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浦和明の星女子中学校 入試対策

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2022年度「浦和明の星女子中学校の算数」
攻略のための学習方法

[問題を解くスピード]

1月受験校の中にあって、難易度女子校ナンバーワンを誇る浦和明の星中学の算数。どのような対策を施せば合格ラインを突破できるのか。
明の星のテストで試されている2つの大きなポイント、これは早いうちにクリアしておかなければならない。
それは「問題を解くスピード」「標準的な問題における正答率の高さ」である。

まずは、「問題を解くスピード」。
与えられた時間に対する設問数から見て、1問に2分はかけられない
過去問対策を始めてみて最初に感じることは、時間が足りないということであろう。
算数の問題を解くにあたり最も大切なことは「正しい答えを導くこと」で、それは誰でも分っていることだろう。しかしテストの場合にはそこに制限時間内でと言う条件が加わる。正しい答えを出せても、あまり時間がかかってはテストにおける勝者にはなれない。
実際、明の星の問題をみてみると、前半はそれほど難易度の高い問題は出てこない。受験勉強をしっかり積んできた生徒であれば、既視感のある問題が半数以上あるだろう。また、見たことがないような問題であっても、解いていけば、やはり解き方に覚えがある問題がほとんどだと思う。しかしこれらの設問を2分以内で 解くとなると、やはりきつい作業になる。一行問題とはいっても問題文を読む時間、解くための作業にはそれなりの時間がかかってしまう。通常の感覚であれば 最低3分は欲しいところだ。
しかし、それでは合格は果たせない。3分を2分、いやできれば1分台で消化していけるようにしていかなくてはならない。
どうすればよいか。ことじっくり考えて正解を出す「深味のある生徒」には深刻な問題である。
それは、問題を解くにあたり、コンパクトな解法と自覚的に早く作業をするという訓練が必要だ
そもそも女子最上位校の算数は、速読即解型の学校が多く、明の星もその代表の一つである。だから、2月校対策も兼ねてのスピード練習は必然的に大切であるということになる。

[省略]

コンパクトな解法とはすなわち、無駄の少ない解き方ということだ。
女子の受験生の中には、問題文を読んで、表などに数値をまとめ、式をていねいに書き、計算も生真面目に行って、きれいに解答を書くという生徒も多いだろう。また、それは受験生として褒められてきたスタイルである。読めない字を書き、自分だけにしか分らない式のようなものから答えだけひねり出してくる生徒に比べればよほど模範的な解き方と言える。
しかし、その方法では今回は間に合わない。どこかで省略できる部分を作りたい。
過去問対策のはじめのうちは時間不足でもよい。
そのうちだんだんと質・量になれてきたら、「条件反射的に解ける」問題では、作業を少しずつ省いてみよう
はじめはミスを生むだけで正答率の低下を招くかもしれないがそういう時期も必要になる。でない限り、人の倍の速さでは解けないもの だ。ていねいにやることは無駄ではない、とても大切なことであり、普段の勉強の中では継続していきたい。しかし実践的な立場に立った場合には、もう一つの 顔「速読即解」スタイルが必要となる。
しかもあくまでも、自覚的に行うことが必要だ。マイペースという言葉に甘えず、「早く正しく解く」ということを念頭に置いて問題にあたろう。
しかしそれも、「標準的な問題における正答率の高さ」が伴っていなければ何もならない。模擬テストにおける前半3分の2までの問題や、偏差値60レベルの問題は早いうちに自分のものにしておきたい。
典型的問題が出されて一から考えているようでは合格はおぼつかない。
全範囲、すべての単元において実力の底上げを図っておこう。

[推理・速さ・水そう・割合と比]

次に、明の星の後半の問題について考えてみよう。
大切な単元は次の4つである。
「推理する問題」
「速さの問題」
「水そうを使った問題」

「割合と比の問題」
これらの分野が来年度以降すべて出題されるとは限らないが、複数問出されることは間違いないところだ。

「推理する問題」は、明の星の特徴ともいうべきところで、場合の数の色合いが濃い場合もあるがやはり推理させる要素が入っている。
この手の問題は、問題文自体が長くなりがちなので、前半の即解で貯金した時間を十分に使ってしっかりと与えられている条件を頭の中に入れることだ。「ああ、 わかった、わかった」と早合点して始めてしまっても、計算が要らない問題においては勘違い(計算があると意外とミスに気づきやすいものだ)、または完全な 解答に至らないことがままある。
次に今まで練習してきたどの問題に近いかを考え、解き方をチョイスする
そして問題を解いていくわけだ が、算数ができる子にありがちなタイプ、早急に答えを求めないで、条件に合わせて答えを探していくという姿勢が必要だ。すぐ答えが出ないものでイライラする場合もあるだろう。しかし、推理算は得点を重ねておきたいところである。試行錯誤しながらも解答にたどり着きたい。

「速さの問題」では、旅人算と他の文章題との融合に注意したい。数の性質・規則性・グラフなどがそれにあたる。また、速さの問題でも条件が複雑な場合が多いので、あせらず問題の意図 をよく理解して解法にあたりたい。ただ、設問によってはかなり難易度が上がるときがある。そういった場合、うまくみきりをつけて解ける問題に時間を費やすのが賢いやり方だ。

「水そうを使った問題」も狭い範囲ながらよく出されている。仕事算風なもの、図形的に解くもの、いずれにせよ受験生が苦手としやすい内容だが、少なくて典型的な出題には対応できるよう、力をつけておきたい。

「割合と比」は範囲も広く、また、入試問題としての歴史も長いので、どうしても難易度自体が高いという傾向にある。普通の問題では誰もが解けてしまうからだ。慣れているようで、初見に近い問題が出されることもあろう。問題文を理解した上で、解けそうな設問にはつきあう、 作業があまりにも煩雑そうであればパスするという見極めが必要になる

[まとめ]

以上、明の星の算数について述べてきたが、受験生にとって厳しい要求であることは百も承知している。
実際、前半を20分で通過し、後半に時間を費やすということは言うは易しだが、行動するとなると大変である。
しかし合格ラインが60%,問題の易しい年だと70%という高い水準でのテストである以上、受験生もまた高みに登らなくては合格はあり得ない。自らを奮い立たせてがんばろう。
残された時間をそれこそ無駄なくコンパクトに使って、浦和明の星合格をつかみ取って欲しい。

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2022年度「浦和明の星女子中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が22
設問数は例年20問台で、【大問1から【大問3までの問題は標準的に解きやすいものが多く、後半の【大問4】【大問5は後半の設問に難易度高いものが含まれる。本年度も完答は無理としても、合格点(70点程度)を目指すのであればそれほど時間不足におちいると言うことはなかっただろう。ただし学校自体の難度が示すように、合格最低点は比較的高めであり、この水準の問題を効率よく正解しかなければならないので並の実力では対応できない。2月校のような圧倒的なスピードを要求されるわけではないものの、「早く、正確に問題を解く」は最低限要求されるスキルだ。

【大問1】計算・仕事算・百分率・立体図形・倍数算・点の移動・平面図形と比

  • 難度:
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

(1)の計算問題から(7)の平面図形と比まで、さまざまなジャンルの問題が並ぶ。本年度は最後の(7)以外は「易」レベルの水準であったので、この【大問1】を長くて20分、できれば15・6分くらいで通過したい。不正解も(7)しかもだけにとどめたいものだ。
(2)は「仕事算+つるかめ算」の典型問題。仕事量を比を使って整数値で表せれば瞬殺問題。
(3)割合を複数回使う、いわゆる「割合の合成」の基本問題で、おそるおそる解いてはみると何のことはなく終わったしまう問題だ。
(4)は立体の切断ではあるものの切断面が「等脚台形」ということで安堵する。しかしこの切断面を正面方向からみた形を図示するのは新規に近い。できあがりは難しい図形ではないものの典型問題。ではないので引っかかってしまうかもしれない。
(5)は基本的な「倍数算」で、最終的な比1あたりの値をしっかり求められれば問題はない。(1)(2)(3)と並び落としてはいけない問題。
(6)は図形の回転移動やや応用レベルの問題であるが、明の星受験生ならば解いた記憶もあろう。円の中心が2種類のおうぎ形(弧)を描くというもの。中心角をじょうずにまとめて計算を簡素にできればなおよろしい。
(7)でははまだしもは手数もかかるしあまり深入りしたくない設問となった。では「長方形の対角線」という部分を旨く利用したい。が解けていないと求めることは出来ないので、次にうっすらと見えている【大問2】に飛び移っても文句は言われまい。
本年度【大問1】では、(7)②以外はできればすべて正解しておきたい。

【大問2】速さと比

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

明の星の算数では最重要分野の一つと言える「速さ」の大問で、しかも旅人算風味なのでさぞかし難しかろうと思っていると意外に素直な問い、素直な数値で助かった。
ダイヤグラムを書くまでもなく線分図で十分処理できる内容であったのでここはぜひ正解して次に進みたい。

【大問3】水量と比

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

こちらも例年見かける「水量と比」の問題だが本年度はこの問題の出来不出来が合否を大きく分けたと考えている。もちろん、設問一つあたり難易度は【大問4】【大問5】の後半の方が難しいものの前半の問いには救いがあるし求めやすい。この【大問3】のやっかいなのは(1)が解けた生徒は(2)も同時に解けてしまうし、(3)では(2)までに求めた数値を使わなければ求められない。つまりAll or Nothing(全か無か)で点差がつきやすくなっていることだ。昨年度も同じような内容が見られたので今後も要注意な分野である。
アプローチの仕方に新しさがある問題で、Aの高さが半分になったときBとの差は6cm、Aが満水まであと9cmのときにはBとの差は9cmと広がっているので、A・B間の差が同じペースで広がっていると考えると、Aの高さが半分になったときとそのあとの状態になったときの時間の比が分かり、そこからプールの高さと底面積の比を一気に求めていくという感じになっている。素直に求めていくと(2)から求まるので(1)ができない…で止まってしまうと苦戦を強いられてしまう。どうしても設問の早い順から求まることがほとんどなのでフレキシブル(流動的)に考えられた生徒に凱歌が上がったことだろう。

【大問4】平面図形の移動

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

全体の難易度としては「やや難」としたものの、(1)は「易」、(2)は「やや難」、(3)は「難」レベルなので、最低でも(1)は解けておきたい。というか解けるだろう。
(2)からは細かい作図が必要となるので工夫が欲しい。たとえばQの図形が圧倒的に大きいのでこれは底辺の部分だけ書いてあとの2つの正方形・長方形のみを平面図形として書いてみる、などだ。それでも易しい問いではないので(2)が出来れば上出来、(3)ができれば将来への展望は明るい。

【大問5】場合の数

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

最後の大問は(1)は当然として(2)①まではしっかりと正解しておきたい。
(1)は「易」レベルの問いなのでていねいに書いていけば解ける。
(2)①では、4から13に2回で増えてしまうにはこの増え方しかないではないか、と考えると解けてしまう。
も難しくはないものの複数の数字が入るので全部あてるのはなかなかのもの。
(3)では、数字の書き出したをすべて答えなければならないところは昨年度の最終問題に似ている。難易度は高く作業に手間がかかる問題なので残された時間がそう多くない場合は、【大問1】にもどって見直しの時間に充てるのが賢明かもしれない。

攻略のポイント

例年どおり,すべての設問を難易度別に5段階に分けてみた。おおよそ、こんな具合の分類である。
◎…必ず正解しておきたい問題
○…やや難易度は上がるが合格するためにはあてておきたい問題。
△…容易に解ける問題ではない。できればあてておきたい問題。
▲…難易度が高いまたは短時間では解けない。実力者向き。
×…捨て問。

これを当てはめてみると、
◎…【大問1】(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)①【大問2】(1)(2)【大問4】(1)【大問5】(1)
○…【大問1】(7)①【大問4】(2)【大問5】(2)①
△…【大問3】
▲…【大問4】(3)【大問5】(2)②
×…【大問5】(3)
このうち◎と○の設問をすべて正解できれば余裕で合格者平均を超えることが出来る。
本年度は上記の分析を見る限り、合格か否かの差を分けたのは【大問3】にあったと考える。他の大問に比べると、点差が開きやすい問題であった。【大問4】以降の後半はできればバンザイという難易度である。
よって合格するためには◎・○の問題を解ければ十分であるものの【大問3】はしっかり復習しておきたい。一昨年度・昨年度に引き続き全体のレベルは標準的である。
浦和明の星の場合、難関校特有の難問はあまり見当たらず、標準的な問題での正答率が重要視される。普段から中程度の問題を多く解き、分野によって苦手な分野を作らないという姿勢が大切である。

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