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浦和明の星女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2017年度「浦和明の星女子中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

例年、2つの大問に説明的文章1題・文学的文章1題の計2問が割り当てられている。ここに5~6問の漢字の読み書きと知識問題が数問、加わる。また、最新年度のように詩の問題が含まれる場合もある。総解答数は30問ほど。

設問形式は記号選択・書き抜き・適語補充・記述などがバランスよく見られ、オーソドックスな形である。記述問題は30字ほどのものや字数指定のないものなどがあるが、極端に難しい問題にはなっていない。合格者平均点は毎年70~80点にも達し、高得点での争いになる覚悟が必要である。

長文読解と試験の特徴

特筆すべきは素材文の長さである。例年、10000字を超える文量であったが、2017年度では論説文5500字・物語文10000字の計15000字程にもなっている。さらに、長文問題に詩の問題が含まれており(2017年度)、字数が増している。中学入試全体を見てもこの文量は最多クラスであり、読むスピードを付けることは本校の対策として最重要課題である。

一方、各年度の合格者平均点は70~80点にもなり、受験者平均点も高いことから、その長さと比べて問題自体は答えやすい難易度であるとも考えられる。しかしそれも本校を志望する受験生の実力の高さ故でもあり、けっして簡単な試験だと思わないでいただきたい。

基本は長文読解の技術を磨くことである。長い文章を短くする。つまり、重要点をうまく拾い上げ、解答の際にすぐに探し出せるようにしておくことが、速く読むことと同時に求められる。

・段落の整理 形式段落を意味段落でまとめ、小見出しをつけておく。
・要点 各段落の最初と最後に特に注目し、傍線などで要点をマークする。慣れないと傍線だらけになってしまうが、基本的には一番大事な1文を選べるように練習する。
・要約・要旨 要点をまとめて要旨を把握する。日頃から、全体を要約する練習をしておくことは実力アップにもつながり、記述問題対策にもなる。字数を決めて書いてみるとなお良い。
・場面分け 時間・場所・人物の移動などで場面の変わり目をマークしておく。
・心情把握 人物の言動や情景から、気持ちを読み取る。特に気持ちに変化があった場面は問題になりやすい。
・主題 全体として、誰のどんな気持ちを描いた話なのかを考える。

全体を読み返す時間は無いと思われるので、一度の読みで手際よく重要点に目星をつけなければならない。
先にも述べたように、問題自体は特別な難問ではないので、手をつけられれば得点出来る可能性は高まる。そのためにも、時間内に全体に目を通せるスピードが必要になるのである。
平均点が高いので、わずかなミスでも差がついてしまう。過去問を十分に活用して、速く読み正確に答える訓練を積んでおかれたい。

毎年ではないが、詩の読解も出題されている。出された時に慌てないように準備しておきたい。

漢字・知識問題

漢字の読み書きが5~6問、接続詞・四字熟語・慣用句・漢字の知識(画数・部首)などの言語事項が数問、出題される。かつては、文学史の問題も見られた。
幅広い分野を、学習しておきたい。

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2017年度「浦和明の星女子中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

論説文・物語文で計15000字ほどにもなる長文を、まずは読み通さなくてはならない。分速750字として20分ほどで目を通すことができれば、総解答数33問の問題に30分かけられる。かなりの速さだが、ひととおりすべての問題に手をつけるためにも、この速さを会得したい。設問も字数が多いのでここでも時間がかかる。
漢字や言語事項は3~4分で終えられる量である。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:27分
  • ★必答問題

人間対自然・おとこ対おんなといった、困った二元論から脱却するにはどうしたらいいかを論じている。

問二 直前の文・直前の段落で、科学が自然を操作可能なモノにしてしまったと述べている。選択肢イはしっくりこない。

問五 人間にとっての大漁は魚にとっての大量死である。「鰯のとむらい」とあるが、葬式をするのは生き残った魚である。

問七 Ⅰ ここには目的や使い道といった語が入りそうである。

問九 答えになりそうな箇所はいくつかあるのだが、「クモの巣」や「網」といったイメージにぴったりの部分があるのでそこを探す。

問十 この問題のように、本校の試験は答えを探す範囲の指定が独特なのでよく慣れておかないとやりづらい。

問十一 この問題も珍しい形式である。大問の中に詩の「中問」とでもいうものが含まれているのである。
(1)七五調のリズムに合うように2音でよむ。
(2)「すたこらさっさ」は早足で移動する様子。「ぼく」はなぜ急いでいるのか?
(3)生活のために鉄砲で他の生き物を殺してよいというのは、生活することに責任がある大人の理論である。大人は鳥を守ってなどいられないのである。

【大問二】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

転校生のかれんをめぐる出来事を主人公の視点で描いている。

問二 「かぶりを振る」は「いいえ」を表す動きで、横に振る。どこを?

問四 ここは傍線⑦で考えたほうがわかりやすいか。意地悪で踏みつけた相手のペンダントから、自分の写真が出てきたのである。どう感じるだろうか。

問五 僕と裕太に例えて考えていることがヒントになる。かれんと誰か?

問六 この問題のように、自分で考えて空欄を埋める問題がよく出される。語彙は増やしておきたい。いじめのような卑劣な行為を許せないのは○○感?

問七 いじめ問題の理不尽な本質を、かつていじめる側だったかれんが亜矢に突きつける場面である。この一言のもつ迫力を感じ取る。

問九 ここも自分で考えて答える問題である。苛められっ子だったのかいじめっ子だったのかという過去で何か変わるのかと、主人公は自問している。磯憲はそこは問題にせず、やり直させてやりたいと考えているようである。

攻略のポイント

文量も多く、平均点も高い大変な試験であるが、極端な難問にはなっていないし、選択肢問題などは得点しやすいものも多い。時間切れで手をつけられない問題が残っては大いに不利である。過去問を多くこなし、ひととおり最後まで終えるペース配分をつかむこと。
捨て問題を作るほどの余裕は無いと思ったほうが良い。数問のミスで明暗が分かれる試験でもあるので、50分間集中を切らさない持久力をつけたい。
また、詩の読解が出る可能性は常にあるので、油断せずに取り組んでおくこと。

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