青山学院中等部 入試対策
2018年度「青山学院中等部の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
これまで設問数はおおむね地理・歴史・現代社会の順番でほぼ同量の設問が割り当てられていて、総解答数は40~50問ほどであった。
しかし、2018年度では1問2点で計25問というシンプルな構成になった。出題分野も地理11問・政治経済5問・歴史9問と地理・歴史が多く出されている。
内容や難易度にはさほどの変化は無く、記号選択と適語記入が多く、短文の記述問題が見られる点も従来と変わりはない。
地理分野
地図・地形図・統計資料などがよく用いられている。
基本的事項の問題が多いが、村の成り立ちの特徴を考えたり、地図から昔の地形を推察したりなど、思考力を問われる問題もある。
全ての分野から幅広い出題が見られるので、まずは基本事項をしっかり暗記する。地名・地形・気候や産業などを頭にいれ、地図や資料集でしっかり肉付けをしておく。さまざまな図版なども見慣れておきたい。
その上で、なぜそのような地形が形成されたのか、なぜその地域でその産業が発達したのかなど、背景や理由も考えながら周辺事項も合わせて取り込んで、知識に厚みを持たせよう。
-
歴史分野
年表や歴史資料・写真などが使われる問題が多い。
地理分野と同様、基礎的な知識を問う問題が多いが、ただ人物名を答えるだけでなく、その周辺事項も合わせて少し詳しく訊かれるパターンが多く見られる。時代順の並べ替えもよく出されている。
まずは基本事項を幅広く覚えていく。テキストを丁寧に学習し、地図や歴史資料などを参照して周辺知識も合わせて結びつけておく。
年表で出来事の流れをイメージできるようにしておくことも大事である。ある項目について訊かれたら、その前後の出来事や関連する事項もすぐに引き出せるように訓練しておこう。
現代社会
例年は地理・歴史分野と同じ問題量だったが、2018年度は少なめの出題となっている。来年度も同様の傾向になるのか注意しつつ、政治経済分野の学習も抜かりなく進めておきたい。
憲法や政治の仕組みを丸暗記しただけでは答えられない問題が出る。使われるデータも最新のものが多く、国際関係の出題も目立つ。
テキスト上の基本事項が頭に入っているのは当然として、より現実に即した新鮮な知識が求められているようである。時事・重大ニュース集なども活用しつつ、普段から時事問題に関心を持ってニュース・新聞をチェックする習慣を身につけたい。
全てを読破するのは時間的にも無理があるので、重大ニュースについては見出し・リード文くらいは目を通し、知らないことだったらもう少し詳しく調べてみるといった努力が、本校の試験では役立つはずである。特に直近の1~2年の出来事は整理してよく理解しておこう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2018年度「青山学院中等部の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数が25問となり、時間は25分と変わらないので時間の余裕ができた。
基本的事項の質問が多いが、その中にいくつか難しい問題が含まれている。テキストには出ていない事柄の質問もあり、思考力を要求される。
知識だけで解ける問題はてきぱきこなし、資料の読み取り・計算や記述問題などの考える時間が必要な問題に余力を残せるようにペース配分したい。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
自然・観光などを中心に、世界遺産についても訊かれている。
問一 バブル経済崩壊はおおよそ1991年3月から。日本経済における大きな事件で問題にされることが多いの
で、覚えておこう。
問二 (ア)従来のただ見物するだけの観光ではなく、地域の特色ある活動に参加したり、人的交流をしたりして
より深い体験を目指すもの。(イ)は正確に計算すると約2010人となる。
問三 日本の祝祭日は年15日で先進国の中でも多い方であるが、有給休暇も含めると主要30か国のうち20位
(2013年度)と大きく後退する。特にヨーロッパでは有給休暇が30日を超える国も多く、取得率も高い。
問四 Bの富良野市はドラマシリーズ「北の国から」の舞台となり、ラベンダー畑などを訪れる観光客でにぎ
わった。
問七 中国人が日本製品を大量に購入しているニュースを見たことがあるだろう。近年は富裕層が人間ドックや
美容整形などの医療サービスを目当てに訪日する例が増えている。
問九 ①はハイマツやナキウサギなどから北海道の大雪山系。②は屋久島。④は高い固有率ということで隔絶し
た環境の島などが予想できる。白神山地は青森・秋田にまたがるブナの原生林である。
問十 紀伊山地の霊場と参詣道は神道と仏教が結びついた宗教文化が評価されたもので、文化遺産としての登録
であって複合遺産とはなっていない。
<時間配分目安:11分>
【大問2】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
日本の政治と国際社会。
問一 裁判官を裁く「弾劾裁判」は国会で開かれる。①の最高裁の判決は最終決定であり、それ以上判断される
ことはない。③・④は、最高裁長官は内閣が指名して天皇が任命、地裁の裁判官は最高裁が指名して内閣
が任命、となる。
問二 名称は「中間報告」だが、そのまま本会議で継続して審議・採決することができる。事実上、委員会の判
断を省略した形になる。
問三 FTAは関税や貿易を主とした協定。日本は、人的交流などさらに広い経済協力も含むEPAの締結が多
い。
問五 日本は事実上アメリカの核の抑止力に守られていることもあり、交渉自体に参加していない。
<時間配分目安:5分>
【大問3】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
古墳時代について。
問一 ①土偶ではなく埴輪が正解。②大仙古墳は奈良県ではなく大阪府。
問二 稲作は縄文時代末・銅や鉄などの金属器は弥生時代にすでに伝えられていたので、①・②・⑤は時期が合
わない。
<時間配分目安:2分>
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
平安時代の問題。
問二 時代が合わないものが混じっているパターンの問題も多いが、ここは単純に作者と作品が逆になってい
る。
<時間配分目安:2分>
【大問5】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
問一 大政奉還は京都の二条城で行われた。江戸城ではないので注意。
問二 大政奉還後は、廃藩置県→地租改正の改革、内閣の発足から明治憲法の発布→第一回帝国議会というおお
まかな流れを覚えておこう。その間、1877年に西南戦争が起こっている。
問三 それまで年貢米という物納で収穫高が一定ではなかったので、金納とすることで税収の安定を見込んだも
のである。
<時間配分目安:4分>
【大問6】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:1分
終戦の年の出来事を時代順に並べ替える。
原爆投下を受けて直後に降伏したので④→①が最後。②の東京大空襲が3月10日、③の沖縄占領が6月下旬なので、②→③→④→①の順になる。
<時間配分目安:1分>
攻略ポイント
問題構成が簡略化されて時間には余裕ができた印象である。ともあれ、教科書に載っている知識ばかりでなく、現代社会で近年に起こった出来事が多く出題される傾向は変わらない。
時事問題に十分な対策を。時事問題集ばかりでなく、新聞やニュースにも日常的に目を通し、直近1~2年の社会的な出来事に詳しくなっておこう。出来事を取り巻く背景も考えるようにすれば思考力も養える。
地理や歴史は一部に難しい問題も見られるが、多くは基礎的な問題なのでしっかり得点できるように備えたい。記号選択式が多いので類似問題を多くこなして慣れておくこと。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
青山学院中等部の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。