂せず、「何が自分に必要なスキルなのか」を常に自分に問いかけてください。

迷ったときは「基礎トレ」です。 ついつい難問を解きたくなるでしょうけれども、実は基礎トレを弛まず続け、完璧にやりこむ方が、着実に合格点を取れます。誰もが打てない魔球を打つチカラより、ストレートが来たら確実にホームランを打てるほうが、勝負には勝てるのと同じです。地道な日々の努力は絶対にあなたを裏切りません。焦らず、「積み重ね」で合格を勝ち取ってください。健闘を祈ります。

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