青山学院中等部 入試対策
2016年度「青山学院中等部の算数」
攻略のための学習方法
[典型問題]
青山学院中等部は、2月2日に屹立する共学校の「雄」であり、その存在感は長い間変わることはない。かつては2科目受験の最難関校として高い倍率を維持し、4科目になった現在でも不動の人気を誇る難関校の一つである。そして、その算数の入試問題は、これもまた長い間なじんできたスタイルを変えることなく、いわゆる「青学の算数」の足跡を残してきた。
しかし近年、試験時間の変動に伴い問題数も減少し、問題の難易度もいささか変化が見られる。一言で言えば「やさしくなった、取り組みやすくなった」ということだ。難問にカテゴライズされる大問は減り、テストの後半であっても「問題集」でよく見かけるような典型題が顔を覗かせている。手元にある教材に載っている「標準問題」を多く解いていけば、とりたてて青学対策をしなくても「いいセン」まではいけるはずである。
標準的な問題を、高い正解率で解けるようにする。難問を解けるようになるよりははるかに容易なことである。つまり、高度なテクニックや高速スピードがなくても青山学院を受験することは出来るようになったと言える。
本年度の問題は、珍しく大幅に受験者平均点を下げ、問題の難化が進んだように見えるが、そうではなくて、受験生の質が低下したのでは、という気がしないでもない。
[解法を身につける]
そうは言っても、たやすく合格できるわけではない。中学受験生の中では抜きんでた力が必要であることは変わりない。
そのためには、まず「標準的な問題」の解法をできるだけ多く身につけること。
分からない問題があれば、塾や家庭教師の先生に質問するだろう。そのときに、先生方はすぐ答えてくれるはずだ。しかもその問題に最も適した説明もつけて。それがなぜ可能かというと、先生方はその問題を見たあと、別に考えていないからだ。見た瞬間に、解き方が頭の中から舞い降りてきて、それを口にしているだけ だ。つまり、解き方を「覚えている」と言うことになる。「そんなの当たり前じゃないか」という生徒は、その先生方に一歩でも近づくことが合格への道だと考えて欲しい。
「解法を身につける」ということはそういうことで、問題を見て読んで「考える」のではなくて「解き方が浮かんできて、それを実践できる」ということだ。
さて、先生たちにどこまで肉薄できるか?
[スピード練習]
解き方を身につけたら、今度はスピード練習と言うことになる。
青学の場合、平易になったといっても、約3分間で問題文を読み、解き方を浮かべ、実践して答えを解答用紙に書き込んでいかなくてはいけない。
そのための訓練としては、普段から解く速さを意識的に上げていくしかない。問題集を10問解く場合でも、それまでは40分かけていたところを、35分、30分…とかける時間を減らしていき、今の半分くらいのペースで解けるようにしておこう(もちろん正答率は変えずに)。
青山学院の場合、時間的なアドバンテージは非常に大きい。見直しにも時間がかけられるし、よもやの難問にも時間がかけられる。
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2016年度「青山学院中等部の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
50分で大問が14、小問が16。例年、同じ程度の水準・同じ分量で出題されている。
本年度は昨年度の反動か、ここ数年間では最も高い受験者平均点となり、問題のレベルもほとんどが標準的なものだった。しかし、1問にかけられる時間は3分程度で、どの分野でもよどみなく解いていったとしても時間に余裕はない。速読即解の能力が必要になる。
【大問1~3】 計算問題
- 難度:易
- 時間配分:6分
どの問題も受験勉強をがんばってきた生徒にとっては扱いやすいレベルであり、ここでの正解は当然と言うことになろう。
【大問4】数の性質
- 難度:易
- 時間配分:2分
問題文の後半を式で表すと、□÷20-10>3.8となるので、ここから□>276となり、これが答えかと思うとなぜか10倍しないといけない。
そこで答えは2760となるわけだが、あまり意味もなく10倍させるところが青山テイストなのか…
【大問5】単位の計算
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
今年も出た、青学名物「単位の計算」。
塾などでも「自分でまとめて覚えておけよ~」と言われて軽視され、しかもテストなどで間違えると不当にしかられるという内容だ。
青山学院を受けるにあたっては、この単位をまとめて覚えるという作業は避けては通れない。
計算問題のテキストでいいので、一度まとめて練習する機会を作ると良い。
これはもう選挙公約のように、声を大にして言いたい。この機会は必ず作ること!
今回は面倒な計算の上に「上から2桁の概数で」というおまけがついているので、細心の注意を払って正解を導こう。
【大問6】平均算
- 難度:易
- 時間配分:3分
5年生あたりが、平均算を学ぶときに基本問題として解かされるレベルの問題であり、なんら説明するところはない。
面積図を用いるもよし、全体の和を求めるもよし、いずれにしてもしっかり正解しておこう。
【大問7】立体図形
- 難度:易
- 時間配分:3分
これもまた5年生にお任せ、という内容だが、Bの高さにあたる部分が分数になるのでそこの処理を間違えなければあっさり解けるはず。
【大問8】集合の問題
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
問題文を読みながら、「3つのベン図を用いる問題」ということがわかる。
ベン図は2つから3つになると煩雑さが大幅に増えるがここではわからない箇所が3か所だけなので、ア、イ、ウでも置いて簡単な式を作れば求められる。
しかしここまででは一番難易度の高い問題であり、このあたりから問題の水準が上がってきたことが実感される。
【大問9】比を用いる問題
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
この問題は青学を受けるかどうかにかかわらず、受験生に解かせておきたい良問だ。
ミカン、ナシ、リンゴそれぞれ1個の代金の比を求め、さらに個数の比との積で全体量を割って求めていく。
比の用い方を問われる問題。出来れば問題なし。
【大問10】推理する問題
- 難度:標準
- 時間配分:3分
さいころ3つの目の和が7の場合を求め、あてはまる数を求めていく。
場合は複数あり、答えは一つになるので注意して求めよう。
【大問11】立体図形(円柱と水の体積)
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
A、Bとも円柱の容器なので、かしこく円周率を使わずに求めてみよう。
底面の半径が9cmと15cmなので3:5、底面積の比は(3×3):(5×5)=9:25としておくと計算が楽になり、時間の短縮につながる。
この問題でも、Bを沈めたときのAのようすが想像できないと求めることが出来ない。
作図して、目に見える形で表してみよう。
【大問12】平面図形(面積)
- 難度:標準
- 時間配分:3分
これはもう何度もお目にかかってきた面積の問題だ。
アとイの面積が等しいのがデフォルトだが39の差があっても解き方はほぼ同じ。
この時期に、この問題で、アやイの面積を求めにいってるのでは心もとない。
じっくり反省して丸坊主になるか、問題集で復習しておこう。
【大問13】数表の問題
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
奇数列と偶数列では数の並び方が逆になるが、この程度の難化なら十分ついていけるはず。
(1)が解けると(2)はその近くなので計算結果を利用できる。
これも受験生全員に解かせたい問題ではある。
【大問14】速さの問題(速さと比)
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- 「動く歩道」を使った、なにやら難しそうなにおいのする問題だがそうでもなかった。
(1)は瞬殺で。(2)は逆比を使ってかかった時間を出し、さらに太郎君の歩幅から太郎君の分速、さらに動く歩道の分速を求めるという手のこんだ設問になっている。しかし解けないレベルではない。
この問題をやり終えて、5分以上の時間が余っているようであれば、キミはこのテストの勝利者となれるだろう。
攻略ポイント
本年度の問題では、合格点が「男子→60点、女子→65点」くらいなので、それプラス10点を目標としてみよう。
設問数は16問なので、11・12問程度正解すれば、そのレベルに到達する。
設問の難易を5段階で分けてみた。
◎(平易)>○>△>▲>×(超難問)という分類で、本年度の問題に関しては以下の通りになった。
大問1・2・3・4・5・6・7・9・12・13(1)・14(1)…すべて◎か○
大問8・10・11・13(2)…△
大問14(2)…▲
このうち、◎と○の設問にすべて正解すると11問正解になりとりあえず及第点、△以上の問題を1・2問解ければ余裕で合格ラインに達する計算だ。
本年度の問題は全体に平易だったので、正答率をあげなくてはならないものの、そう困難ではないだろう。
青山学院の算数で合格点を取るためには、標準的な問題を効率よく解き、さらに標準以上の問題にも手が出せれば十分だろう。
ただし、難易度の高い年度もあるので、過去問を解きながらそのレベルを体感しておいたほうがよい。
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