青山学院横浜英和中学校 入試対策
2024年度「青山学院横浜英和中学校の国語」
攻略のための学習方法
〇[問題構成]
大問は5つ。大問1・2が漢字の読み書きや熟語・慣用句など、大問3が文章を並べ替える文脈の問題、大問4が説明的文章の読解、大問5が文学的文章の読解、というのがここ数年の定型となっている。
説明的文章約2500字・文学的文章約8000字の計10000字ほどの文量(2024年度)があり、これに並べ替え750字ほども加わるので、速読が求められる。
問題数は35問ほど。選択肢と書き抜きが中心で、記述問題は2~3問、説明的文章・文学的文章どちらの分野でも出題されている。字数は20~80字ほどの指定があるが、マス目が無い問題では多少の増減は許される。
〇[説明的文章の読解]
論説的随筆文や説明文がよく用いられている。分野は人文科学や社会科学が多い。内容はそれほど難解なものではないが、約2500字(2024年度)あり抜き出す箇所や要点・要旨を探すのにも範囲が広い。読解を進めながら重要点や答えになりそうな部分に目星をつけて傍線を引いておくなど、手際よく正解を見つける工夫が必要である。
論説的文章の読解のこつをつかんでおこう。
段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。
要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。
要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。
〇[文学的文章の読解]
小説の出題が多い。主人公が小学生~高校生くらいに設定されている話がよく用いられており、受験生にもなじみのある舞台が描かれ、読みやすい内容になっている。
7000~9000字ほどもある本文は、場面の切り替えも多く読み取るべき人物の動きや心情も多くなる。素早く正確に読めるように、普段から読書量をなるべく多くするよう意識したい。
小説の読解の技術を高めておこう。
人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。
場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。
心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。
主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。
〇[文脈の問題]
ばらばらにした文章を正しく並べ替える問題が出されている。素材文は700~800字ほどあり、ここも文量に含める必要がある。文章の論理的な流れを読み取る能力を問うもので、題材として説明文が多く使われている。論理的な文章を多く読んで、文脈のつながりをよく見ておこう。
〇[文量]
素材文が15000~16000字にもなる場合がある。かなりの速さになるが、分速700字程度で見落としなく正確に読めるように練習しよう。
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2024年度「青山学院横浜英和中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は32問。読解問題では20問あるが、選択肢と書き抜きにそれほど時間は取られないだろう。やはり長文をいかにすばやく読み終えるかが大事になる。記述問題に少しでも多く時間を残せるよう、ペース配分に慣れておきたい。
【大問一~三】漢字・言葉の知識・文脈
- 難度:標準
- 時間配分:【大問一】~【大問三】計10分
- ★必答問題
【大問一】漢字の読み書き
1. 欠品 2. 回送 3. 採(りに) 4. めいかい 5. ね(る)
【大問二】熟語
問一 不信
問二 1. エだけ意味がまちがっている。
2. ウだけ他動詞―自動詞の順番になっている。
問三 1. エ
2. イ
問四 1. 電車・光線・石頭・火花→電光石火
2. 快晴・農耕・降雨・音読→晴耕雨読
【大問三】文脈の理解
ここでの「進化」は生物学的な進化を指す→この進化の原理は単純で、能力に多様性があることを前提とする(イ)→たとえばミジンコは……泳ぐのが速いミジンコはたくさんの子孫を残す(エ)→この子孫を残しやすい性質が増えていく現象が「自然選択」で、集団に広がっていく(ア)→このように集団の性質がどんどん変わっていくことが生物学的な「進化」である(ウ)。
【大問四】論説的随筆文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:20分
日本人のオリジナリティを形作っているはずの過去の歴史や文化を、日本人が知らない・知ろうとしないことを筆者は残念に思っている。
問一 「それだけ英語が氾濫していて、どうして……」の文で「それ」が指しているのが、直前の「英語の看板」や設問の「新聞や雑誌」であると考えられる。
問二 知名度はそんなに「高く」ないかもしれませんが、世界的に有名な映画監督です。
問三 今から1000年も前にこんなに奔放に自由な文章を書く女性がいたのか・1000年も前に日本にはこれほど進んだ文化があったのか、という点でグリーナウエイ監督は驚いている。
問四 ③ 監督は過去の日本に進んだ文化があったことに感動している。「ところが」今の日本人はあまりそんなことを考えない。
⑦ 日本の社会の関心は先進国である欧米に向いている。「あるいは」そこから一転したアジア志向になっている。
問五 例:今の日本人は「優れた文化」というとヨーロッパやアメリカだと思っていて、自分の足元である日本の歴史や文化や古典をよく知ろうとしないということ(六十九字)。
問六 英語が話せて外国人と仲良くできても、自分のアイデンティティである日本のことをよく知らないため、日本や日本人の個性や特性を外国人に説明できないのである。
問七 経済力優先で国外にばかり目を向けてしまう日本社会の特徴が、入試の必修科目にあらわれているのである。
問八 自国のことは「わからない・説明できない」のに外国語は「話せる」という文脈である。
問九 日本人のオリジナリティとは、日本の歴史・文化・古典を学ぶことで培われる日本人としての感性や独自性であるはずなのである→選択肢ア。
【大問五】小説の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:20分
- ★必答問題
怪我で陸上を諦めざるを得なかった主人公は、正也に文芸部へ誘われたことで陸上での経験が新たな道で役立つかもしれないと考え始める。
問一 A. 三崎 B. 長距離 C. 四十五 D. 九分を切ること E. 事故 F. 更新
問二 中学で九分を目標に練習を積み重ねた主人公は、分野は違ってもその時間の持つ重みがよく分かったのである。
問三 主人公の良さに気づき、文芸部に誘った言葉を「愛の告白」と表現している→「頼む、文芸部に入ってくれ!」
問四 前半に「一つの分野として、研究を重ねて完成されたもの」があるが字数が合わないので、後半から「極限まで削って完成した芸術作品のような時間(二十一字)」を抜き出す。
問五 「転」と「結」をくっつけたのであるから、「起・承・転結」の三つの区切りになるというわけである。
問六 「かいかぶる」は「実力以上に評価する」という意味なので、選択肢イの使い方は適切ではない。
問七 ア
問八 陸上で培った「九分」にたいする感覚を文芸の方面でも生かせるかもしれないという可能性に気づいてくれて、陸上をやめて目標を見失っていた自分に新たな道を示してくれたように感じている。
攻略のポイント
本校のように本文の文量が多い場合、読むのに時間がかかり過ぎて本来わかったはずの問題を解く時間が足りなくなってしまった、という事態は避けたいところである。速読は訓練で上達できる技術なので、早めに対応を進めておこう。また、読解の技術として、ポイントになる部分をすばやく見つけられるようにしておくことも大事なので、要点や重要部分をマークするコツをつかんでおきたい。
言語事項も一定の配点を占めるので、基本的なレベルでよいのでひととおりは頭にいれておこう。
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