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青山学院横浜英和中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「青山学院横浜英和中学校の理科」
攻略のための学習方法

[問題の難易度が上がってきている]

青山学院横浜英和中学はその歴史は長いものの近年大幅に学校変革が進み、2014年に青山学院大学との系属校関係を締結、2016年に現在の校名に学校名を変更、2018年度から共学化に踏み切ったばかり、まさに歴史ある新進気鋭の学校である。
このような学校の場合、過去問に触れてその傾向をつかむことはもちろん重要ではあるが、新しい年度を迎えたとき、テスト内容の大きな変化が見られることがある。2019年、理科においてはあきらかに問題の難易度が上昇した。

[基本的知識の定着+標準問題による豊富な演習]

それは受験者平均点・合格者平均点がのきなみ35%以上ダウンしたことからよくわかる(数値は2019年度傾向と対策を要参照)。倍率が大幅に向上し、受験生の質・量ともに上がっている学校としては異例であり、それまでの過去問を基準としてそのレベルだけで勉強を重ねてきた生徒は大変な思いをしたことだろう。
もちろん、普段から応用レベルの問題にも触れ、解いて理解してきた生徒にとっては大きなアドバンテージとなったことだろう。理科のテストとして見た場合、特筆するほど難易度が高いテストではない。あくまでも前年度までとの比較の上でのことである。
したがって、難度が上昇したとはいえ率先して始めることは「基本的知識の定着」である。これを徹底して得点源を確保した上でテキストや他校過去問の骨のある問題にも手をつけてみようと言うことだ。受験勉強の順番が変わるわけではない。まずは「基本的な知識の定着」が最優先、その上での応用問題演習である。
ただし最新年度(2020年)の問題を見る限りその水準は以前に逆戻りしており、2019年度レベルの問題のために対策を積み重ねてきた受験生たちは表抜けしたものではないだろうか…

[記述問題対策]

これは以前から目立った特色ではあったが、理科ではあまり見られない本格的な記述問題が散見している。
例を挙げると、2020年度A日程【大問2】(5)、2019年度A日程の【大問3】(6)(7)、2018年度A日程の【大問3】(2)、同年度A日程【大問5】(6)、2017年度A日程【大問2】(7)【大問3】(5)【大問4】(3)、などである。
特に2018年度A日程の【大問3】(2)「光合成によって発生した気体が起こした大きな変化は、どのようなものでしたか」は注目に値する。他の記述問題は既成のテキストなどの知識により10字から20字程度で簡単にまとめられることも出来るかもしれないが、この設問に関しては50字以内という字数制限の長さと「光合成によって発生した気体」が「酸素」であることは間違えないと思われるがその「酸素」が起こした大きな変化というと、頭の中で「こうだ」と決めて書くのは難しいのではないかと思う。このように、基礎知識を文にして書けば点数がもらえる記述問題ではなく、自分の頭で考えてまとめる、という問題に対しても記述問題が多く見られる「国語」や「社会」と同じように採点者を納得させられる文章が書けるよう練習する必要があるだろう
これらの問題は、「2020年から始まる新大学入試制度を意識したと思われる問題」(=思考力や表現力を重視する問題)と言って良く、今後も注意が必要だ。

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2020年度「青山学院横浜英和中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

30分で大問は4、小問は30程度で速読即解を要求される分量ではあったが、昨年度のみ例外的にレベルが高く、本年度の質であれば時間不足になると言うことはなかっただろう。
ただし、昨年度並みの水準にもどった場合は時間に余裕は持てなくなると思われるので注意したい。

【大問1】水溶液の性質

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

中学入試の定番である「水溶液の性質」は、設問も定番通りの内容でここは「易」の評価をつけた。
設問としては(3)以降が簡単な計算問題になっていて、驚くことに本年度の問題の中ではここが一番難しいのである。といっても比較の問題であり、昨年度の【大問1】とは彼我の差がある。
(4)(5)はどちらも水を加え全体量を増やしているのところがつまらない。全体量を増やしても溶けている物質(溶質)の重さは変わらないので反応の仕方も水を加える前となにも変わらない。そういう設定を2題続けて出題するのはいかがなものかと思う。

【大問2】さまざまな生物の産卵・産子

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

与えられたグラフを参考にして設問に答えていくのだが、とりたててグラフを用いなければ解けないという設問はなく、正答も常識内でわかるものばかりなので答えに屈することはないだろう。ただ、時事問題風な(4)と、その理由を答える(5)の難度が若干高いので本年度唯一の「標準」評価となった。

【大問3】月の見え方

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

受験生が苦手としやすい天体からの出題だが、本年度は基礎的レベルにとどまった。どの設問も頭の中に整理してある知識で処理できるだろう。月食の設問も含めて「月の見え方」基礎チェックには適切な問題である。

【大問4】てこ・ふりこ

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

前半は棒に重さがある「てこ」の問題、後半は「ふりこ」の問題となっている。
一様な棒に重さがある場合、棒の真ん中の位置に「おもり」の形でてこの重さを図示しておけば左右のつり合いから答えが求まっていく。
途中からは一様でない棒に変わるが与えられた図2から棒の重心がわかるので、その位置に棒の重さを図示して左右のつり合いから答えを求めていく。レベルは基礎的なもの。
後半のふりこは「等時性」ということを理解していれば数値を求める問題でも計算は不要である。2つの実験とも同じ知識で解けてしまうのはやはりいただけない。最後の記述もそれを書くだけだ。昨年度のような工夫のある問題に期待したい。

攻略のポイント

テスト時間は30分で50点満点。
受験者平均点は「25.2点」、合格者平均点は「32.3点」と一昨年度並の平均点にもどった(昨年度は受験者平均点「19.9点」・合格者平均点「23.6点」)。
合格するためには、30点程度の得点が要求される。
昨年度A日程のみの「大難化」なのか、それとも今後は2018・2020年度レベルの問題で推移するかは明らかではないが、問題が難化すればそれだけ平均点も下がり要求される得点も変わってくるのでそれほど気にする必要はなく、標準的な問題解法と地道な知識定着をこころがけていけばよいだろう。

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