浦和明の星女子中学校 入試対策
2020年度「浦和明の星女子中学校の理科」
攻略のための学習方法
理科知識の重要性と実験観察・データの読み取り問題
理科は一応理系科目であるが、中学受験理科の決め手は理科知識である。
計算問題で出題されるのは9割方いつかどこかでやった典型問題だ。しっかりやっている受験生の中では差がつきにくい。
それに対して理科知識はまず、どこまでということがないので、出来うるだけ頭に詰めていかないといけない。よって、また、対策には時間がかかるということだ。ここは心してほしい。暗記だから直前に、などといっているレベルではない。
対策としては一問一答式の問題集を使用してほしい。できればそれを数年かけて何回も繰り返したいところだ。勉強の基本は繰り返し、成績上位生も意外と理科知識は基本問題でもおろそかにしている受験生は多い。
逆にいえば、知識の完成度を上げることで十分成績は上がりうるということだ。これはあまり受験生には浸透していないようだ。理科は知識だといっていいくらい、社会くらいに憶えることに重点を置いてもいいと思っている。
しかし、この一問一答式の問題集を使っての知識の勉強は、気をつけてほしいことが一つある。決して丸暗記してほしくないのである。
もちろん、植物や星座の名前など、丸暗記するしかないものもある。しかし、小学生に暗記させると意味も全く考えずに本当の意味で丸暗記してしまっている受験生が結構いるのである。
例えば今年の問題だと、大問1の問5の浮沈子の浮き沈みの原理であるが、密度や浮力の一般的な問題の解法の丸暗記では難しいであろう。浮くということがどういうことか理解していないといけないのである。
よって、一問一答式の問題集で暗記だから、小学生一人でやらせているのはとても危険なのである。必ず、大人が、その語句の意味、答えの理由を受験生に説明させてほしいのである。答えが言えればOKでは、入試に耐えうる知識にはなっていないのである。受験生自身の言葉で、その語句なり、答えの理由を説明できて初めて入試に耐えうる知識になるのである。
理科の計算問題は全て典型問題
確かに全てが典型問題と言うのはいいすぎであることは間違いないのであるが、理科の計算問題の勉強はそのスタンスで臨んでほしい。受験が近づいてきたからといって、難しい問題を解こうとはしないでほしいのである。
基本的には6年の前半まででやった計算問題ができているかどうかが合否の分かれ道である。
入試問題の難しい、あまり見たことのない問題を解いても悪くはないのであるが、それができるように一生懸命何度も繰り返すようなことはしてほしくないのである。そこは差がつかない。差がつくのはあくまでもいつかどこかでやったことがある、さらに言うと何度もやったことのある典型問題なのである。受験が近づくと難しい問題をやりたくもなるのであるが、そこは注意してほしい。
そうなので、理科の計算問題は対策が非常に立てやすい。もし、苦手感を持っているようであれば、計算問題を集中して計画立てれば、1ヵ月くらいで大きく伸びるはずだ。
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2020年度「浦和明の星女子中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
与えられた時間は社会と理科あわせて50分で、理科の分量は大問が4、小問が20。
理科に使える時間をその半分とみると、例年出題される問題のレベルと分量から本校の受験生層に対しては適量かやや余裕が持てる内容といえる。設問によってユニークなものも若干含まれてはいるものの難問とは言えず、オーソドックスな勉強法でも合格点までは十分に狙える。
【大問1】ものの運動
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
レール上をころがる小球の運動に関する問題で、表などで数値を与えられはするものの実際に計算を行わなくてはならない設問はなく、加速度運動と等速運動の区別がついていればそれほど難しい問題にはなっていない。
しかし後半に進むにつれて実験は複雑になり、選択肢問題も「もっとも適当なものを選べ」と「適当なものをすべて選べ」の二通りがあるので完全に正解のみを並べるのは容易ではない。ものの運動の知識を確認する意味でも良問になっている。
【大問2】金属の溶け方
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
こちらの金属の溶け方を扱った大問は今までに何回も解いてきた感がありありの典型的な大問になっていて、受験生としては落ち着きを取り戻すところだ。
問3からの計算問題が点数の差がつきやすいところと言えるだろう。
問3では「塩酸Aの2倍の濃さの塩酸」をうまく処理したいところで、塩酸Aの場合を考えてあとから数量を半分にすればよい。
また、問4では塩酸Aと鉄片が「過不足なく反応する」数値ではないので、あまった塩酸または鉄片から残った固体をうまく引き出せるかがポイントとなる。塩酸Aが残ってもそこから固体は残らないので当然鉄片のほうが残る、という問題になっている。鉄が塩酸と反応してできる固体の重さと反応しないで残ってしまう鉄の重さを加えて正解までぜひ持ち込みたい。
【大問3】葉のはたらき
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
葉の基本的なはたらき3つのうち、ここではおもに「光合成」について問われているわけだが、小さな試験管から始まって、途中から日本の森林、さらに地球規模の設問へとスケールアップしていく壮大な構成になっている。
ただし問われている内容はきわめて基本的なもので、後半に至っても図2のグラフはご存じのものであろうし、最後の記述問題も簡単に見当がつくレベルである。
むしろ前半の問いのほうに個性があると言えよう。できれば全問正解して進みたい。
【大問4】日食
- 難度:標準
- 時間配分:6分
本年度はひさしぶりに天体からの出題となり、その中でも近年とみに出題が増えている「日食」を中心に据えている。
日本では2012年の「金環食」、明の星のテストよりはあとになったが2020年の「部分日食」とこの現象に恵まれたこともあり、受験生もこの内容に関しては十分な知識を身にまとって試験場に現れたのではないかと予想される。
とすれば問3までは容易に正解を準備できると思うのでテストの勝負どころは問4・問5の2問に集約される。本年度のテストでもこの2問が最も難しい。どちらの設問もふだんお目にかかったことがないものなので十分に知恵を働かせて選択肢をしぼっていこう。
攻略のポイント
本年度の問題は昨年度に引き続いて平易な設問が多く、【大問2】における計算問題と【大問4】の後半がやや手こずるくらいで全般として大変に取り組みやすい内容になっている。以前の問題によく見られた「大長文問題」や「難度の高い計算問題」は姿を消している。
少なくとも理科に関しては基本的の知識を中心に標準問題まで手を届かせておけば合格点は十分にとれることだろう。
その合格点は例年はかったように35点/50点くらいなので、これも困難な数値ではあるまい。受験時代に解いていた問題集のほうがよほど手を焼いたに違いない。
とは言うものの、基本知識は十分に整理されておりいつでも頭の中から探し出せ、その上で水準以上の力がなくては合格点には届かない。受験生としてしっかりと努力を重ねた上で本番に臨もう。
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