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浅野中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「浅野中学校の理科」
攻略のための学習方法

答案作成力

答案作成能力のうち、注目したいのは、速度と精度の、2つの能力だ。これらの能力は、一朝一夕には身につかない。単純な知識の暗記であれば(一問一答であれば)、直前の対策でも、生徒に身につけさせることはできる。しかし、答案作成能力は、短期的には伸びにくい。長期間の学習によって、少しづつ身につけていくものだ。
したがって、浅野中学校の志望者は、受験の早い段階から(理想的には小学5年生の後半から)、本番を想定した学習を心掛けたい。
具体的には、演習問題を解く比率を増やすべきだ。中学受験のカリキュラムは、知識を定着する暗記と、知識を活用する演習に、大別される。浅野中学を志望するのであれば、基礎知識の暗記では満足せずに、積極的に演習まで、挑戦していってほしい。学習時間を増やすことにはなるが、その演習の成果は、受験の本番が近づいてくれば、はっきりと現れてくる。

資料の読解力

資料を読み取る能力は、合否を左右する。中学受験においては(12歳の段階では)、知識の量に、大きな差があるわけではない。そこで、浅野中学では、志望者を選定するために、「知識の量」だけではなく、「知識の活用」を、試験していると考えられる。資料問題の比重を高くして、「ただ覚えているだけの子ども」と「覚えたことが活用できる子ども」を、判断しようとしているのだろう。
例えば、【大問4】の各設問は、ていねいに解説していけば、大半の子どもは正答できる。きちんとした基礎知識さえあれば、難しくはない。知識の量が多い志望者は、必ずしも有利にはなっていない。しかし、視点を変えて、志望者の正答までの所要時間に、注目してみる。すると、もっとも速い者で7分、もっとも遅い者で15分くらいに、差が開くだろう。その差の一番の原因は、資料を読み解いていく速度にある。

算の工夫

計算力には、いくつか確認しておきたい点がある。
まずは、試験時間40分の間、細かな数字を扱い続けても、息切れしないだけの持久力が求められる。設問数が多く、単純に手を素早く動かしていかなければならない。一問一問を解く速度を上げながら、試験の後半になっても速度が落ちないことが求められる。
また、細かい小数点以下の計算になった場合でも、計算の精度が落ちないかも気になる。この点は、小学校5年生の段階から、計算練習を積んでおけば、準備がしやすい。
最後に、試験時間内に、迅速に見直しができるように、式を整理して書き残しておく習慣が欲しい。もし、間違った解答を見つけても、あらたまって計算式を書き直している時間は、本番にはないはずだ。

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2016年度「浅野中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間は40分で、得点は80点満点だ。大問数は4問で、出題分野ごとにきちんと整理されている。設問数は34問で、見直しを考慮すれば、1問当たり1分以内に解答していかなければならない。受験者は、基礎的な理解力に加えて、答案作成の速度が求められている。

【大問1】生物分野からの出題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

単元:植物
内容:個々の植物の知識と、植物を含んだ生態系の知識が、組み合わされて、問われている。小学生に身近な出来事からはじまり、より広い環境の理解へと導く内容となっている。
形式:設問文を読み進めながら、細部の知識を確認していく文章形式だ。

(1)から(4) 身近にある植物の性質を、ひとつひとつ丁寧に覚えておけば正答できる。

(9)時事問題として、「遺伝子組み換え作物」が扱われている。教科書だけではなく、最新の科学のニュースにも敏感になっておきたい。

(10)本校では、小数点以下までの計算能力が求められる。試験時間40分の間、精密な計算を続けられるだけの持久力を養っておきたい。

【大問2】化学分野からの出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

単元:水溶液、気体の性質
内容:水溶液と気体の基本的な性質が問われている。要求されている知識の量は多くはないが、知識の正確さを問われている。
形式:実験の場面を想定しながら、正確な知識を確認していく正誤問題と、計算問題が中心になる。

(1)と(2) 水溶液の基礎知識を、確認する設問だが、設問文を丁寧に読まなければならない。読解速度を上げて、解答時間を減らさないようにしたい。

(5)から(7) 気体の性質の知識を、確認する設問だが、解答は択一式ではない。したがって、知識を曖昧にしたまま、消去法で解答してきた受験者は、得点できなくなる。

【大問3】物理分野からの出題

  • 難度:
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

単元:てこ
内容:てこの原理を理解し、具体的な数字にもとづいて計算ができるかが問われている。形式:算数の問題のように図形や式だけが与えられるのではなく、日常生活の場面(父と子の会話)に、科学法則を適用しようとする、知識活用形式だ。

(1)から(3)は標準的な難易度だが、(4)から(6)は、難しい。

(4)から(6)を解くべきかは、残りの解答時間と、受験者の計算能力に左右される。

【大問4】地学分野からの出題

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分

単元:天気の変化
内容:資料として気象情報が与えられ、そこから現実世界の天候が予想できるかが問われている。
形式:資料から必要な情報を読みこめるかを問う資料形式だ。

(2)降水量の明確な定義が問われている。普段は何気なく用いている言葉でも、きちんと科学的に理解しておきたい。

攻略のポイント

受験者の平均学力から判断すれば、基礎的な知識問題は、誰もが得点してくるはずだ。であれば、合否を決定するのは、答案作成能力になる。答案作成において、計算能力と資料分析能力を、意識して鍛えておきたい。

例えば、計算能力であれば、【大問2】の(3)から(4)と、【大問3】の(4)から(6)が、正確に計算できるかが到達すべき基準になる。

同様に、資料分析能力であれば、【大問4】が10分以内に解答できるように、鍛えておきたい。

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