青山学院中等部 入試対策
2020年度「青山学院中等部の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
2017年度までは設問数はおおむね地理・歴史・現代社会の順番でほぼ同量の設問が割り当てられていて、総解答数は40~50問ほどであった。
しかし、2018年度から1問2点で計25問というシンプルな構成になった。2020年度では30問となり、分野も地理11問・歴史13問・政治経済6問と地理・歴史が多く出されている。
内容や難易度にはさほどの変化は無いが、最新年度でも短文の記述問題は出題されなかった。
地理分野
地図・地形図・統計資料などがよく用いられている。
基本的事項の問題が多いが、村の成り立ちの特徴を考えたり、地図から昔の地形を推察したりなど、思考力を問われる問題もある。
全ての分野から幅広い出題が見られるので、まずは基本事項をしっかり暗記する。地名・地形・気候や産業などを頭にいれ、地図や資料集でしっかり肉付けをしておく。さまざまな図版なども見慣れておきたい。
その上で、なぜそのような地形が形成されたのか、なぜその地域でその産業が発達したのかなど、背景や理由も考えながら周辺事項も合わせて取り込んで、知識に厚みを持たせよう。
歴史分野
年表や歴史資料・写真などが使われる問題が多い。
地理分野と同様、基礎的な知識を問う問題が多いが、ただ人物名を答えるだけでなく、その周辺事項も合わせて少し詳しく訊かれるパターンが多く見られる。時代順の並べ替えもよく出されている。
まずは基本事項を幅広く覚えていく。テキストを丁寧に学習し、地図や歴史資料などを参照して周辺知識も合わせて結びつけておく。
年表で出来事の流れをイメージできるようにしておくことも大事である。ある項目について訊かれたら、その前後の出来事や関連する事項もすぐに引き出せるように訓練しておこう。
現代社会
2017年度までは地理・歴史分野と同じ問題量だったが、2018年度以降は少なめの出題となっている。来年度も同様の傾向になるのか注意しつつ、政治経済分野の学習も抜かりなく進めておきたい。
憲法や政治の仕組みを丸暗記しただけでは答えられない問題が出る。使われるデータも最新のものが多く、国際関係の出題も目立つ。
テキスト上の基本事項が頭に入っているのは当然として、より現実に即した新鮮な知識が求められているようである。時事・重大ニュース集なども活用しつつ、普段から時事問題に関心を持ってニュース・新聞をチェックする習慣を身につけたい。
全てを読破するのは時間的にも無理があるので、重大ニュースについては見出し・リード文くらいは目を通し、知らないことだったらもう少し詳しく調べてみるといった努力が、本校の試験では役立つはずである。特に直近の1~2年の出来事は整理してよく理解しておこう。
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2020年度「青山学院中等部の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数が30問で、時間は25分と変わらない。
基本的事項の質問が多いが、その中にいくつか難しい問題が含まれている。テキストには出ていない事柄の質問もあり、思考力を要求される。
知識だけで解ける問題はてきぱきこなし、資料の読み取り・計算などの考える時間が必要な問題に余力を残せるようにペース配分したい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
- ★必答問題
問1 貿易相手国1位は中国で、衣類の輸入が多い点が特徴的である。第2位はアメリカで、航空機やロケットの技術開発が進んでいることから、関連部品などの輸入も多くなっている。
問2 石炭・鉄鉱石などから、オーストラリアとわかる。
問3 やませは北東から吹く冬の季節風で、東北地方の太平洋側で冷害を起こすことがある。1993年には、特に青森・岩手・宮城で大凶作となった。
【大問2】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
問1 (A)・(B) 1960年では原料を輸入し加工した繊維製品を多く輸出していた。近年はトヨタを筆頭に自動車を多く輸出している。
問2 (C) 近年、プラスチックごみによる環境汚染が深刻となり、世界中で他の素材に変更する動きが加速している。「バーゼル条約」は有害廃棄物の国を越えた移動を制限する取り決めで1989年に国連環境計画において採択された。
【大問3】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:4分
問1 それぞれの得意な分野はその国に任せれば効率が良い。X国は小麦生産の効率がいいので、100人全員を小麦の生産にあてて4000トンを生産してもらう。残る500トンはY国から20人をあてれば生産できるので、残り180人はすべて自動車の生産に回せば、720台の生産量が得られる計算になる。
問2 貿易を制限すると国内だけの生産・消費となり、割高な製品になってしまう場合があるので、①は誤り。
問3 1948年に発足したのは関税貿易一般協定(GATT)で、1995年に解消されている。
問5 技術の進歩により、それまで採取できなかった層(シェール層)から石油を取り出すことができるようになり、世界の石油生産に大きな影響を与えた(シェール革命)。
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 桓武天皇が794年、長岡京から平安京に遷都した。
問2 ① 遠国奉行ではなく、六波羅探題。
③ 裁判の担当は問注所。
⑤ 北条家は将軍職にはつかず、執権として将軍を補佐するという形式で実権を握った(執権政治)。
問3 ③ 建長寺を建てたのは5代執権・北条時頼。
④ 慈照寺東求堂を建てたのは8代将軍・足利義政。
問4 ア. 平賀源内ではなく、杉田玄白。
イ. 菱川師宣ではなく、歌川広重。
【大問5】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:2分
- ★必答問題
問1 ④ 戸主や高額納税者など、兵役を免除された者もあった。
【大問6】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:3分
問1 東海道新幹線はオリンピック開幕直前に開通した。
問2 Aは1992年、Bは2009年、Cは1965年、Dは1956年の出来事。
【大問7】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:3分
- ★必答問題
問3 ④ 獲得した票数の割合は、全体の支持率をほぼ反映している。ただし、選挙の仕組みにより、当選議席数は国民の支持率と異なる面がある。
【大問8】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:1分
① 10%への消費増税は社会保障費の財源に充てることを目的とされた。
【大問9】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:1分
〈Ⅰ〉 国連難民高等弁務官事務所の高等弁務官を務めた緒方貞子。
〈Ⅱ〉 中村哲はパキスタンやアフガニスタンで医療や治水などで支援活動を行っていたが、2019年に武装勢力の襲撃を受け殺害された。
攻略のポイント
問題構成が簡略化されて時間には余裕ができた印象である。ともあれ、教科書に載っている知識ばかりでなく、現代社会で近年に起こった出来事が多く出題される傾向は変わらない。
時事問題に十分な対策を。時事問題集ばかりでなく、新聞やニュースにも日常的に目を通し、直近1~2年の社会的な出来事に詳しくなっておこう。出来事を取り巻く背景も考えるようにすれば思考力も養える。
地理や歴史は一部に難しい問題も見られるが、多くは基礎的な問題なのでしっかり得点できるように備えたい。記号選択式が多いので類似問題を多くこなして慣れておくこと。
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