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浅野中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「浅野中学校の理科」
攻略のための学習方法

浅野の理科は、志望者の層が厚いので、合格点が高くなっている。解かなくてもよい難問はなく、合格に必要な学力を得るには時間がかかる。
短期的な暗記では対応できない。志望者は理科の全ての単元を、計画的に終えたうえで、さらに以下の3点に気をつけて対策を練っていきたい。
 
1点めは、知識の暗記は「ものの名前」だけではなく「ものの関係」を含めて覚えるようにしたい。
例えば【大問1】の(設問5)は、「赤血球」「血小板」「白血球」の、ひとつひとつの「ものの名前」を問うのではなく、「ものの関係」を問うている。
こういった出題形式の背景には、少ない設問数でより多くの内容を問いたいという、難関校の事情が想定できる。
過去問を解いてみて、知識問題の正答率が、普段の模試と異なっていた志望者は、特に注意が必要だ。
一問一答式の暗記を終えた志望者は、次に知識の体系的な理解へと進んでいきたい。
 
2点めは、図式や資料から、必要な情報を読みとれるように訓練したい。
浅野の理科の特徴として、図式が(あるいはグラフと呼んでも同じだが)豊富に与えられる。
志望者は、図式を読みこんで、そこに理科のどの法則が当てはまるのか、ひらめくようになっておきたい。
例えば【大問2】の(設問4)は、「年間を通しての日照時間」と「月の日周運動」の法則を当てはめることで、正答できる。
当てはめるべき法則が、入試の本番で、きちんとひらめくためには、問題の演習量がものをいう。
浅野の志望者は、情報を読みとる問題を、他校の過去問を含めて、解いておきたい。
 
3点めは、図式を日頃から手書きする習慣をつけておきたい。
2点めの「図式の読みとり」と似ているが、こちらは図式があらかじめ与えられておらず、設問文から「図式を白紙に書きおこす」ことだ。
中学入試において、自らの手で図式を書く設問は、多くない。標準的な模試では、図式が与えられることがほとんどだ。
したがって、志望者が日頃から意識して訓練しておかないと、いつまでも図式を書く能力は育っていかない。
例えば、【大問2】の(設問6)や【大問4】の大半の設問に、図式を書かせようとする出題者の意図が感じられるはずだ。
手間を惜しまずに、しっかりと準備しておこう。
また図式を書く時には、「見直しやすさ」を意識すると良いだろう。試験時間を考えると、図式を何度も書き直すことは不可能だ。
できれば一度で正確な図式を描き、見直すのは計算の数字だけにできれば理想的だ。

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2014年度「浅野中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は40分で、得点は80点満点だ。
大問は、今年は4問で構成された。例年は、4問から5問の構成と考えられる。
解答は、数字や記号をそのまま答えさせる形式で、本格的な記述は要求されてはいない。計算や思考に時間を割かなければいけないので、余裕のある試験ではない。
受験者は、設問文を丁寧に読んでいきたい。知識問題にしても計算問題にしても、いずれも、時間に押されるように解答を急ぐと、正答率は下がっていくだろう。
また、難問として早々と見切りをつけられる設問は少なく、全ての設問に解答の時間を割り当てていきたい。

【大問1】小問集合

  • 時間配分:7分

小問集合で、生物分野から「植物」「昆虫」「人体」の単元が、化学分野から「水溶液」「中和」の単元が、それぞれ出題された。知識を広く確認したい。
計算については、基本的な法則を理解していれば、たやすく解答できるはずだ。目安時間は7分以内だ。
(設問5)注目したいのは、ひとつひとつの名前を答えさせる、いわゆる「一問一答」ではなく、「物事の関係」を問うている点だ。

【大問2】地理分野

  • 時間配分:10分

地学分野から「月の満ち欠け」「天体の運動」の単元が、出題された。
求められているのは、設問を読み、グラフから必要な知識を読みとる能力だ。グラフを読み間違えると、大幅に失点してしまうので注意したい。
目安時間は10分以内だ。
(設問4)「グラフ1」から、読み取るべき情報は2点になる。1点めは、昼の長さが(あるいは夜の長さが)おおよそ12時間に収まっていることだ。ここから、春分か秋分の前後だと見当をつけたい。2点めは、問われている時期は、日の入りが遅くなり、かつ、日の出が早くなっていることだ。ここから、太陽の見える時間が長くなっていく、冬から夏にかけての時期だとわかる。

【大問3】化学分野

  • 時間配分:8分

化学分野から「水溶液」と「気体の発生」の単元が、出題された。
知識問題として(設問1)で気体の性質が問われ、計算問題として他の設問が続く。難易度は高くないが、計算間違いに気をつけたい。
目安時間は8分以内で、できれば試験時間の間に見直しがしたい。

【大問4】物理分野

  • 時間配分:12分

物理分野から「電気と回路」の単元が、出題された。設問文を読み、受験生は自ら電気回路の図を書けるようになっておきたい。
目安時間は12分以内だ。

攻略のポイント

受験生の水準を考えれば、単純な知識問題については、ほぼすべての受験生が正答するはずだ。そのうえで、合否を分けるのは、図式を読みとる思考問題になる。教科書にある典型的な解法を、暗記しているだけの生徒は、歯が立たないだろう。背後にある理科の法則をしっかりと理解したうえで、「浅野の理科」に向けて、特に演習時間を確保し、経験を積んでおく必要がある。設問文を読んで、手が止まってしまう場合は、演習経験が不足していると考えられる。

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