浅野中学校 入試対策
2020年度「浅野中学校の算数」
攻略のための学習方法
問題の難易度変化
本校の入試問題は、年度により難易度にバラツキが見られる。かなり高難度の問題が出題される年度もあれば、典型的な問題がほとんどという年度もある。これまでの平均点を見る限り、標準的な問題をきちんと得点できれば、合格に必要な点数には届くと思われる。しかし、思わぬミスをすることもあるので、やや難しい問題にもある程度対応できるようにしておいた方が無難である。また、算数で稼いでおく必要がある受験生は、やや難度の高い問題にも積極的に練習しておきたい。
計算問題を甘くみないこと
本校では、毎年はじめに計算問題が出題されている。この計算が手間のかかることが少なくない。やはり毎日の計算練習は欠かせない。計算練習は短時間に集中して取り組むことが重要である。
一行問題を短時間でしっかり得点することが大切
本校では、計算問題の後に一行問題が毎年出題されている。この一行問題を短時間でしっかり得点することが大切である。一行問題とはいえ、やや難度の高い問題もあることに注意。あらゆる分野から出題されるので、どの分野でも標準的な問題は素早く解けるようにしっかり練習しておく必要がある。本校の入試では、一行問題に時間をかけすぎると、後半の問題にじっくり時間が使えなくなるので、短時間で解くことも日頃から心がけたい。
そのためには、正解・不正解だけでなく、どのような解法で解いているのか注目することも必要だ。自分の解法と模範解答の解答を比較するなど、いくつか方法はある。
大型問題について
大型問題では、いくつかの小問題に分かれていることがほとんどである。最初の小問は易しいことがよくあるから、苦手であっても、そのような問題を確実に正解しなければならない。そのためには、本校の過去問や模擬試験などにおいて、(1)だけでも解くという強い意志をもって臨むことが大切である。
時期ごとの学習法について
6年夏までは、苦手分野を克服し、標準問題をしっかり学習しておきたい。塾のカリキュラムに沿った学習の他に、これまでの復習を少しでも構わないので取り入れるとよいだろう。いろいろな学校の入試問題の一行問題をやってみるのも効果がある。
6年秋以降は、過去問演習とともに、難度のやや高い問題にも取り組むことになる。他の上位校の入試問題をやってみるのもよい練習になるだろう。
過去問の取り組み方について
秋以降は本格的に過去問に取り組むことになる。本校では、過去問と同じようなタイプの問題(大問)が出題されることがある。過去問演習を十分にこなし、考え方をしっかり理解することが重要である。
解答形式は一部記述式
式や考え方を記述する問題が一部ある。このような問題では、部分点も設定されているので、採点者に伝わるような書き方をする必要がある。日頃から式や考え方を書く習慣をつけておくとよい。
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2020年度「浅野中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計算問題→一行問題→大型問題というスタイルは例年通りである。
今年度の問題は、取り組みやすかった昨年度に比べると難化している。平均点の得点率は52.9%、合格者平均点の得点率は64.2%となり、本校の標準的な得点率に戻ったといえるだろう。
※時間が余る設定になっています。余った時間は見直し等に使おう。
【大問1】計算と一行問題
- 難度:標準
- 時間配分:14分
- ★必答問題
(1)は、毎年恒例の計算問題。
(2)は売買に関する問題。仕入れた個数と売り上げた個数の比に注目するとよい。
(3)は点の移動の問題。シャドーの考え方が有効である。
(4)は規則性の問題。操作A、操作Bによって、黒玉、白玉の個数がどのように変化するのかを捉えることがポイント。本質がつかめれば、あとは解きやすい。
(5)は論理に関する問題。はじめに空欄キで、正三角形の領域内における2点間の距離について問われる。この答えは明らかで、メインはその後の説明問題にある。説明問題は、鳩の巣原理(部屋割り論法、ディリクレの原理などともいう)をテーマにした問題で、論理的にきちんと説明することが重要である。
【大問2】場合の数、日暦算、平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:11分
1つの大問で様々な分野の問題が出題されている。小問どうしのつながりがあるのは、(4)と(5)のみである。
(1)は場合の数。一筆書きの問題で、一筆書きできる条件を知っていると解きやすい。
(2)も場合の数。一般的な塗り分けの問題である。
(3)は曜日に関する問題。やや手間がかかる。
(4)は平面図形の問題で、複雑な図形の指定された部分の長さを求める。図は複雑だが、図形に関する知識や技能はあまり必要としない。
(5)は(4)の図形の面積を求める。(4)が正解できれば、この問題も正解できるだろう。
【大問3】ニュートン算
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
途中までは典型的なニュートン算の問題。
(1)は、ポンプが1分で抜く水量を求める。40分での水量変化から考えればよい。
(2)は典型的なニュートン算の問題。
(3)は途中でポンプが壊れる問題。ニュートン算につるかめ算の要素が加わっている。このレベルは難なく正解したいところ。
(4)では、ポンプの数が5分ごとに増えていく。ポンプが増える度に、水の量を調べることになり、やや面倒である。
【大問4】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
ひもの先端部分が動ける範囲の体積を求める問題。平面ではなく立体で考える問題だが、考え方としては平面の場合と同じである。球の体積の求め方は、問題文に書いてあるので、これを利用していけばよい。
(1)は、球の体積の半分になることはすぐにわかるだろう。易しい問題である。
(2)も球の何倍の体積になるかを考えればよい。
(3)では、ひもの両端を動かせる設定になっている。(1)(2)を手がかりに考えていけばよい。
【大問5】角度
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
(1)は星形の五角形の角度に関する問題。有名な問題なので、すぐに解くことができる。
(2)は問題文の誘導に従って解けばよい。難しい問題ではないはず。
(3)は星形の九角形の角度の問題。(2)をヒントにすることもできるが、有名問題なので直接求めてしまった方が手っ取り早いだろう。
(4)は、条件に合うような線の結び方を考える問題。ウに当てはまる数字は限られていて、大部分は条件に合わないことが一瞬で分かってしまう。出題者の意図通りに考えずに、答えだけ書いてしまった受験生が多かったのではないだろうか。
攻略のポイント
今年度の問題は、昨年度より難化することを予想していた受験生が多かったことだろう。今年度の問題冊子を開いてみると、あまり見かけないタイプの問題や、いかにも難しそうに見える問題が目に入ってくる。
ここで慌てず冷静になることが重要である。たしかに、あまり見かけないタイプの問題も出題されているが、標準的な問題もかなり出題されている。まずは、正解すべき問題を確実に得点していくことを心がけたい。
【大問5】は威圧感があり、誘導に乗って考えていく問題に思える。しかし、過度に問題の誘導を気にしてしまうと、かえって解きにくくなるかもしれない。純粋な角度の問題として捉えるとよいだろう。
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