青山学院横浜英和中学校 入試対策
2022年度「青山学院横浜英和中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4~6つ。おおむね大問ごとに分野が分かれているが、他分野の問題も混じっていたりするので厳密に分かれているわけではない。総解答数は、ここ数年は35問ほどで、3分野はほぼ同数の問題数になっている。
設問は選択肢と適語記入が中心である。記述問題は1~2行・20~50字ほどでまとめるものが計2問出されている。
リード文はやや長い場合があるので速読できれば有利である。資料は地図・グラフや統計・年表などが用いられている。
[地理分野]
あるテーマについて詳しく訊くような問題が多く出題されている。ここ数年、大問1ではある地域の地図を見て周辺の関連事項について答える問題が出されていたが、2019年度・2020年度では地図は用いられていなかった。2021年度では地図の読み取りが復活している。記述問題では、日本で水資源の利用が少なくなる理由(2022年度)などが訊かれている。
おおむね基本事項の問題だが、やや細かい知識まで問われる場合もある。2018年度で訊かれた信濃川の支流の名前や出羽三山の名前など、詳しく覚えていない人もいたかもしれない。難問とまではいかないが、自分の詳しくない地域が出題されると大きく失点する恐れがあるので、どの地域もまんべんなく穴がないように学習しておきたい。
[歴史分野]
リード文を読んで下線部について答えていく形が多い。各時代の出来事・人物・文化や外国との交流などについて訊かれている。年表や時代順の並べ替えなどの問題もある。
この分野の記述問題では、クールビズが地球温暖化対策になる理由(2020年)や条里制の利点(2021年度)などの出題があった。記述問題については、2018年度以降は解答欄が長くなっているので、今後は字数が増えていく傾向が考えられる。
[政治経済・現代社会分野]
ここ数年は現代社会分野の出題が多くなっている印象である。ブラジル(2017年度)やヒアリ(2018年度)といった話題で、外国との関係や世界地理など問題が多く出されている。日本の憲法や政治のしくみは出題が少なめである。日本の近隣諸国や付き合いの深い国、近年大きな変化があった国などについてはよく調べて詳しくなっておこう。
この分野の記述問題では、殺虫剤使用の問題点(2018年度)について答える問題や統一されることで便利に用いられるもの(2022年度)などが出されている。
[リード文と選択肢の設問について]
特に歴史分野と現代社会分野で長いリード文がつく場合がある。通常は下線部だけ読めば答えられる場合も多いのだが、本校は文中に重要点が示される場合があるので要注意である。例えば、2017年度・大問2の台風についての問題では、当該年の台風5号についての質問がある。これはリード文中に言及がある台風の存在期間に気づかないと正解できない問題になっており、下線部だけ読んでいたら迷うところであった。
また、選択肢問題の設問の文が長めであるという特徴も見られる。リード文と合わせると読む分量が多くなるので、読むスピードはぜひつけておきたい。
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2022年度「青山学院横浜英和中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は31問で、地理分野10問・歴史分野11問・政治経済分野その他10問と各分野ほぼ均等の分量であった。
リード文・設問の文の分量が多めだが、記述問題以外は考えるのに時間を取られるような問題は少ない。読むのが遅くて時間が足りなかったという事態にならないように、過去問で慣れておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
気候の変化を題材として各地の地形や産業について訊かれている。
問1 (1) A地点の境港市(鳥取県)は日本海側の気候に属し、冬に降水(雪)量が多いという特徴があるので、イのグラフが一致する。アは降水量の少なさから瀬戸内気候のB松山市(愛媛県)、ウはC高知市である。
(2) 愛媛県は温暖な気候と少雨の傾向から果樹栽培に適しており、柑橘類の栽培が盛んである→選択肢ア。イは野菜の生産額が大きいのでC高知県、ウはA境港市である。
問2 (1) ウ. 甲府城跡・丸の内・城東などの地名から、城下町として発達したことがわかる。
(2) 左側は山がちで右側に市街地が広がっていることから、東方向を見ていると考えられる。
問3 北九州工業地帯は八幡製鉄所の操業をきっかけに金属工業が盛んになったが、産業構造の変化に伴い、金属工業の占める割合は減っていった(B)。それにともない工業地帯としての生産額も減り、人口も流出した(D)。
問4 農業用水・生活用水・工業用水の順で多い。
問5 (1) 室戸岬は高知県、枕崎は鹿児島県(Dの位置)、本州最南端の潮岬は和歌山県にある。
(2) 台風と満潮の時間が重なると水位の上昇が大きくなり高潮の被害が発生しやすい。
問6 エ. どんな目的であっても、ダムは水量を調節することで洪水の発生を抑えるのに役立つ。
問7 日本の国土は山がちで、河川が短く流れも急なので海まで早く流れてしまい利用しづらい面がある。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
聖徳太子を話題として、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 聖徳太子からみて推古天皇はおばにあたるので、エに入る。
問2 口分田は6歳以上の男女に与えられるので五歳と二歳の子供は除外して、男4人・女4人で計13段1/3歩となり、アが合っている。
問3 古今和歌集は10世紀、平等院鳳凰堂と院政は11世紀にあたる。
問4 アは朱子学の教え、イは徳川吉宗の享保の改革、ウは3代将軍家光が出した命令である。
問5 崇峻天皇を擁立したのは蘇我馬子であったが、のちに関係が悪化し刺客を差し向けて暗殺し、推古天皇を立てた。
問6 奇兵隊の創設者は高杉晋作。
問7 (1) ロシア・フランス・ドイツの三国による干渉であった→地図ウ。
(2) 清に遼東半島(ア)を返還した。
問8 西暦でいうと1945~1955年にあたるので、1960年の日米安保改定は当てはまらない。
問9 ①福井県・②広島県・③奈良家・④滋賀県・⑤岩手県→地図イ。
【大問3】政治経済分野 その他
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
さまざまな単位を話題とした、いくつかの分野の混合問題。
問1 豊臣秀吉は土地の面積や米の収穫量の計り方を統一し、土地の権利関係や石高を明確にしようとした(太閤検地)。
問2 (1) 大政奉還は京都の二条城で行われた。
(2) 地図2では桑畑が多くみられる。関東の内陸部や長野県などではカイコを飼って生糸をつくる養蚕が盛んで、輸出の主力商品となっていた。
問3 すべて省エネにつながる行動である。
問4 (1) イ. 消費税の10%への引き上げは2019年のことである。
(2) ア. SNSやメールでのあいさつが増え、年賀はがきの発行は年々減少している。
ウ. 問丸ではなく、飛脚である。
エ. 郵便制度の開始は1871年、鉄道の開通は1872年である。
問5 イ. 鎌倉時代に流通したのは宋銭である。
ウ. 綱吉は貨幣の質を落としたので、×。
エ. 関東大震災やそれにともなう恐慌は大正時代の出来事である。
問6 (1) ウ. 最も割合が高いのは大阪府である。
(2) ア. インドネシアではなく、インドが正しい。
イ. 小麦の栽培が盛んなのは中国北部である。
ウ. 日本の貿易相手国1位は中国、2位がアメリカである。
問7 スイカ(JR東日本地域)やイコカ(JR西日本地域)などの交通系ICカードは全国で相互利用できるサービスが多いが、エリアをまたいでの利用はできない。完全に共通で利用できるようになれば乗り換えが自由にできるなど、さらに利便性が高まる。
攻略のポイント
一部の地域・項目について詳しく訊かれる問題があるので、どこから出題されても困らないように、隙のない学習を心掛けよう。
リード文・設問の文とよむ量が多くなるので、速読を意識して過去問で練習しておこう。
現代社会分野で国際関係の問題が出される傾向も考え、国内だけでなく海外の地理や出来事にもよく注意して理解を深めよう。
記述問題は、問題集のような典型的な問題ではないものも出されるので、普段からの社会への関心や情報量の多さが問われるところである。
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