青山学院横浜英和中学校 入試対策
2023年度「青山学院横浜英和中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問は4~6つ。おおむね大問ごとに分野が分かれているが、他分野の問題も混じっていたりするので厳密に分かれているわけではない。総解答数はここ数年は35問ほどで、3分野はほぼ同数の問題数になっている。
設問は選択肢と適語記入が中心である。記述問題は1~2行・20~50字ほどでまとめるものが計2問出されている。
リード文はやや長い場合があるので速読できれば有利である。資料は地図・グラフや統計・年表などが用いられている。
[地理分野]
あるテーマについて詳しく訊くような問題が多く出題されている。ここ数年、大問1ではある地域の地図を見て周辺の関連事項について答える問題が出されていたが、2019年度・2020以降では地図は用いられていなかった。2021年度では地図の読み取りが復活している。記述問題では、日本で水資源の利用が少なくなる理由(2022年度)などが訊かれている。
おおむね基本事項の問題だが、やや細かい知識まで問われる場合もある。2018年度で訊かれた信濃川の支流の名前や出羽三山の名前など、詳しく覚えていない人もいたかもしれない。難問とまではいかないが、自分の詳しくない地域が出題されると大きく失点する恐れがあるので、どの地域もまんべんなく穴がないように学習しておきたい。
[歴史分野]
リード文を読んで下線部について答えていく形が多い。各時代の出来事・人物・文化や外国との交流などについて訊かれている。年表や時代順の並べ替えなどの問題もある。
この分野の記述問題では、江戸時代後半にヒートアイランド現象が進んだ理由(2023年度)や条里制の利点(2021年度)などの出題があった。記述問題についてはは2018年度以降は解答欄が長くなっているので、今後は字数が増えていく傾向が考えられる。
[政治経済・現代社会分野]
ここ数年は現代社会分野の出題が多くなっている印象である。ブラジル(2017年度)やヒアリ(2018年度)といった話題で、外国との関係や世界地理など問題が多く出されている。日本の憲法や政治のしくみは出題が少なめである。日本の近隣諸国や付き合いの深い国、近年大きな変化があった国などについてはよく調べて詳しくなっておこう。
この分野の記述問題では、現在国会などで話し合われている3つのテーマから1つを選んで説明する問題(2023年度)や統一されることで便利に用いられるもの(2022年度)などが出されている。
[リード文と選択肢の設問について]
特に歴史分野と現代社会分野で長いリード文がつく場合がある。通常は下線部だけ読めば答えられる場合も多いのだが、本校は文中に重要点が示される場合があるので要注意である。例えば、2017年度・大問2の台風についての問題では、当該年の台風5号についての質問がある。これはリード文中に言及がある台風の存在期間に気づかないと正解できない問題になっており、下線部だけ読んでいたら迷うところであった。
また、選択肢問題の設問の文が長めであるという特徴も見られる。リード文と合わせると読む分量が多くなるので、読むスピードはぜひつけておきたい。
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2023年度「青山学院横浜英和中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は32問で、地理分野10問・歴史分野11問・政治経済分野11問と各分野ほぼ均等の分量であった。
リード文・設問の文の分量が多めだが、記述問題以外は考えるのに時間を取られるような問題は少ない。読むのが遅くて時間が足りなかったという事態にならないように、過去問で慣れておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
観光を話題として各地の気候や産業について訊かれている。
問1 Aは野菜や畜産の生産額の大きさから千葉県、Bは漁業生産量の少なさから埼玉県、残るCが神奈川県となる。
問2 一年を通じて気温が低く、雨も少ないという高原の気候の特徴からイが選べる。位置は長野県と群馬県の県境近くのカである。
問3 車内から見えたのは富士山。京都では平等院鳳凰堂を訪れ、奈良では東大寺・南大門などを見たようである。
問4 もっとも数が多いAがガソリン車と考えられるのでアが正しい。エは窒素ではなく水素である。
問5 Aは電力需要の大きさから名古屋のある愛知県、BとCは原子力発電の量から福井県と鹿児島県と考えられる。
問6 ア. ところどころ白い石灰質が露出しており、カルスト地形の特徴が見られる。
問7 イ. 秋田県秋田市。アは神奈川県横浜市、ウは石川県金沢市、エは滋賀県大津市である。
問8 ぶどう・ももの生産が盛んな山梨県。
問9 (Ⅰ) 4 (Ⅱ) 5
問10 エ
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
ヒトやモノの移動という話題で、各時代の出来事や人物について訊かれている。
問1 (1) 作物は稲で、陸伝いに広まったと考えられる。
(2) イ. 最初は祭器としての使用が伝えられたと考えられる。
ウ. 青銅器は主に祭器に用いられた。柔らかく武器としての使用には適さない。
エ. 茶は平安時代に伝わり、鎌倉時代以降に広まっていったと考えられている。
(3) 元寇では九州地方が戦場となったため、幕府による西国への影響力が強まった。
(4) ア. バテレン追放令(1587年)は使節団の派遣中に出された。
ウ. 織田信長による派遣ではない。
エ. 帰国後に脱会した人や国外追放された人もいた。
(5) 三国干渉は1895年、外国船砲撃事件は1863年、日英同盟は1902年の出来事である。
問2 ア
問3 図2~図4は戦国時代以降~江戸時代末期の時代順となっており、ポルトガル→オランダ→イギリスと移り変わってきたことを示している。
問4 (1) エ. 明治時代の始まり(1868年)と江戸時代初期(1600年頃)の比較として正しい。
(2) ア. ウィリアム・アダムスが来日したのは江戸時代初期である。
(3) エ. 東南アジア方面への拡大は移民が目的ではなかった。
(4) 町の大半を占める武家屋敷の屋根が黒い瓦で作られている様子が資料から見て取れる。日射で黒い屋根瓦が熱せられ、現代のコンクリートと同様の効果をもたらしたのだと推測される。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
選挙の投票率を題材にした問題。
問1 2021年10月の衆議院銀選挙における年代別投票率は、10代・20代・30代……60代・70代以上という区分で、43.2%・36.5%・47.1%……71.4%・61.9%(小数点以下第1位まで)と、年齢が下がるほど低い傾向にあり、最低は20代であった。
問2 イ
問3 2005年の選挙は小泉純一郎総裁が郵政民営化を公約に戦い自民党が勝利し、2009年の選挙では民主党が勝利し連立政権を組織した。
問4 石油
問5 エ. 円が買われると円高になるので、誤りである。
問6 選挙権年齢が引き下げられたこともあり、親子で・家族ぐるみで投票に行こうという呼びかけが多くの自治体で行われている。
問7 サラエボ事件は第1次世界大戦の引き金になった事件で、1914年の出来事である。
問8 ウ. 宮城県・新潟県・岡山県・広島県の県庁所在地は政令指定都市である。
問9 アダムズ(方式)
問10 エ
問11 気候変動であれば、主として温暖化による各地の異常気象で砂漠化・海面上昇などの被害が増加している。少子高齢化では、労働人口の減少により国力が低下したり、社会保障や医療の費用が増加し国民の負担が増えたり、といった問題が考えられる。労働と雇用に関しては、人口減少で不足する労働力を外国人労働者の受け入れで補う・機械や人工知能を活用するなど、時代の変化に合わせた対策が必要である。
攻略のポイント
一部の地域・項目について詳しく訊かれる問題があるので、どこから出題されても困らないように、隙のない学習を心掛けよう。
リード文・設問の文とよむ量が多くなるので、速読を意識して過去問で練習しておこう。
現代社会分野で国際関係の問題が出される傾向も考え、国内だけでなく海外の地理や出来事にもよく注意して理解を深めよう。
記述問題は、問題集のような典型的な問題ではないものも出されるので、普段からの社会への関心や情報量の多さが問われるところである。
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