青山学院横浜英和中学校 入試対策
2018年度「青山学院横浜英和中学校の理科」
攻略のための学習方法
[新進気鋭の学校ゆえに]
青山学院横浜英和中学はその歴史は長いものの近年大幅に学校変革が進み、2014年に青山学院大学との系属校関係を締結、2016年に現在の校名に学校名を変更、2018年度から共学化に踏み切ったばかり、まさに歴史ある新進気鋭の学校である。
このような学校の場合、過去問に触れてその傾向をつかむことはもちろん重要ではあるが、来年度さらにはその翌年には問題の質・量ともに大きく変わることもあるのでそれに向けての対策も必要になるだろう。
[現状は基本的の知識の定着を優先せよ]
ただし現状の理科を見る限り、他校に比べて特別なカラーは見当たらず、問題の質からも「基本的な知識の定着」をしっかりと行えば少なくとも合格点までは十分に望める。重要項目をまとめたテキストや「出る順」のようなコンパクトな暗記本、基本レベルの入試問題を中心とした問題集などが手元にあればそれをくり返し勉強することによって来年度の問題にも対応できることは間違いない。
その上で来たるべき難化に向けては、もうワンランク上の入試問題や計算問題などで経験を積み重ねれば多少の問題変化にも着いていけると思う。
特に男女共学になったことで計算問題のウェイトは今までよりも増してくることと考えられるので、現状レベルの問題の克服はもちろんのこと、応用がかった問題にも手を出しておくことは悪いことではない。
ただし、あくまでも「基本的な知識の定着」が最優先である。
[記述問題対策]
あえてその特色を探すとするならば、理科ではあまり見られない本格的な記述問題が散見することだ。
例を挙げると、2018年度A日程の【大問3】(2)「光合成によって発生した気体が起こした大きな変化は、どのようなものでしたか」、同年度A日程【大問5】(6)「なぜ5cmよりも短くしてはいけないのか答えなさい」、2017年度A日程【大問2】(7)、【大問3】(5)、【大問4】(3)、などである。
特に最新2018年度A日程の【大問3】(2)「光合成によって発生した気体が起こした大きな変化は、どのようなものでしたか」は注目に値する。他の記述問題は既成のテキストなどの知識により10字から20字程度で簡単にまとめられることも出来るかもしれないが、この設問に関しては50字以内という字数制限の長さと「光合成によって発生した気体」が「酸素」であることは間違えないと思われるがその「酸素」が起こした大きな変化というと、頭の中で「こうだ」と決めて書くのは難しいのではないかと思う。このように、基礎知識を文にして書けば点数がもらえる記述問題ではなく、自分の頭で考えてまとめる、という問題に対しても記述問題が多く見られる「国語」や「社会」と同じように採点者を納得させられる文章が書けるよう練習する必要があるだろう。
これらの問題は、「2020年から始まる新大学入試制度を意識したと思われる問題」(=思考力や表現力を重視する問題)と言って良く、今後も注意が必要だ。
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2018年度「青山学院横浜英和中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は5、小問は30以上と即答を要される分量ではあるが問題文も短く基礎知識をそのまま答えれば良いものも多いのでさほど時間不足になることはないだろう。
ただ歴史の新しい学校なだけにまだ傾向(分量・難易度)などが定着しているとは言えず、昨年度のものよりは本年度のものの方が問題の水準が上がっているように来年度以降も質・量ともに変化していく可能性があり、要注意が必要だ。また、生物分野で50字の記述問題があるなど、考察力も試されてきている。
【大問1】化学分野…物質の三態
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
物質が「固体」「液体」「気体」の3つの形をとると言うことをふまえての大問。
(1)(3)の言葉を答える問題は不慣れだと解答できなかったかもしれない。
また(4)~(6)の「氷⇔水」の問題でも足下をすくわれないように注意したい。
どれも典型的な問いではあるが(6)の計算問題で差がつく可能性がある。算数の「割合」で解いた経験はあると思われるが…
<時間配分目安:5分>
【大問2】生物分野…血液型と遺伝子
- 難度:標準
- 時間配分:6分
「血液型」の問題に関しては問題集の中の1問として解いた経験や模試などで見かけたことがあるかもしれないが、単元をたてて取り扱っているテキストはないと思うので本年度の問題の中では最も慎重に取り組みたい大問となっている。内容はユニークなので面白い。
算数で言う「約束記号」の問題と類似しているので、「約束記号」同様「規則」をよく読み、それにそって解いていけば難しいことはない。特に(例)はよく読んで、自分の思い込みだけで解かないようにしたい。
(3)の○×問題がしっかりと根拠のある正解が出来ていれば合格だ。
<時間配分目安:6分>
【大問3】生物分野…光合成
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
光合成に関する基礎知識が問われている。(2)をのぞけば簡単に解けたことだろう。
(2)で、「光合成によって発生した気体」=「酸素」が起こした大きな変化についてはいろいろと正解例が考えられるが50字程度の文字数が必要なので太古の地球における「大気の変化」や「酸素を使う生物の進出」など、テキストで学ぶ以外のイメージが要求されるだろう。ここだけはなかなかの難問かと。
<時間配分目安:5分>
【大問4】地学分野…太陽の運動
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
毎度おなじみの模式図に毎度おなじみの設問、というところで一息つけそうな大問である。
(3)は、太陽の「春分の南中高度=90-その土地の緯度」「夏至の南中高度=90-その土地の緯度+23.4」を知っておかないと解けなかった。
(4)は南半球における「太陽の動き」だが、「日本が夏至のとき」と問題文に条件があるのならば、もっと選択肢を増やして欲しかった。これでは、天球図の方角と太陽の進行方向しか問われていないではないか。
<時間配分目安:5分>
【大問5】物理分野…電熱線
- 難度:標準
- 時間配分:6分
受験生が苦手とする分野の一つである「電熱線」の問題が最後に控えていたが、半分は基本知識の確認であり、計算問題の1つだけとほっとさせられる内容になっている。
ただし(3)(6)のように、自分の言葉で答えさせる設問には相手に内容が伝わるようしっかりとした文で書いてもらいたい。まず「もっとも伝えたい」ことをはっきりさせた上で主語・述語・修飾語をともなった文を書くことだ。
<時間配分目安:6分>
攻略のポイント
テスト時間は30分で50点満点。
受験者平均点は「30.1点」、合格者平均点は「33.9点」で理科の合格ラインは35点としておこう。
本年度までの問題を見る限りでは、市販のテキストで基本知識をしっかりとおさえておけば合格点まではとれることと思われる。勉強の中心は基本知識の定着で良いだろう。そして、基本的な計算問題の演習をさらに加える。
ただし、青山学院横浜英和中学は新しい学校であり、現在進行形で伸び盛りの学校である。受験者の質に合わせて問題を難化させる可能性を十分に秘めている。そんなときにあわてないよう、もうワンランク上の入試問題もふまえた勉強も心がけておいた方が良いだろう。
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