浦和明の星女子中学校 入試対策
2021年度「浦和明の星女子中学校の理科」
攻略のための学習方法
理科知識の重要性と実験観察・データの読み取り問題
理科は一応理系科目であるが、中学受験理科の決め手は理科知識である。
計算問題で出題されるのは9割方いつかどこかでやった典型問題だ。しっかりやっている受験生の中では差がつきにくい。
それに対して理科知識はまず、どこまでということがないので、出来うるだけ頭に詰めていかないといけない。よって、また、対策には時間がかかるということだ。ここは心してほしい。暗記だから直前に、などといっているレベルではない。
対策としては一問一答式の問題集を使用してほしい。できればそれを数年かけて何回も繰り返したいところだ。勉強の基本は繰り返し、成績上位生も意外と理科知識は基本問題でもおろそかにしている受験生は多い。
逆にいえば、知識の完成度を上げることで十分成績は上がりうるということだ。これはあまり受験生には浸透していないようだ。理科は知識だといっていいくらい、社会くらいに憶えることに重点を置いてもいいと思っている。
しかし、この一問一答式の問題集を使っての知識の勉強は、気をつけてほしいことが一つある。決して丸暗記してほしくないのである。
もちろん、植物や星座の名前など、丸暗記するしかないものもある。しかし、小学生に暗記させると意味も全く考えずに本当の意味で丸暗記してしまっている受験生が結構いるのである。
例えば今年の問題だと、大問1の問5の浮沈子の浮き沈みの原理であるが、密度や浮力の一般的な問題の解法の丸暗記では難しいであろう。浮くということがどういうことか理解していないといけないのである。
よって、一問一答式の問題集で暗記だから、小学生一人でやらせているのはとても危険なのである。必ず、大人が、その語句の意味、答えの理由を受験生に説明させてほしいのである。答えが言えればOKでは、入試に耐えうる知識にはなっていないのである。受験生自身の言葉で、その語句なり、答えの理由を説明できて初めて入試に耐えうる知識になるのである。
理科の計算問題は全て典型問題
確かに全てが典型問題と言うのはいいすぎであることは間違いないのであるが、理科の計算問題の勉強はそのスタンスで臨んでほしい。受験が近づいてきたからといって、難しい問題を解こうとはしないでほしいのである。
基本的には6年の前半まででやった計算問題ができているかどうかが合否の分かれ道である。
入試問題の難しい、あまり見たことのない問題を解いても悪くはないのであるが、それができるように一生懸命何度も繰り返すようなことはしてほしくないのである。そこは差がつかない。差がつくのはあくまでもいつかどこかでやったことがある、さらに言うと何度もやったことのある典型問題なのである。受験が近づくと難しい問題をやりたくもなるのであるが、そこは注意してほしい。
そうなので、理科の計算問題は対策が非常に立てやすい。もし、苦手感を持っているようであれば、計算問題を集中して計画立てれば、1ヵ月くらいで大きく伸びるはずだ。
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2021年度「浦和明の星女子中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
与えられた時間は社会と理科あわせて50分で、理科の分量は大問が4、小問が25。
理科に使える時間をその半分とみると、例年出題される問題のレベルと分量から本校の受験生層に対しては適量かやや余裕が持てる量といえる。設問によってユニークなものも若干含まれ、正確な計算能力を必要とするものも存在する。とはいえ、オーソドックスな勉強法でも合格点までは十分に狙える。
【大問1】電熱線
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
長さや太さがそれぞれ異なる4本の電熱線を使って、電熱線に関する基本的な性質を解いていく問題で、その水準は「易」から「標準」レベルのもの。ただ、所要時間を6分と考えた場合、迅速な処理が必要となる。
電熱線Aの長さ・太さをそれぞれ1として、電熱線B・C・Dの長さ・太さにもそれぞれの数値を与えると解きやすくなる。Aより長い長さは2、Aより太い太さは2としておけばよい。また、表2・表3からは温度変化を読み取るのでそこでミスをしないよう。
問4は設問自体も長く処理に時間がかかるため問3までをできるだけすばやく解いておきたいところ。
答えのミスは1つか2つにとどめたい。
【大問2】食塩とミョウバンの溶け方
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
昨年度は金属の溶け方だったが、本年度はおなじみに物質の溶け方に関する問題で、問1・問2はそれぞれの物質についての基本的な知識問題、問3からは計算を要する問題となっている。
問3は簡単な計算ですむ設問だがとりあえずア~カまですべて計算しないといけないので少々面倒だ。すべて選べ、ということからもやむを得ない。
問4は水の重さを50gに代えて、ミョウバンをすべて溶かすのに必要な水量を求める問題で解き方はやさしいものの割り切れない計算になるので四捨五入で間違えないようにしたい。
問5は水の重さを300gに代えればよいのでむしろ問4よりやさしくなっている。
問6は問題文を読み間違えないようにしたい。できたミョウバンの「水溶液が100g」
を扱った大問は今までに何回も解いてきた感がありありの典型的な大問になってなのであって「水が100g」ではない。60℃の水に溶けるミョウバンと水の重さの比を求めるなど難易度の高い計算問題になっている。当校の受験生であれば受験勉強時に解いた経験がある内容だと思うが問4よりもさらに処理が複雑になっている。できれば理科での合格点が十分に見えてくる。
【大問3】食物連鎖
- 難度:易
- 時間配分:4分
- ★必答問題
カンジキウサギ(被食者)とカナダオオヤマネコ(捕食者)という耳慣れない動物を使っての生物の大問。しかし、問われている内容は「食物連鎖」についてのきわめて基礎的な知識の確認といったレベルだ。図3のグラフにしても、プランクトンの増減などで経験済みのはず。問3の「標本調査」の問いも簡単な割合の問題として処理できる。問4は生徒それぞれの仮説の正否を問う設問で面白いものではあるものの常識の範囲内で十分に解くことが出来る。この大問は全問正解しておきたい。
【大問4】オリオン座の見え方
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
2年続けて天体からの出題となった。本年度はおなじみの「オリオン座」に関する大問。
問1・問2は基本的事項の確認である。しかし、問2では半球を12等分しているので、いつもの調子で「2ヶ月で2つ動く」とやってしまうとしっぺ返しを食う。ここでは「2ヶ月で4つ動く」+「1時間で1つ動く」である。どちらへ動くかは言うまでもない。
問3は南半球における「オリオン座」の見え方なので解いた経験がないと手を焼く。(a)は、星座の上下左右が反対になるので図1の図をうまく利用したい。(b)では「南半球では、星は東から出て北を通って西に沈む」を思い出したい。アかオか迷うところか。
(c)はそのオリオン座が沈むときの絵を選ぶもので、どうみても間違っている記号を排除してから選ぶとよい。
攻略のポイント
本年度の問題も昨年度・一昨年度同様「易」~「標準」レベルの設問が多く、【大問1】【大問2】の後半に手間のかかる設問や計算問題が含まれているものの全般としては大変に取り組みやすい内容になっている。それ以前、4年以上前のテストによく出題された「大長文問題」や「難度の高い計算問題」は本年度も見られなかった。
少なくとも理科に関しては基本的の知識を中心に標準問題まで手を届かせておけば合格点は十分にとれることだろう。
その合格点は少し下がって30~32点/50点くらいなので、これも困難な数値ではあるまい。
また、当校の場合、前半に物理・科学の大問、後半に生物・地学の大問が配置されることが多いので、本番ではそれを確認した上で後半の大問から解き始めた方が時間を上手に使えると思う。
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