青山学院中等部 入試対策
2024年度「青山学院中等部の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
2017年度までは設問数はおおむね地理・歴史・現代社会の順番でほぼ同量の設問が割り当てられていて、総解答数は40~50問ほどであった。
しかし、2018年度から1問2点で計25問というシンプルな構成になった。2021年度から問題数が増え、2024年度では31問となり、分野では地理12問・歴史14問・現代社会5問と現代社会が少なめに出されている。
内容や難易度にはさほどの変化は無いが、最新年度でも記述問題は出題されなかった。
地理分野
地図・地形図・統計資料などがよく用いられている。
基本的事項の問題が多いが、村の成り立ちの特徴を考えたり、地図から昔の地形を推察したりなど、思考力を問われる問題もある。
全ての分野から幅広い出題が見られるので、まずは基本事項をしっかり暗記する。地名・地形・気候や産業などを頭にいれ、地図や資料集でしっかり肉付けをしておく。さまざまな図版なども見慣れておきたい。
その上で、なぜそのような地形が形成されたのか、なぜその地域でその産業が発達したのかなど、背景や理由も考えながら周辺事項も合わせて取り込んで、知識に厚みを持たせよう。
歴史分野
年表や歴史資料・写真などが使われる問題が多い。
地理分野と同様、基礎的な知識を問う問題が多いが、ただ人物名を答えるだけでなく、その周辺事項も合わせて少し詳しく訊かれるパターンが多く見られる。時代順の並べ替えもよく出されている。
まずは基本事項を幅広く覚えていく。テキストを丁寧に学習し、地図や歴史資料などを参照して周辺知識も合わせて結びつけておく。
年表で出来事の流れをイメージできるようにしておくことも大事である。ある項目について訊かれたら、その前後の出来事や関連する事項もすぐに引き出せるように訓練しておこう。
現代社会
2017年度までは地理・歴史分野と同じ問題量だったが、2018年度以降は少なめの出題となっている。しかし、2022年度は現代社会分野が多めに出されており、年度により変化があるので決めつけないで柔軟に準備しておきたい。
憲法や政治の仕組みを丸暗記しただけでは答えられない問題が出る。使われるデータも最新のものが多く、国際関係の出題も目立つ。
テキスト上の基本事項が頭に入っているのは当然として、より現実に即した新鮮な知識が求められているようである。時事・重大ニュース集なども活用しつつ、普段から時事問題に関心を持ってニュース・新聞をチェックする習慣を身につけたい。
全てを読破するのは時間的にも無理があるので、重大ニュースについては見出し・リード文くらいは目を通し、知らないことだったらもう少し詳しく調べてみるといった努力が、本校の試験では役立つはずである。特に直近の1~2年の出来事は整理してよく理解しておこう。
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2024年度「青山学院中等部の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数が31問で、時間は25分と変わらない。
基本的事項の質問が多いが、その中にいくつか難しい問題が含まれている。テキストには出ていない事柄の質問もあり、思考力を要求される。
知識だけで解ける問題はてきぱきこなし、資料の読み取り・計算などの考える時間が必要な問題に余力を残せるようにペース配分したい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:大問1・2合わせて10分
- ★必答問題
問1 上祐から運ばれた土砂や砂利が流れの緩やかな河口付近に堆積し、三角州を形成する。形成に関わる最も大きな力は堆積であろう。
問2 滋賀県内では瀬田川、途中の京都府では宇治川、海に注ぐ大阪府では淀川と呼ばれる。
問3 ウ. 南東側が山で高くなっているので、逆である。
エ. 点線で示されているので、地下を走っている。
問4 エ. 南禅寺から北に向かって哲学の道に水路らしき線が見える。道に沿って慈照寺の方へ向かっている。
問5 〈Ⅰ〉 聖護院大根は丸い形をしているのが特徴である。
〈Ⅱ〉 エ. 加賀れんこんは石川県の産物である。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:大問1・2合わせて10分
- ★必答問題
問1 Aは日本海側の気候で冬に降水(雪)量が多い特徴から②、Cは太平洋側の気候で夏に
雨が多いので①、Bは内陸型で雨が少ない地域なので②である。
問2 〈Ⅰ〉 淡路(島)
〈Ⅱ〉 すべての県が海に面し長崎県など特に島が多い県もある九州地方がエ。次に地方平均が多いイはやはりすべての県が海に面している北海道・東北地方。ウは内陸県が多い関東地方、残るアが近畿地方となる。
問3 吉野すぎ・尾鷲ひのきや津軽ひばなど、有名な樹林は地名と樹種がセットで呼ばれるものが多い。
問4 空港イは海上空港であるため夜間でも離発着ができるが、空港アは近隣に住宅なども多く、夜間の騒音や振動などに配慮する必要がある。
【大問3】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:大問3・4合わせて6分
- ★必答問題
問1 エの生麦事件は神奈川県、カの南朝の設立は奈良県でのことである。
問2 左京は大内裏から見て左側なので、地図で言えば東側になる。その南端付近から見れば内裏は左斜め前の方向である。
問3 〈Ⅰ〉 外国からの観光客をインバウンドという。
〈Ⅱ〉 観光客が多すぎて地域の生活に危険が生じたり、地域住民の迷惑になるような行動を取ったりなど、観光客が増えたことによる弊害をオーバーツーリズムという。
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:大問3・4合わせて6分
- ★必答問題
問1 〈Ⅰ〉 富雄丸山古墳は奈良県にある国内最大級の円墳である。
〈Ⅱ〉 漢委奴国王の金印(57年)→大仙古墳(5世紀)→仏教の伝来(538年)→遣隋使の派遣(607年)
問2 近松門左衛門は人形浄瑠璃・歌舞伎の脚本家である。
問3 ア. 法隆寺は用明天皇の病が治ることを願って建てられた。
【大問5】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:大問5・6合わせて5分
問1 明治4年に派遣された岩倉使節団のことである。団長は岩倉具視で、西郷隆盛は参加していない。
問2 〈Ⅰ〉 学生の発布は1872年、廃藩置県は1871年、西南戦争は1877年の出来事である。
〈Ⅱ〉 自由民権(運動)
【大問6】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:大問5・6合わせて5分
問1 〈Ⅰ〉 満州事変(1931年~)→ドイツのポーランド侵攻(1939年)→日独伊三国同盟(1940年)
〈Ⅱ〉 エ. ハワイやマレー半島を攻撃した。
問2 ア. 日本国憲法の公布は1946年で、昭和で言えば21年である。
【大問7】現代社会分野
- 難度:やや難
- 時間配分:4分
問1 2022年は統計開始以来初めて出生数が80万人を下回った年であった。
問2 2011年と2012年の出生数はそれぞれ約105万人・103万人(住民基本台帳ベース)で、100万人を超えていた。
問3 ア. 国籍別でもっとも多いのは中国である。
問4 〈Ⅰ〉 モディ
〈Ⅱ〉 エ. 農村部などの貧しい家庭では子どもが労働力になっており、学校へ行けない児童も多いなど、教育格差が大きい。
攻略のポイント
問題構成が簡略化されて時間には余裕ができた印象である。ともあれ、教科書に載っている知識ばかりでなく、現代社会で近年に起こった出来事が多く出題される傾向は変わらない。
時事問題に十分な対策を。時事問題集ばかりでなく、新聞やニュースにも日常的に目を通し、直近1~2年の社会的な出来事に詳しくなっておこう。出来事を取り巻く背景も考えるようにすれば思考力も養える。
地理や歴史は一部に難しい問題も見られるが、多くは基礎的な問題なのでしっかり得点できるように備えたい。記号選択式が多いので類似問題を多くこなして慣れておくこと。
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