｢現在の主要な交通である『水上』『鉄道』『自動車』『航空』についての９つの説明文｣からの出題。基礎的な問題がほとんどだが、｢世界地理｣と｢時事｣で悩ましいものがある。以下、いくつか確認してみる。

[問１(７)]　｢説明文中の空所補充選択肢設問｣(全７問/20択)
各｢説明文｣中の空所(１)～(７)に｢あてはまる語句｣を答える。(１)～(６)は平易なので､全問正解でいきたい｡ただ(７)はどうか？　｢格安航空会社＝(７)｣､｢20択｣の中で候補を絞ると、(ツ)｢ＬＴＥ｣､(テ)｢ＬＲＴ｣､(ト)｢ＬＣＣ｣になるはずだ。見聞きしたことがあるとすれば、そう、｢答え｣は｢(ト)｣｡｢ＬＣＣ｣＝｢ロー･コスト(格安)･キャリア(航空会社)｣だ。本校では｢ディープな知識｣も求められている。

＜時間配分目安：30秒＞

[問２]　｢説明文中の空所補充事項記述設問｣(｢カタカナ｣指定)
｢説明文｣中の空所(Ｘ)に｢あてはまる語句｣を｢カタカナ｣で答える。空所前後を確認する。｢航空路線｣で｢世界の各地域の拠点となる(Ｘ)空港｣となっている。これは｢時事｣の定番か？　はたまた意外と落とし穴か？　微妙な問題だ、｢答え｣は｢ハブ(空港)｣｡｢ハブ｣は｢自転車などの車輪の中心部｣のこと。｢時事｣では｢抜け｣がないように注意したい、

＜時間配分目安：30秒以内＞

[問４]　｢下線部に関しての空所補充事項記述設問｣(全２問/ともに｢カタカナ｣指定)
下線部②｢燃料･原料の大半を輸入｣に関して示されている｢説明文｣中の空所(Ｙ)(Ｚ)に｢あてはまる語句｣をそれぞれ｢カタカナ｣で答える。空所前後は、｢中東から日本までの原油の輸送路｣での｢ペルシャ湾→(Ｙ)海峡→アラビア海｣⇒｢インド洋→マレー半島とスマトラ島の間の(Ｚ)海峡→南シナ海｣となっている。これは難問だ。｢世界地理｣でも｢海峡｣まで押さえている諸君がどれほどいるか？　｢答え｣は(Ｙ)＝｢ホルムズ(海峡)｣､(Ｚ)＝｢マラッカ(海峡)｣となる。｢捨て問｣でも構わない。ただ、本校では｢世界地理｣をも押さえておく必要があるということだ。

＜時間配分目安：１分以内＞

｢国内の『貨物輸送』について、輸送機関別の1970年と2013年の『貨物輸送量』と『貨物輸送トンキロ』を比較した表｣からの出題。ポイントは｢貨物輸送トンキロ｣とは何かということだ。｢輸送機関が運んだ貨物の量に距離をかけたもの｣と説明されている。これを的確にとらえることが重要だ。
[問１]では｢輸送距離｣が問われているので、｢貨物輸送トンキロ｣を｢貨物輸送量｣で｢割る｣ことで求めることになる。ただ、｢鉄道｣｢自動車｣｢海運｣｢航空｣で｢輸送距離｣を常識的に判断すれば､｢自動車｣＜｢鉄道｣＜｢海運｣＜｢航空｣､ということは分かるはずだ。
[問２]は｢工業｣についての平易な問題。｢統計資料｣については､示されている｢項目｣について正しく理解しなくてはいけない。

＜時間配分目安：２分＞

｢『銅鐸』と『木簡』､２点の写真資料｣に関する出題。誰もがおなじみの｢写真｣で考える必要もない。
[問１]では｢銅鐸｣⇒｢弥生時代｣ということで、｢同時代の説明｣の｢選択肢設問｣(４択)だが､｢三内丸山遺跡｣(＝｢縄文時代｣)､｢縄目の文様｣(＝｢縄文時代｣)､｢埴輪｣(＝｢古墳時代｣)は容易に｢消去｣できなくてはいけない。
[問２]は｢木簡｣の｢漢字｣に注意すればいいだけだ。当然、本校志望者は｢全問正解｣が求められる。｢基礎的問題｣では絶対に失点しないこと。

＜時間配分目安：２分＞

｢奥州藤原氏が栄えた『平泉』についての説明文｣からの出題。
[問１]では｢奥州藤原氏にかくまわれ、『平泉』で最期を迎えた人物｣を問われているが、不意をつかれた諸君もいるかも。｢答え｣は｢源義経｣(｢漢字｣にも注意)｡
[問２]は｢松尾芭蕉｣との関連だ。芭蕉がこの地で詠んだ｢夏草や兵どもが夢の跡｣と｢奥の細道｣は当然、知っていなくてはいけない。やはり、この大問も外せない。あせらずに確実に得点を重ねたい。

＜時間配分目安：１分半＞

｢江戸時代のある都市の港の様子を描いた絵図とその説明文｣からの出題。先ずは｢ある都市｣を特定する必要があるが、｢説明文｣に｢蔵屋敷が立ち並び｣とあるので、｢大阪｣で即決定だ｡であれば、｢選択肢設問｣の[問１](＝｢大阪｣)と[問２](＝｢菱垣廻船｣)は、問題ないはずだ。残りの１問だけ検証してみたい。

[問３]　｢絵図に関連する不適切選択肢設問｣(複数完全解答/５択)
｢絵図｣に｢描かれている都市は、ある人物が戦国時代末期に城をつくった｣が、示されている｢その人物の説明｣で｢正しくないもの｣を｢すべて｣答える。｢大阪城｣なので､｢ある人物｣＝｢豊臣秀吉｣は朝飯前。で、選択肢(イ)の｢朝鮮出兵｣､(ウ)の｢検地｣､(エ)の｢農民から武器をとりあげた｣は｢適切｣なので｢消去｣｡また、(オ)の｢征夷大将軍｣は｢不適切｣で｢答え｣になるというところまでは何の問題もない。が、(ア)の｢キリスト教を保護｣はどうか？　確かに、当初は織田信長と同様に｢キリスト教を保護｣したが、後に｢バテレン追放令｣を出して弾圧するのだから、｢不適切｣と判別しなくてはいけない。よって、｢答え｣は｢(ア)(オ)｣となる。正確に読み取ることが求められる。

＜時間配分目安：１分＞

｢江戸時代幕末の年表｣に関連する出題。｢年表｣は｢〈あ〉→『1860年:桜田門外の変』→〈い〉→『1862年:生麦事件』→〈う〉→『1863年:薩英戦争』→〈え〉→『1867年:大政奉還』→〈お〉｣となっている(〈あ〉～〈お〉は｢空所｣)。
[問１]は｢選択肢設問｣(２問)で、｢桜田門｣は｢江戸城｣(＝｢答え｣)の｢門｣だということと、｢大政奉還｣は｢将軍が政権を天皇に返上すること｣(＝｢答え｣)だということが問われている。いずれも基礎中の基礎だ。[問２]だけ検討する。

[問２]　｢年表中の空所補充選択肢設問｣(全２問/５択)
示されている(ａ)｢薩長同盟｣､(ｂ)｢日米修好通商条約｣は、｢年表中の空所｣の｢どの時期｣に｢あてはまるか｣を答える。井伊直弼が勅許(朝廷の許可)を得ずに(ｂ)を調印した結果､｢桜田門外の変｣で暗殺されたのだから､(ｂ)＝｢〈あ〉｣は何の問題もないはず。(ａ)は不確かな可能性もあるが、｢薩摩藩｣の｢生麦事件｣(1862年)⇒｢薩英戦争｣(1863年)､｢長州藩｣の｢外国船砲撃｣(1863年)⇒｢四国艦隊による下関砲撃｣(1864年)といった｢攘夷の実行｣の後、ともに｢倒幕｣へと協力していくという｢流れ｣なので､(ａ)＝｢〈え〉｣となる。尚、｢幕末｣は毎年のように｢重要な出来事｣が続くので、しっかりと整理して｢流れ｣をとらえておくこと。

＜時間配分目安：１分半＞

｢４点の写真資料｣に関する出題。これまた誰もがおなじみの｢写真｣だ。(Ａ)は｢原爆ドームが写る焼け野原｣､(Ｂ)は｢『米英軍と開戦す』という見出しが躍る新聞記事｣､(Ｃ)は｢『ミッドウェー沖に大海戦』という見出しの新聞記事｣､(Ｄ)は｢線路を調べる人たちの様子｣(＝｢リットン調査団｣)だ。[問１]で｢年代整序｣(無論、｢(Ｄ)→(Ｂ)→(Ｃ)→(Ａ)｣)､[問２]で(Ｃ)(Ｄ)の｢説明｣が｢選択肢｣で問われている｡(Ｃ)については、(ウ)の｢この戦いで勝利｣が｢答え｣(｢不適切選択肢｣)､(Ｄ)は｢この出来事がきっかけとなって起こった事がら｣なので､(ア)の｢国際連盟脱退｣が｢答え｣となる。平易なので当然、｢全問正解｣すべき大問だ。｢戦前～終戦｣も頻出なので、しっかりとつかんでおくこと。

＜時間配分目安：２分＞

｢原子力発電所の現状とそれに関する地図｣からの出題。典型的な｢時事問題｣だ。2011年の｢福島第一原発のメルトダウン｣以降､全ての原発が稼働停止となっていたが、2015年８月に鹿児島県薩摩川内市の｢川内原発｣が再稼働したこと(｢地図上での位置｣も問われている)、そして、2016年から｢30年前｣に起きた｢チェルノブイリ原発事故｣が問われている。当然､押さえていなくてはいけないことだ。尚、その後2016年１月に福井県の｢高浜原発｣再稼働(ただし、裁判所の決定により３月に稼働停止)、８月には愛媛県の｢伊方原発｣が再稼働した。2017年度も｢要注意時事問題｣だ。

＜時間配分目安：２分以内＞

｢2015年の公職選挙法改正とそれに関連する地図｣からの出題。
[問１]は｢18歳選挙権｣という本年度の｢最重要時事問題｣。
[問２]は2016年７月に実施された｢参議院議員選挙｣での｢合区｣についての問題､｢隣り合う県の選挙区を統合する｣という｢参議院議員選挙｣として初めての大改革だ。無論、対象は｢鳥取県･島根県｣と｢徳島県･高知県｣だ。この｢合区｣は2016年の｢参議院議員選挙｣からなので、引き続き要注意だ。

＜時間配分目安：２分＞

｢アメリカと54年ぶりに国交を回復した国についての説明文とその地図上の位置｣についての出題。これまた本年度の｢時事問題｣としては定番のはずなのだが、｢海外での出来事｣ということで抜け落ちている可能性もある。無論、｢キューバ｣のことだ。で、その｢位置｣の特定は難しい。｢中南米の地図｣なので紛らわしいのだ。｢時事問題｣では関係する｢地図上の位置｣をも正確に押さえておく必要がある。やはり、本校では｢時事問題｣が肝となる。

＜時間配分目安：１分以内＞