6年生の勉強法
SAPIX6年生の学習ポイント
いよいよ受験の総まとめとなる6年生です。6年生の授業カリキュラムは、大前提として「志望校の合格」を目指したものとなります。受験学年になると、お子様一人ひとりにおいて、志望校の志向も学力の面でも個別化が進んでいきますので、授業の進め方も「学力別」・「志望校別」のクラス編成で行っていきます。
授業は週2回で、1回につき80分の授業が3コマ連続で行われます。これまでの学年の授業内容とは異なり、基礎・応用・発展などの様々なレベルにおける入試問題の反復演習を徹底して行なうことで、お子様の学力を効果的に向上させます。
また、平常授業とは別に「土曜志望校別特訓」(週1回・75分×4教科)、「難関校SS(サンデーサピックス)特訓」(9月以降)が実施されます。文字通り、「志望校別」であり「難関校」に特化した特訓ですので、これらが加わることで一年間を通じ、お子様の学力を入試本番の日にピークになるようなカリキュラムとなっています。
さらに、実戦的な入試対応力を養成するために各種の模試を実施します。夏前は隔月、夏以降は毎月のように実施される模試は、最新の入試情報に基づく出題となっています。これらの模試は、結果に一喜一憂して終わるのではなく、「自己の苦手・弱点分野の掌握と克服」という点でも有効活用することが求められます。
志望校への最短距離を
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算数の勉強法
6年生は自分の頭で考え抜く「逞しい学力」を手に入れる
教材と特訓の活用で入試対応能力を養成する
6年生で使用する教材は、「デイリーサピックス」、「デイリーサポート」、「ウィークリーサピックス」、「基礎力トレーニング」そして「基礎力定着テスト」となります。
基本的に6年生の授業では、プリント教材での授業が多くなります。これは、本番入試の形式により近い形で問題演習に取り組んだ方が、実戦的かつ「思考力」を身につけるためには効果的であると考えられているからです。
これらの教材を使用し、平常授業で学習し習得する幅広い知識を基に、入試問題の演習と解説が中心となる「土曜志望校別特訓」を受講することで、あらゆる入試問題のパターンに対応できるだけの能力を養成していきます。
テストや模試の年間計画を立てる
6年生を対象として実施されるテストは「マンスリー確認テスト」、「マンスリー実力テスト」、「復習テスト」、「組分けテスト」、「志望校判定サピックスオープン」、「合格力判定サピックスオープン」、「学校別サピックスオープン」、「面接模試」そして「比較合判」です。
当然ながら、学校別や面接など、その内容・形式は細分化され、より実戦的になります。「志望校判定サピックスオープン」、「学校別サピックスオープン」を指標として、年間の学習計画を効率よく組み立てることが大事です。
より実践的な問題演習を効率よく行う
6年生に求められる学習姿勢は、より実戦的な問題演習を効率よく行なう姿勢です。6年生で配布される教材(プリント)は、質量ともに5年生までとは比較になりません。しかも予習が出来ない授業と復習のスタイルはそれまでの学年と変わりません。
そこで「効率性」がより大切になります。どのような分野が頻出であり、それはどのような切り口で出題されるのかを徹底的に分析した教材を効果的に活用することが、合格を勝ち取れる最善の方法となります。
具体的には、割合を用いた速さ、場合の数や確率、規則性・周期性、立体図形と平面図形(特に立体図形の切り口にできる平面図形)、推理・論証などの問題は、入試本番で初見の問題が出題されても、正答への手掛かりがどこにあるのかを瞬時に見ぬく力をつけるために、受験校が上位校であればある程、得意分野としたいところです。
情報処理能力を高めて「逞しい学力」を手に入れる
中学校側が受験生に求めている「力」は、自分の頭で考え抜く「逞しい学力」です。難問と思われている受験算数の問題は、決して難問ではなく、その問題に複数の「基本的事項」が絡み合い、それを解きほぐす方針が立てられないため「難問」だと認識されてしまうのです。また、解きほぐす手順が5回、6回と重なりが増えるごとに、解法の方針が立てにくくなり、「難問」と認識されてしまいます。
それでは「解きほぐす手順」とは何でしょう。一言でいえば、それは「与えられた情報の処理能力」です。問題の本質を見抜き、算数の原理をあてはめることを適切に行えるかどうかです。
授業や教材でこの「処理能力」を育成し、それをさらに高めるため、日々の学習を継続しましょう。
国語の勉強法
6年生は志望校合格の実践力を身につける
受験学年の国語カリキュラムで合格力をアップさせる
4年生で学習した知識事項、5年生で習得した文章読解力と客観的文章作成能力をふまえ6年生では、基礎・応用・発展・実戦という様々なレベルの問題を何度も繰り返しながら、志望校への合格力を効率的にアップさせるカリキュラムを組んでいます。
6年生では、入試本番を意識した、かなり高度な文章を扱います。授業形態は、A授業、B授業さらに志望校別特訓に分かれます。
A授業では、漢字・文法などの必要不可欠な知識を確認し確実に語彙力を向上させます。また、比較的短い文章読解を行い、実戦的な読解力を身に付けてゆきます。
B授業では、約5,000~6,000字の長文が毎回の授業における題材になります。このような長文を日常的に読みこなすことで、入試で求められる真の読解力を養成します。
講師は、毎回の授業でお子様のノートを添削し、「文章の読み取り方」と「文章記述力」を確実に向上するように指導します。志望校別特訓では、演習形式で授業をすすめ多種多様な入試形式の問題を演習し、確実な得点力アップを育みます。
「志望校合格」のための学習サイクルを実践する
4年生や5年生のときと同様に、デイリーサピックスを使用し講義形式で行い、授業当日に教材であるプリントを配布するという授業形態は変わりません。したがって、その復習を行うことは言うまでもありませんが、それ以外にも、基礎力トレーニング等の補助教材を有効に活用し、実戦力を着実に養成していく必要があります。
また、これまでよりも実施回数が多くなった各種の模試を志望校合格へ向けた得点力アップ確認の目安とし、弱点分野の克服を繰り返し行うことが重要になります。つまり「志望校合格」のための学習サイクル「学力の定着(授業と家庭学習での反復復習で学力定着)」⇒「学力確認(テストによる学力確認)」⇒「フィードバック(テスト結果を日々の学習方法に反映)」を実践していくことが大切です。
志望校に合わせたクラス編成と教材編成で実践力を身につける
6年生の国語教材は、何がお子様の志望校合格のために必要不可欠であるかを的確に把握でき、弱点を補強する上で最適な内容となっています。
ただし、与えられた情報・知識を受動的に暗記し、機械的に正解を導き出しても、長い目で考えた場合、真の学力を身につけることはできません。中学・高校・大学とこれから続く学習環境の中でも、確実に成果を上げるための下準備が中学受験の勉強であると捉え、どこまでも「自分の頭」で考え抜く習慣を体で覚えていくことが重要です。
そのような学習習慣を身につけることを可能にするのがSAPIXの国語教材です。それらをベースに漢字・語句・文法・文学史などの知識事項を確実にマスターし、その上で高度な内容の長文(物語文・論説文・随筆文・説明文)を正確にそして効率的に読解する方法を授業で習得してください。
それを繰り返すことで、確実に志望校合格への実戦力を身につけることが可能になります。
理科の勉強法
志望校の傾向を掴み取捨選択し、目標に合った学習を
各校の入試問題傾向は驚くほど違います。計算問題ばかりなのか知識中心なのか、はたまた記述メインか。サピックスは夏休みまでは過去問に触らせない方針ですから、本人が見ることができない場合は、ざっとでもよいのでご父兄が志望校の過去問に目を通し、傾向をつかんでおきましょう。意外と盲点なのが、理科の配点です。配点が国数の半分だからといって軽視はしてほしくないですが、現実問題として配点が半分な教科に同じだけの時間は割けません。志望校の理科配点を、ぜひ確認しておいてください。
幸い、理科は、ある単元がどうしても理解できなくても、さほどほかの単元に影響しません。中和がわからなくても人体の仕組みはわかる、というようなことです。特に苦手な分野は4年時のテキストに戻って「タテに」理解しなおしましょう。
9月以降の「土特」「SS」では、国算を選択する場合がほとんどでしょう。「学校ごと」の理科の出題の特性を把握する必要があるので、塾の理科担当講師や、家庭教師をつけている場合は担当講師にどんどん尋ねましょう。適切な取捨選択を教えてくれるはずです。
理科が苦手な子:マンスリーテストや過去問を解いてみて「原理がわかっていないのか」「問題文が読めていないのか」は、きちんと分析しなければいけません。原理がわかっていないなら、4年のテキストに戻って復習を。繰り返しになりますが、理科は単元ごとに勉強できます。焦らず、単元ごとに潰していきましょう。問題文が読めていないならば、問題を解かなくていいので「条件を整理して表にする」練習をしましょう。
マンスリーテストや過去問の回答の分析をしましょう。理科は大問4~5つがほとんどです。大問ごとに前半が取れていれば基礎は大丈夫です。逆に、大問の前半で落としているなら、基礎をやり直しましょう。大問の後半を「取りに行く」かどうかは、学校ごとに違います。取るべきかどうかは、講師に聞けば教えてくれます。全部取ろうとせず、戦略を立てて臨みましょう。
理科が得意な子:難関校は高校化学・物理を出してきます。毎年新作オリジナル問題も多いです。志望校の過去問のみならず、サピックスで配布される有名中問題集などで「新作問題」に触れてみましょう!理科を武器にしたいならば、難関と言われる学校の、去年の問題をざっとやってみることはきっと力になると思います。
得意・不得意にかかわらず:社会と同様、理科も「去年あった大きなできごと」に絡んだ問題が多くなります。それは、各校の理科教師に「理科に興味を持ってほしい、世の中ではこんな新発見があるよ」という思いがあるからです。普段から、そういうアンテナを張っておきましょう。
社会の勉強法
知識の総復習をコツコツ続けつつ、入試傾向を掴んだ効率的な学習を
6年生は「歴史」のまとめに始まり、続いて「公民」を夏までに学び終えます。夏期講習からは地理→歴史→地理→公民の順に復習を進めます。その後は統計資料や地図の読み取りと分析、論述を含めた総合問題の演習を行います。
近年の入試では出題傾向の多様化が進み、従来型の知識問題と記述問題の他に、公立中高一貫校などの適性検査型の「資料を読み取った上での記述問題」、更には小学生には馴染みの薄いテーマを敢えて選んで「社会科的な発想力を試す問題」まであり、幅広い対応力が求められます。
2月~4月の「歴史」は既に復習に入っているので「デイリーサピックス」の他に「コアプラス」や「年表トレーニング帳」を活用して知識の増量を図って下さい。その後の「公民」の学習中は5年生までと同様、デイリーサピックスの精読と重要語句の暗記、問題演習とその反復、といった学習法に再び絞りましょう。その後は入試までスキマ時間を見つけてはコツコツと知識の総復習を行います。「コアプラス」「白地図トレーニング帳」「年表トレーニング帳」が総復習の主要副教材になりますが、社会が苦手なお子さんは、もう少しとっつき易い平易な市販教材で基本知識の抜けを埋めてゆくことも良いでしょう。
また、前述の適性検査型に近い問題に慣れるため、時には公立中高一貫校の入試問題を解くことや、早めに志望校の入試過去問に触れて出題傾向を知ることも良いでしょう。歴史年号の語呂合わせや最新の統計、平易でカラフルな用語集など、様々な市販教材も活用して下さい。
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