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浦和明の星女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「浦和明の星女子中学校の理科」
攻略のための学習方法

浦和明の星女子中学の理科の満点は50点、例年4分野から均等に出題される。基本知識や基本的な解法を利用すれば解ける問題と、応用力が要求される内容がバランスよく配置されている。記述問題や図を描く問題は見られない。本校受験者は、まずはテキスト等で学習した基本知識や基本知識を確実に定着させること。その上で、秋以降は演習を通じて知識の運用の練習を行って欲しい。計算問題を含めた多少難度の高い問題の演習にも力を入れること。社会と合わせて50分という不規則な時間設定だが、理科だけで25分と考えるとテスト時間は長くはない。過去問等時間を意識した問題演習も十分に行って頂きたい。各分野の学習方法は以下の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野 本年はウキクサの増え方に関する出題で実験結果の読み取りと考察が中心の出題であった。近年では、小笠原諸島の外来種・生物の個体数の変化・植物の働き等の出題が見られる。知識に加え、問題文やデータの読み取りと考察を必要とする問題が多い。この分野の学習法としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけて頂きたい。その上で、過去問と同タイプのデータや問題文を読み取って答える問題の演習にも力を入れて欲しい。

地学分野 本年度は月や星の動きなど天体についての総合問題であった。黄道・天の赤道など日頃の学習だけでは考えにくい内容も含まれていた。近年では、太陽の動き・星の動き・日食・太陽の動きと気温の変化等に関する出題が見られた。天体に関する出題頻度が極めて高い。今後も天体について出題される可能性が高いと思われる。この分野の学習として、天体については、単なる丸暗記ではなく、地球の自転と公転・月の動きについての理解をしっかり行うことが大切である。また、月食・日食・金星や火星等惑星の動きについての出題も十分想定される。知識の幅を広げ、演習を十分行うことを心がけて欲しい。なお、気象・岩石など他の単元の学習も怠らないこと。

物理分野 本年はてこのつりあいについての出題であった。近年では、温度と空気の体積・電熱線による発熱・ものの運動・磁石等の出題が見られる。この分野の学習として、まずは出題される可能性が最も高い力のつり合い(てこ・滑車・輪軸・振り子・浮力な)についての計算問題演習に力を入れて欲しい。その他では電気(豆電球の明るさ・電磁石・方位磁針の振れ・電熱線の発熱)に関する単元に力を入れること。

化学分野 今年度は水の三態変化についての出題で、やや難度の高い計算力が必要な問題も含まれていた。近年では水溶液の性質・ものの溶け方・金属と水溶液の反応・中和反応等についての出題が見られた。水溶液に関する出題が多い。この分野の対策としては、まずは気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化などについて基本知識を確実に固めた上で、計算を必要とする問題の演習に時間をかけて欲しい。特に、気体の発生・中和・金属の燃焼についての計算問題演習に十分時間をかけること。

浦和明の星女子中学で合格点を取れる力を身につけるためには、各分野の基本知識を早い段階で身につけ、実戦的な演習の時間をしっかり確保することが求められる。入試直前期は時間を意識した総合的な演習や過去問演習も必須である。
模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。

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2023年度「浦和明の星女子中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は社会と合わせて50分、満点は50点で例年通りであった。大問数は4題、小問数は20題程度。解答形式は記号選択・適語を答える問題・計算問題のみで、記述問題は見られなかった。理科に使える時間を25分と考えると、問題文の読み取りや計算問題に時間がかかることから、時間的には厳しい入試である。できる問題からてきぱきと答えていくといった心がけが大切になる。

【大問1】物理 てこのつり合い

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

問1 X×につるしたおもりの重さ=×につるしたおもりの重さ となるものを選択。
  
問2 問1で求めた重さの合計は60g。40×51÷60+40 より、74cm。
 
問3 (a)Fの中間のに40gのおもりをつるしたと考えると、点に40gをつるすとつり合う。
    (b)Aの20gとの40gをまとめて考えるとAPを2:1に分けるに60gと考えることができる。さらにの60gとの60gはまとめてに120gと考えることができる。最後に点の120とつり合う組み合わせを表から選択すればよい。
       
てこのつり合いに関する出題。問1問2は基本、問3では正方形の板におもりをつるすという設定で、同様の問題の経験値によって難度が変わってくるので、明暗が分かれやすい。

【大問2】化学 水の状態変化

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

問1 洗濯物が乾く・水が蒸発して減る現象を選択。

問2  (a)Bは液体と固体 は液体のみ は液体と気体 従って、液体が存在するのは
   (b)強い火にしても融点と沸点は変わらない。氷が融ける時間が短くなる。
 
問3   (a)表の結果より、(沸騰した温度-100)は溶かした砂糖の重さと比例していることがわかる。8.55×30÷13 より、四捨五入して19.73g。
   (b)1000gの水に砂糖を溶かして3%の濃さにするので、溶かす砂糖は3gではないことに注意が必要。水の重さが全体の97%になることから計算すると、溶かす砂糖は約30.928g。30.928÷8.55×0.13+100より、四捨五入して、100.47℃となる。

水の状態変化についての出題。問2までは基本的な問題で確実に正答すること。問3はきれいな数字設定ではなく、四捨五入も含め正確な計算力が求められる。表の結果の葉状体の枚数を平均すると、49枚になるので、49÷16より平均して約3倍。

【大問3】生物 ウキクサの増え方

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

問1 容器の直径を2倍にすると、水面の面積は4倍になるので、葉状体の枚数も4倍程度になる。直径ではなく面積の比で考えることに注意。
 
問2 表の結果の葉状体の枚数を平均すると、49枚になるので、49÷16より 四捨五入すると、平均して約3倍。
 
問3  (a)温度以外の条件(肥料の有無・光の当たり方)を同じにして実験する必要がある。
   (b)光の当たり方による違いを調べるので、それ以外の条件(肥料はなし、温度は10℃)をそろえればよい。
   (c)肥料あり、25℃、明るい場所に置いた時に最も増えると考えられる。
 
問4 選択問題だが間違いやすい。水は暖まりにくく冷めにくいので、温度を一定に保つための工夫と考えられる。
    
ウキクサの増え方に関する出題。実験結果の考察と計算問題。問1問4等で間違いやすいポイントがあるので注意が必要。

【大問4】 地学 天体

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

問1 三日月の日の月の位置を選択する問題。地球から見た時、月に光が当たって見える部分が明るく見える。
 
問2 地軸の北極側が太陽の方へ傾いているので、夏至の日にあたる。夏至の日の地球の位置を答えればよい。
 
問3 地球と太陽を結んだ線上にある星座のやぎ座が太陽と同じ方向に見える。
 
問4 (a)図において、春分の日と秋分の日に黄道と天の赤道が交わる。図より、春分の日の太陽の位置はうお座の方向でその後、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座と変化していく。
   (b)春分の日の三日月の位置と見え方を選択する問題。三日月の光る部分は太陽の光を受ける部分なので、地平線側に三日月を向けることになる。   
  
月・星の見え方を中心とした天体に関する出題。基本知識は当然必要となり、さらに、黄道と天の赤道の関係を、図を確認しながら理解できるかどうかがポイントになる。

攻略のポイント

テスト時間は社会と合わせて50分で50点満点。合格者平均点は「33.1点」ここ何年かの中では比較的得点しやすい入試であった。各大問の前半はてこのつり合い・水の三態変化・天体の動きなどテキストなどで学習してきた知識や解法を使えばそのまま得点につながる問題が多く、各大問の後半はやや発展的な内容が盛り込まれている。今年度の入試では大問4の天体に関する設問の中にレベルの高い問題が含まれていた。

本校理科の攻略の最大のポイントとして、まずはテキストに書かれてある基本的な知識や解法を早い段階で確実に定着させることである。天体や水溶液など頻出単元はもちろんのこと、すべての単元の基本問題は確実に処理できるというレベルに早い段階で仕上げたい。秋以降はその知識や解法を使う演習に時間をかけたい。

本校入試は社会と合わせて50分という変則的な時間設定になっている。入試直前期には過去問を中心に時間を意識した演習は必須である。

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