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浦和明の星女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「浦和明の星女子中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

例年、2つの大問に説明的文章1題・文学的文章1題の計2問が割り当てられている。ここに5~6問の漢字の読み書きと知識問題が数問、加わる。また、2018年度のように詩の問題が含まれる場合もある。総解答数は30問~35問ほど。

設問形式は記号選択・書き抜き・適語補充・記述などがバランスよく見られ、オーソドックスな形である。記述問題は30字ほどのものや字数指定のないものなどがあるが、極端に難しい問題にはなっていない。合格者平均点は毎年70~80点にも達し、高得点での争いになる覚悟が必要である。

長文読解と試験の特徴

特筆すべきは素材文の長さである。例年、10000字を超える文量であったが、2017年度では論説文5500字・物語文10000字の計15000字程にもなっている。2022年度では15000字ほどであった。さらに、長文問題に詩の問題が含まれるときもあり(2017年度)、選択肢問題の文字数も多く、字数が増している。中学入試全体を見てもこの文量は最多クラスであり、読むスピードを付けることは本校の対策として最重要課題である。

一方、各年度の合格者平均点は70~80点にもなり、受験者平均点も高いことから、その長さと比べて問題自体は答えやすい難易度であるとも考えられる。しかしそれも本校を志望する受験生の実力の高さ故でもあり、けっして簡単な試験だと思わないように。

基本は長文読解の技術を磨くことである。長い文章を短くする。つまり、重要点をうまく拾い上げ、解答の際にすぐに探し出せるようにしておくことが、速く読むことと同時に求められる

・段落の整理 形式段落を意味段落でまとめ、小見出しをつけておく。

・要点 各段落の最初と最後に特に注目し、傍線などで要点をマークする。慣れないと傍線だらけになってしまうが、基本的には一番大事な1文を選べるように練習する。

・要約・要旨 要点をまとめて要旨を把握する。日頃から、全体を要約する練習をしておくことは実力アップにもつながり、記述問題対策にもなる。字数を決めて書いてみるとなお良い。

・場面分け 時間・場所・人物の移動などで場面の変わり目をマークしておく。

・心情把握 人物の言動や情景から、気持ちを読み取る。特に気持ちに変化があった場面は問題になりやすい。

・主題 全体として、誰のどんな気持ちを描いた話なのかを考える。

全体を読み返す時間は無いと思われるので、一度の読みで手際よく重要点に目星をつけなければならない。

先にも述べたように、問題自体は特別な難問ではないので、手をつけられれば得点出来る可能性は高まる。そのためにも、時間内に全体に目を通せるスピードが必要になるのである。

平均点が高いので、わずかなミスでも差がついてしまう。過去問を十分に活用して、速く読み正確に答える訓練を積んでおきたい

毎年ではないが、詩の読解も出題されている。出された時に慌てないように準備しておきたい。

漢字・知識問題

漢字の読み書きが5~6問、接続詞・四字熟語・慣用句・漢字の知識(画数・部首)などの言語事項が数問、出題される。かつては、文学史の問題も見られた。

幅広い分野を、学習しておきたい。

記述問題

今年度は最後に短文の記述問題が追加された。与えられた文章を利用して答えられる問題であったが、今後も続く傾向なのか注意しておこう。

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2022年度「浦和明の星女子中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

論説文・物語文で計15000字ほどにもなる長文を、まずは読み通さなくてはならない。分速700字として20分ほどで目を通すことができれば、総解答数38問の問題に30分かけられる。かなりの速さだが、ひととおりすべての問題に手をつけるためにも、この速さを会得したい。設問も字数が多いのでここでも時間がかかる。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:17分
  • ★必答問題

外見で自分自身を判断してもらうことは社会では必要なことだとしながらも、互いの「ちがい」を認めるような新たな価値の創造も大切であると論じている。

問1 a. 注視  b. 典型

問2 【Ⅰ】 「類型」は蓄積してきた「知識在庫」に依存している、とある。続く文章でまた「類型」は「常識的知」から構成されるとも書かれており、知識在庫=常識的知であることがわかる。

   【Ⅱ】 「類型」→パターンと言い換えられる。

   【Ⅲ】 「外見」から「内実」を推測しようとする一つの例として、就活学生の「人間性」についての言及がある。

問3 X.  前段落の内容の実例として電車内の行動が挙げられているので「たとえば」。

   Y. 直前の「焦点を合わせない見方」についてまとめているので「つまり」。

問4 「膜を破る危険を回避する」とは他者との一定の距離を保ち踏み込みすぎないようにし、他者からも踏み込まれないという意味であろうから、選択肢アが合う。

問5 (1) 法律で決められているわけではないが、社会で生きる上で守るべきマナー・「エチケット」という意味であろう。

   (2) 「他者の私的世界を侵犯しないこと」とあり、他人の邪魔にならないようにするという意味であろうから選択肢がよい。

問6 (1) 「外見を整えること」で「自分がどのような存在であるかを相手にわからせようとする」ことを、「印象操作」する営みだと述べている。

   (2) 「相手にどう見てもらいたいか」が問題なので、選択肢オは当てはまらない。

問7 ここは「偏見による決めつけ」といった意味であろう。「普通」から外れると非難されてしまうような状況を「普通の呪縛」と表現している箇所がある。

問8 イ. 最後の段落で「ちがい」を認める新たな価値や図式を創造することも大切だと述べられているので合致する。

   エ. 「普通」とは空気のようなもので一生付き合わざるを得ない、とあるので合う。

【大問二】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:23分
  • ★必答問題

タイラと大ばあちゃんの価値観に共感している主人公だが、そこにさつきが加わることで世界が広がり、それまでの自分の世界のある意味での狭さにも気づくことができた。

問1 a. かくする―― はっきりと分ける。

   b. しょうじ

問2 比喩が自分の実感と「ぴったり」合っていたということであろう。

問3 【1】 「コイツ」という呼び方には「反発・反抗」の気持ちが読み取れる。

   【2】 タイラが大ばあちゃんの言葉を体現してくれていることに「甘い親近感」を覚えている。

   【3】 「世間が分けている物事を行ったり来たり」する「自由」がタイラにはあると主人公は考えている。

   【4】 「自分なんかとつながってよい存在ではない」のでコメントや「いいね」も押さないのであるから、「尊敬・崇拝」などの言葉が思い浮かぶ。

問4 この時主人公は、境界線を越える自由という価値観が自分を通してさつきにも伝わったと思い、価値観を共有できる「喜び」を感じたのだと考えられる。

問5 タイラのライブ配信を観た感動をさつきに伝えて、さつきも共感してくれた。そのことを「押し出した小舟が、やさしく押し戻されたよう」だと例えている。

問6 それまで夢中になって遊んでいたおもちゃに急に興味をなくして見向きもしなくなる、という状況が想像できるので、選択肢ウが良さそうである。

問7 (Ⅲ)に注目すると、この場面で主人公は「さつきが屋根裏に来なくなったらどうしよう」「大ばあちゃんを嫌いになったらどうしよう」と「不安」を覚えているので、選択肢に絞ることができる。(Ⅳ)の場面ではさまざまな感情が入り混じっているので「困惑」が合うので、選択肢が選べる。

問8 ウ. 「傷ついた友人(主人公)の気持ちを救うため」ではないだろう。

問9 大ばあちゃんが奥宮にいきたがったのは自分が初日の出を「見たい」からではなく、タイラやさつきに「見せてあげたい」からなのだと気づいた場面である。

問10 【ア】男らしくないことを親族から非難されてきた主人公にとって、「樋口の男」という言葉が重荷になっていたのだと読み取れる。

          【イ】それまでタイラと大ばあちゃんの価値観という「境界線」の中で守られていたが、そこにさつきが入ってくることによって「境界線」がさつきをふくめて広がったような感覚を覚えている。

          【ウ】「てれくささ」が「くすぐったい」ということばに表れている。

【大問三】感想文・記述問題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

大問一大問二の内容も踏まえて、新聞に載った文章とそれを読んだ感想文を読んで共通のテーマについて考える。

問1 【ア】 直前の性別でランドセルの色がなんとなく決められてしまうという例から、「固定観念」という言葉が考えられる。

   【イ】 大問一の文章の中で、外見を整えることで印象操作し「自己呈示」することが書かれている。

   【ウ】「偏見」から「色メガネ」という語が連想できる。

   【エ】外見で人を判断することが「差別や排除」につながる場合があることが大問一の文章で示されている。

問2 大問二の文章において、Aさんの意見を「体現」しているのはタイラである。

問3 資料で示されているのは、通常「多様性」はありのままの自分でいていい(人にそう認めてもらいたい)という解釈だが、それは相手の「多様性」を自分がどう考えているのかという問いを突き付けられていることにもなる、ということである。自分の「多様性」にとらわれてしまっている「認めたくない」自分が「自身の奥」にいるのではないか、ということなのである。

問4 問1~問3を踏まえて考えると、透風はさつきと触れ合うことで、それまで自分が大ばあちゃんとタイラという二人の価値観の狭い世界に安住していたのだと気づかされて、「認めたくない自分」と「出会い直した」のだと解釈できる。

攻略のポイント

文量も多く、平均点も高い大変な試験であるが、極端な難問にはなっていないし、選択肢問題などは得点しやすいものも多い。時間切れで手をつけられない問題が残っては大いに不利である。過去問を多くこなし、ひととおり最後まで終えるペース配分をつかむこと捨て問題を作るほどの余裕は無いと思ったほうが良い。数問のミスで明暗が分かれる試験でもあるので、50分間集中を切らさない持久力をつけたい。

また、詩の読解が出る可能性は常にあるので、油断せずに取り組んでおくこと

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